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JACKSON マイケル・ジャクソンと踊った唯一の日本人ダンサーの物語
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エンタメ
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第8章 ダンスは生きること

『JACKSON マイケル・ジャクソンと踊った唯一の日本人ダンサーの物語』
[著]ユーコ・スミダ・ジャクソン [発行]PHP研究所


読了目安時間:25分
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ジョージとの結婚


 私の夫となるジョージ・ジャクソンと初めて会ったのは、あるテレビ番組のオープニングパーティの席だった。『NEW JACK CITY』などの映画プロデューサーをしていたジョージを、共通の友人に紹介された。

 ジョージは私に好意を抱いてくれたらしく、その日から私が好きな白い花を贈り続けてくれた。
「この人、よほどあなたが好きなのね」

 私は、花屋の配達人にからかわれた。

 とても器が大きくて人間的魅力に溢れたジョージを、私も大好きだった。しかし、当時、私には恋人がいたため、恋愛対象として見ることはできなかった。そのことはジョージも理解してくれた。

 けれども、それから数年後に偶然再会したときには事情が違っていた。私は、LAに渡って出会った彼との六年間の交際に終わりを告げたあとだった。

 実は、当時の悩みも、スティービー・ワンダーに相談していた。
「一度忘れて、次に進みなさい」

 いつまでも煮え切らない私は、スティービーの一言でようやく目が覚め、新しい人生を歩み始めていたのだ。

 その日、「LUV 2 SHY」のPV撮影でLA入りしていた私は、ジョージを見つけて懐かしさで胸がいっぱいになった。私たちは夢中になって、それまでの日々について報告しあい、時間が経つのを忘れた。以前とまったく変わることなく、ジョージは魅力的だった。

 私がフリーに戻ったことを知ったジョージは、一週間もしないうちにプロポーズしてくれ、二ヵ月後には、ハワイで二人だけの式を挙げた。一九九七年のことだった。

 私は生活の拠点をNYからLAに戻すこととなったが、それから三ヵ月後、モータウンCEOポストへのオファーがジョージのもとに来たため、二人でNYへ引越した。

 ジョージはCEO就任直後から、モータウン四十周年を迎えるための記念のプロモーションやイベントで大忙しだった。

 二人の結婚は、お互いの家族やごく少数の人にだけ知らせるだけで、すぐには公にはしなかった。この年の年末にNYで改めて式を挙げ、きちんとした形で周囲に知らせるつもりでいたのだ。

 ところが、ジョージが多忙すぎて、なかなかそれがかなわない。翌年の二月十四日、私が妊娠していることがわかり、三月二一日にようやく、多くのゲストを招いてNYで挙式を行った。教会には五〇〇人を超える人たちが来てくれ、パーティでは著名な業界人やいわゆるハリウッドスターたちからも祝福を受けた。

 ジョージが全精力を傾けていたモータウン四十周年記念イベントは、無事終了することができた。その頃のジョージの仕事ぶりは、そばで見ていて凄まじいものがあり、ときどき私は心配になった。

 サンディエゴでのスーパーボールイベントには、私のダンサー仲間やモータウン創設者のベリー・ゴーディ、Jackson 5の陰の育ての親とも言われる、スザーン・デ・パスらも迎え大盛況だった。

 モータウン四十周年のイベントは、日本でも東京ドームで大々的に開催されたが、私は妊娠中のため、NYにとどまった。

 やがて、慌ただしくも幸せな日々の中に、一人娘のコナが生まれた。

ファーストレディは向かない


 人間味溢れる一実業家のジョージと結婚したはずだったのに、私は、いつの間にかモータウンの社長夫人になってしまった。

 私は、グレートダンサーになることともう一つの夢であった「家庭を築くこと」に専念する決心をした。ダンサーとしてアメリカでやりたいことは、一通りやりきってしまったようにも思えたのだ。

 しかし、ファーストレディ(と呼ばれることすら知らなかった)と言われるそのポジションは、表面的な華やかさとは裏腹に、実際にはとても大変なことが多かった。

 私にはわからないこともいっぱいあったし、いまとなっては笑い話だが、ジョージの秘書には結構、意地悪をされた。

 それに、セレブと呼ばれる人の中には、理解できないプライドを持つ人もいるのだということを、思い知らされることが多かった。

 ある日、ジョージのCEO就任を祝って、ダイアナ・ロスがホームパーティを開催してくれた。私も、もちろん出席した。

 コネチカットにあるダイアナの豪邸に行くと、パーティをするとても広いダイニングルームの外に、料理や飲み物が並んでいるスペースがある。私も、みんなにならって、そこで料理を取り、お皿を持ってジョージのいるダイニングルームに向かおうとした。

 すると、その入り口に立っている男性が、私の名前は出席リストにないから入ってはいけないと言うではないか。もちろん、ジョージはそんなことを知らないから、なぜ私がそばに来ないのかわからない。
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