トラヴィス・ペイン
(TRAVIS PAYNE)
ダンサー、振付け師、ディレクター、プロデューサー。
1971年7月5日生まれ。アメリカ・ジョージア州出身。
4歳からダンスをはじめ、バレエ、タップ、ジャズ、モダンなどさまざまなダンスを学ぶ。16歳になるころには、すでにプロダンサーとして活躍していた。19歳でLAに生活の拠点を移した後、その並外れた才能がすぐ目にとまり、LAのアーティストやダンサーと仕事をする機会にめぐまれる。
ダンサーとしては、マイケル・ジャクソン、プリンス、アン・ヴォーグ、デビー・アレンなどと共演し、ギャラリー・オブ・グレートに最年少で殿堂入りを果たす。振付け師としては、マイケル・ジャクソン、アン・ヴォーグ、マドンナ、スティング、レニー・クラヴィッツ、ポーラ・アブドゥル、フェイス・ヒル、リッキー・マーティンなど世界のスーパースターたちの振付けを手がけてきた。ミュージック・ビデオ協会賞を2度受賞し、ベスト振付けでMTVビデオミュージック賞を4度受賞した。
マイケル・ジャクソンとは、ショートフィルム『Remember The Time』への出演以降、「デンジャラス・ツアー」の後半からバックダンサーとしてライブに出演。以来、PVやライブなどの共同制作者として、マイケルから絶大な信頼を得ていた。2009年7月よりロンドンでおこなわれるはずだった「THIS IS IT」ツアーには、マイケルの右腕となってショーを創り上げていた。
日本にも度々来日しており、2010年にはテレビ「徹子の部屋」に出演。同12月には、「今蘇るマイケル・ジャクソン」と題して、「THIS IS IT」幻のロンドン公演の一部が渋谷で再現され、自身もダンサーとしてステージに立った。
いま世界中からオファーが絶えない、最も注目の振付け師。
――こんにちは、トラヴィス。今日は少し、マイケルについてインタビューさせて。まず、トラヴィスが初めてマイケルに会ったとき、どんな印象を持った?
T 会う直前までガチガチに緊張していたけれど、彼の人柄や振る舞いのおかげですっかり気が楽になり、落ち着くことができたよ。超一流のスターでアーティストなのに、昔からマイケルには周りにいる人間を心地よくさせる力があった。
だから彼と会うなり不安は消え、緊張もしなくなった。いい仕事をしたいとは意識していたけど、すっかり落ち着いていたね。「マイケルと一緒にいる」ということしか頭になく、最高の気分だったよ。この感覚はずっと変わることがなくて、仕事を共にした十六年間はいつもそんなふうだった。
――あなたにとってマイケルはどんな存在だった?
T マイケルは、いままでに出会った誰とも違う。預言者のような能力があり、人々が最初は理解できないような壮大なアイデアを持っていた。
彼は、一人の人間であり続け、のちに父親となった。その人生のさまざまな時期に関わり、一人の人間として進化を遂げていくマイケルを見ることができたのは素晴らしい体験だった。僕にとってマイケルはよき師でありインスピレーションの源であり、僕が目指す芸術的才能の見本のような存在だったんだ。
――初めてマイケルとともにダンスをしたとき、どんなことを感じた?