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いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道
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生き方・教養
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第八章 名誉 ―― 命以上に大切な価値

『いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道』
[著]新渡戸稲造 [訳]岬龍一郎 [発行]PHP研究所


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◆恥の感覚こそ、純粋な徳の土壌

 名誉という感覚には、人格の尊厳と明白なる価値の自覚が含まれている。名誉は武士階級の義務や特権を重んずるように、幼児の頃から教え込まれ、武士の特質をなすものの一つであった。

 今日、名誉(honour)と訳されている言葉は、その時代、頻繁に使われたものではない。その観念は「名」「面目(めんもく)」「外聞(がいぶん)」といった言葉で表現されていた。これらの言葉は聖書で用いられる「(ネーム)」、ギリシャ語の仮面から生じた「人格(パーソナリティ)」、および「名声(フエイム)」を連想させる。

 高名――人の名声。「人としてもっとも大切なもの、これがなければ野獣に等しい」という思いは、当然のこととして、高潔さに対する屈辱を恥とするような感受性を育てた。そして、この恥の感覚、すなわち廉恥心(れんちしん)はサムライが少年時代から最初に教えられる徳の一つであった。「笑われるぞ」「名を汚すなよ」「恥ずかしくはないのか」といった言葉は、過ちを犯した少年の振る舞いを正す最後の訴えであった。

 少年たちの名誉心に訴えるこのやり方は、あたかも彼が母胎にいるころから名誉で養われたごとく、子どもの琴線(きんせん)を刺激した。なぜなら、名誉は家柄を尊ぶ強い家族意識と密接に結びついているからである。そのことをバルザックは「家族の結束を失うことで、社会はモンテスキューが名誉と名付けた根本的な力を失ってしまった」といっている。

 実際に、羞恥(しゆうち)心という感覚は、人類の道徳意識のうちでも、もっとも早い徴候(ちようこう)ではなかったかと私は考えている。
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