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JACKSON マイケル・ジャクソンと踊った唯一の日本人ダンサーの物語
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エンタメ
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第1章 マイケルが逝ってしまった

『JACKSON マイケル・ジャクソンと踊った唯一の日本人ダンサーの物語』
[著]ユーコ・スミダ・ジャクソン [発行]PHP研究所


読了目安時間:13分
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突然の訃報


 二〇〇九年六月二十五日は、世界中のマイケルファンにとって、そして私にとって、最悪の日となった。

 私はその頃、自分のダンススタジオを開く準備で忙殺されていた。

 初めてNYに渡った日から数えれば十九年に及ぶアメリカでの生活に終止符を打ち、二〇〇四年に帰国していた私は、「アウェークニング」という体づくりのレッスンや、ダンス・ヨガなど多種多様なレッスンを受けられるスタジオを、東京の二子玉川に開くことにしていたのだ。五月から本格的な準備に入り、七月一日にオープンする運びとなっていた。

 忙しさもピークとなり、ほとんど睡眠時間がとれなくなっていた日本時間六月二十六日の朝、眠い目を無理にこじ開けシャワーを浴び、いつものようにケーブルテレビのCNNニュースをつけると、Breaking News(速報)が流れていた。

 アメリカでは、なにやら重大なことが起きているようだ。大勢のマスコミや駆けつけた人々で混乱している状況が、画面に映し出されている。そして、キャスターの口から、「マイケル・ジャクソン急死」という内容が語られた。

 連日寝不足の疲れて重かった体に、「ビクリ」と言いようのないショックが走り、私はテレビの前でしゃがみ込んでしまった。体に力が入らない。まさに「くずれおちる」という状態だった。底なしの真っ暗な穴に落ちていくような感じがした。

 私は、その報道が間違いないものなのだろうと感じながら、でも、もしかしたら、マイケルのとんでもない演出かもしれないと、一パーセントの望みを抱いてアメリカの友人に電話をかけた。

 数々のメディアからひどいバッシングを受け続けていたマイケルが、彼らを振り回してやろうとしかけたトリックなのではないか……。もし、そんなことをしたら、またとてつもなくひどいことを書かれるだろうが、それでも生きていてくれれば……。

 しかし、電話の向こうでも、そんな話は見つけることができなかった。マイケルが亡くなったのは間違いなく、遺体が運び出されたということだった。

 深く落ちた真っ暗な穴から、もう一段、さらに落ちていく気がした。
「ああ、終わったんだ。終わってしまった」

 目の前に、ストンと幕が下りたのを感じた。マイケルは逝ってしまった。それは同時に、私の中でとても大事な何かが終わったことを意味していた。
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