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バツイチなんて言わせない
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ルポ・エッセイ
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第五章 マルイチ会のアンケートから

『バツイチなんて言わせない』
[著]中村久瑠美 [発行]PHP研究所


読了目安時間:24分
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離婚学級の“卒業生”たち


 私の法律事務所を通じて離婚が成立した女性たちを、私は秘かに(勝手に)私の離婚学級の“卒業生”と呼んでいる。

 この卒業生を中心に、私の親しい離婚経験がある友人知人を加えて「マルイチ会」を結成発足させたのは二〇〇〇年一月である。

 それから十五年近くにわたり、このマルイチ会は離婚シングル女性の人生に深く関わり、相互の親睦と人生研究(学習)の場を提供し、成長を続けてきた。

 離婚にいたった理由も、結婚生活の長短もさまざまだろうが、ひとたび離婚をして、新たにシングルの道を歩みはじめるとなると、誰でも一瞬戸惑いを覚える。はたしてこれから一人で生きていけるのだろうか。幼い子どもを抱えた女性なら、この子を立派に育てていけるのかしら、と不安な気持ちに襲われるのも無理からぬこと……。何とか離婚は成立したとしても、その後のシングルライフのQOLの見通しは容易に立たない人も少なくない。

 そんなとき、同じような経験をした女性同士が気軽に声をかけ合ったり、語り合ったりする場があったら、心細さもいくらか緩和されるのではないか。それは離婚後のQOLを支える一大要素になるのではないか。当時はまだQOLという言葉は使わなかったものの、私の決心は固かった。バツイチという言葉が全盛時代であったこともあって、「バツイチなんて言わせない! バツイチ転じてマルイチに!」を合言葉に結成を呼びかけたところ、たちまち賛同者は集まり、卒業生約二〇名を中心に、マルイチ会は順調に滑り出した。

 その模様は連載中だった雑誌『暮しの手帖』にも紹介され、全国的に広く知られることになった。メインテーマは、離婚後の人生をどう生きるかを真正面から掲げて、序章で述べたように次のような一〇項目の研究課題を定めた。

1、改姓の是非──離婚後、姓を変えるメリット、変えないメリット
2、子どもと離婚──子どものいる離婚・いない離婚で、それぞれどんな問題があるか
3、離婚と仕事──専業主婦が離婚して仕事を得るには?
4、お金や資産の問題──離婚給付はしっかり取ろう!
5、家族や社会との関係(つながり)──実家の父母や子どもに支えられて……
6、精神生活(心身の健康)──今後何を支えに、どう生きていくか?
7、離婚後の恋愛や再婚問題──恋愛上手は離婚後の人生を明るくする!
8、離婚原因によってQOLは変わるか?
9、シングルライフを充実させる教育や趣味は?
10、ネットワークの必要性──マルイチ会の果たす役割


 すでに紹介したように、これらは離婚とQOLのための不可避的研究項目である。

 隔月ごとに開かれる例会では、この研究項目を一つずつ取り上げ、お互いに話し合い、報告書にまとめていった。

離婚後の姓をどうしたか──姓の選択をめぐって


 すでに2から9までの各項目については、前の章までで詳細に分析し報告済みである。マルイチ会の例会で会員たちと二度も三度も検討したり、話し合ったりした項目を、今回のアンケート結果も加え、私なりにまとめたものである。

 抜けているのが、1の「改姓の是非」である。離婚成立によって、婚姻前の元の姓に戻るべきか、あるいは婚姻中名乗っていた夫の氏を名乗りつづけるのとどちらが良いか。離婚後のQOLとこの改姓が、直接どのように結びつくのか、今回のアンケートからは省いている。しかし、マルイチ会の例会では比較的メンバーの関心も高く、離婚にあたって実際に改姓するべきか否か、迷いあぐねる方も少なくないので、会員からの声を以下にお届けしよう。


 ひと組の夫婦が離婚したあと、それぞれがどういう姓を名乗るかを決めなくてはならなくなります。夫婦として同じ姓であった二人が結婚前の状態に戻るのですから、結婚のときに姓を変えたほうには、元の姓に戻るか、あるいは結婚していたときの姓をそのまま名乗るのか、選択を迫られます。姓を選択する、つまり自分はどういう姓名でありたいのかを決めるということは、じつはかなり大きな問題です。この姓の選択は、さかのぼって結婚時にまず経験するはずのことなのですが、わが国はこれまではまるで「妻は夫の姓を名乗る」というのが常識のように思われていたようでした。現在でも新婚カップルのほぼ九〇パーセントが「夫側の姓」を選んでいるという事実を見ると、夫婦は姓を選択できることなど知らない、あるいは考えないで結婚に突入しているのではないでしょうか(長男と長女の結婚が増えていくであろう今後を考えると、姓の選択について意識は変わっていく可能性が高いとは考えられますが)。
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