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お母さんのための子育て講座 その「ひと言」が子どもを伸ばす!
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くらし
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第2章 何気なく口にしがちな、こんな言葉

『お母さんのための子育て講座 その「ひと言」が子どもを伸ばす!』
[著]田中喜美子 [著] NMS研究会 [発行]PHP研究所


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第2章 何気なく口にしがちな、こんな言葉


言葉を使わない子どもたち


●言わなくても間に合う

お母さん、ご飯」「お母さんはご飯じゃないよ」

先生、トイレ」「先生はトイレじゃありません!」


 よくある話です。しかしそう言いながらも母親は、言われたとおりにご飯をよそってやり、先生も「ハイ、行ってらっしゃい」と返事をしていることが多いのではないでしょうか。

何がどうした」とか「何をどうしてほしい」とキチンと言わなくても、親しい人たちの間では伝わることが多く、ツーカーの仲という言葉があるように、日本人同士はとかく言わなくてもわかるパターンが身についてしまっています。


 これが高じて、私たちは子どもから「これ」と差し出されれば、「ああ、渡したいんだな」と疑うことなく推測して、「はい」と受け取ってしまいます。むしろ何かを言葉で説明しようとすると「いちいち言わなくてもわかるよ!」と言っているときさえあるのです。


●気持ちが伝えられない


 オサム君は自分の気持ちや考えをうまく伝えられなくて、学校で友だちに誤解されたり、気持ちの行き違いからのトラブルが多い子どもです。家ではうるさいくらいによくしゃべるのに……とお母さんは心配しています。


 あるときオサム君は、図工に使うクレパスの箱を忘れたので隣の席のミチコさんから借りることにしたのですが、「貸せよ」「一本ずつよこせ」といった(あん)(ばい)で、ミチコさんは「貸すのがイヤになった」と先生に言いつけにいきました。


 人からこんな言われ方をしたら、誰だってイヤになります。オサム君に悪気はないのですが、人にモノを借りるとき、どんな言い方をしたらいいのか全くわかっていないのです。「クレパスを一本、貸してくれる?」という言い方を思いつくことができないのです。


 でもそれもオサム君のせいではありません。家の中でそういう会話をしたことがないからです。悪気はないのに、適当な言葉で表現できないために、友だちから変に思われたり乱暴だと思われたりしています。


●言葉を使うチャンスがない


 生活を共にしていれば、たいていのお母さんは子どものちょっとした仕草で、やろうとしていること・ほしいものが察知できます。そして意識しないで、無言でモノを渡したり、手伝ったりしてしまうことが多いのです。


 赤ちゃんが泣いたりグズグズ言ったりする様子で「ああ、オムツだな」とわかり黙ってオムツ替えをする。これはお母さんとしては当たり前のことですが、赤ちゃんにオムツを替えて気持ちよくなろうねというメッセージを届けることにはなりません。


 幼い子に大人はどんな言葉かけをしているでしょう。「○○ちゃん、ご飯(食べなさい)」「これ(がほしいの)?」「カバンは(持ったの)?」のように、省略していることが多いのです。そして相手もまた「うん」の一言ですませてしまうやりとりが多くないでしょうか。


 先ほどのオサム君の場合、お母さんは小さいときからオサム君の話をじっくり聞くというより、代わりに「○○なの? △△なの?」「□□なのよね」というように先回りしてあれこれ話していました。「うーん。そうだな」と言うか、「そうじゃなくて」と言いかけると、またお母さんが「ああなの? こうなの?」と言葉を奪ってしまうのです。そのためオサム君は、自分がしたことや思ったことを表現するチャンスが少ないまま、暮らしていました。お母さんの愛情は、子どもの言葉の発達をうばい、人との関係をうまくつくれない子どもを育てていたのです。


●まず、言葉に出してみよう


 おしゃべりは「軽薄」などと思われることもありますが、それより重要なのは自分の伝えたいことや思いをちゃんと表現できることです。


 何度も繰り返すようですが、子どもには、小さいうちからちゃんと言葉をかけましょう。「気持ちいいね、うれしいね、暑いね、寒いね」いろんな表現があることを毎日の暮らしの中で、実感させていくのです。そして辛抱強く、聴くこと。じれったくなったり、代わりに言ってあげたりしたくなるのは必定。でも状況が許す限り、我慢して子どもの話も聴きましょう。子どもが話したことを繰り返してあげるのもいいことです。

クレパスを持っていくの忘れたんだよ」

あら、忘れちゃったの。で、どうした?」

友だちに借りたんだ」

誰に借りたの?」

ミチコさんに借りた」

よかったね」

でもちょっとケンカみたいになっちゃったなあ」

あら、ケンカしたの?」

ケンカって言うほどじゃないんだけどね。ボクが『貸せよ』って言ったらミチコさんが先生に言いつけたんだよ」

じゃあ、『貸せよ』でなくて、なんて言えばよかったと思う?」

そうだなあ。貸してください……だね」


 ……こんなふうに会話がつながっていくことで、子どもは、どんな場面でどんな言い方をしたらいいか学んでいくことができます。



しつけるつもりでガミガミ


●いちいち目につく


 子ども連れのお母さんがよく口にする言葉。

ダメでしょ!」「いけません」「~しなさい」「早く」「急いで」「遅い」「ダメねえ、あんたは」「これくらいで泣くんじゃない」「いい加減にしなさいっ!」禁止と否定のオンパレードです。


 これが自分に投げかけられる言葉だったらどうでしょう。イヤですね。またか、きき流しちゃえ、と思うようになるのも時間の問題ではないでしょうか。


 でも日々の子育ての中で、私たちはこのような言葉を一日に何度も「しつけ」のつもりでわが子にかけています。目についたことにいちいちガミガミ口を出しているのは一部の極端な親ではありません。


 子育ては親の性格・子の性格・相性もあります。ですから自己流・自分らしさがあって当然なのですが、その時々の感情を抑制なく口にしていては、子どもはたまったものではありません。ところが親の側には子どもとの一体感があるあまり、そうした自分の姿に気がつかないでいるのです。


●言わずにいられない


 カズオ君は四年生。元気者だけど不器用なカズオ君に、お母さんは口を出さずにはいられません。


 今日は作文や詩の原稿用紙に穴を開けて、(ひも)()じる宿題が出ました。ところがカズオ君は穴を開けるところから要領が悪いのです。用紙を半分に祈って中心に目印をつけたら、一気に穴開けパンチで穴を開ければいいものを、一枚ずつ右・左と穴を開けています。そうこうしているうちに紙がバラバラになってしまい、どれとどれが続いているページなのかもわからなくなってしまいました。


 イライラしながら見ていたお母さんは、(もう黙っていられない)とばかりに、

もう、カズオは何をグズグズしてるのっ! ほら、全部まとめてこうすればいいでしょ!」

ほら、さっさとやってごらん!」

違うって言ったでしょ」


 次から次とたたみかけるように言葉をかけてしまいます。カズオ君はとうとう「もういいよ! お母さんがやればいいでしょ!」とへそを曲げてしまいました。


 お母さんは大人ですから、効率的な方法や、失敗しないやり方を知っていて当たり前でしょう。しかも親には「教えたい病」「教えなければ症候群」の(わな)が待ち構えています。


 そのとき出てくる「そうじゃないの」「~しなさい」は余計なお世話というもの。たいていの場合、子どもには「イヤ」「○○がいいの!」「あっち行って!」さらに成長すると「うるさいなあ」「うざい」と言われてしまいます。


 そのあげくに、ガミガミ口を出したのが災いして「お母さんのせいでこうなった」という責任転嫁ばかりが上手な子どもに育ってしまうおそれもあります。


 何も言わないのは能率が悪く思えますが、結局は子ども自身が自分の力で納得する結果を得ることになり、責任を取ることの意味を体験できるのです。もし口を出すとしたら、それはヒントだけ。「全部一緒にやってみたらどうかなあ」とひと言言ってみる程度ならいいかもしれません。


●グッと我慢の親になろう


 ゼロからスタートしたわが子、できないことだらけが当たり前のはずです。それが成長してくると、親の期待や夢が加わり、よその子のでき具合も気になって、ついガミガミが多くなりがちです。


 必要なのは「待ちの姿勢、言葉を飲み込む姿勢」と頭ではわかっているものの、黙って見ていることがいかに辛いかは経験済み。言いたい自分を抑えるのが親として一番辛いところです。


 子育てでは、常に「自分が問い直され」ます。いま、ここで口を挟むべきか、無理にでもやめさせるべきか、それとも目をつぶって痛い目にあうのを待つべきか。こんなときは、五年後、十年後のわが子にとってどうなのかと考えて判断するのもひとつです。


 ガミガミ言うのをやめると子どもは勝手し放題になるんじゃないかと心配になるかもしれません。


 ガミガミを減らすには、まず何かを始める前に「約束」をしておくという方法が効果的です。「ここには絵を描いてもいいけど、このふすまには描かないんだよ」「時計の長い針が○○に来たら、おうちに帰るよ」など、子どもに具体的に話してきかせることです。こうしておけば、その後グズグズ言ったり泣いたりしても「お約束だったよね」と、余計なことを言わずに()(ぜん)とした態度をとることができます。


●ときには目をそらす


 一から十まですべてきちんとなどと無理しないことも自分が悪魔的な親にならないためのひとつの手段です。何をどうしても、子どもがギャーギャー言ってどうしようもない日だってあるはずです。そんなときは「あなただってダメな日があるよねえ」と、我慢して一緒にため息をついて見守りましょう。「まッ、いいかあ……」と力を抜く日もあっていいのです。


 目先のできごとに振り回されないよう、アンテナを高くして情報を集め、あらかじめできそうな対策はどんどん取り入れていくのがコツです。



おどかし・ごまかし・はぐらかし


●おじさんに叱られるよ


 バスの中ではしゃいで、おとなしく座っていない子どもに「運転手さんに怒られるから、静かにしなさい」という言い方をしてしまうことがありませんか。


 怒られるから静かにしなければいけないのではなくて、公共の場でのマナーとして守るべきことだからなのですが、日常生活の中で、ついうっかり私たちは子どもにこんな言い方をしてしまいます。


 こんなふうに、子どもがいけないことをすると、日本では「怖いおじさんに叱られるよ」「おばさんがにらんでる」と言うことがあります。また、もう少し前の年代だと「ほら、おまわりさんが来るよ」とか、古くは「(もう)()が来る」と言ったように、子どもの恐怖感に訴えるなど、しつけの手法のひとつとして「おどかし」が使われてきました。


 おもちゃをねだって大騒ぎする子どもに「ほらほら、あっちにピカチュウが来てるよ」とウソをついてその場から離す、母親から離れられない子どもに「ママはどこにも行かないよ」と言っておきながら、眠っているスキにこっそり買い物に行ってくるなどの「ごまかし・はぐらかし」も、言葉を変えながらよく使われる手法です。


 こうしておどかされてしつけをされていた子は、やがて母親の言うことを信用しなくなっていきます。

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