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生き方はニーチェに聴け!
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生き方・教養
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32 人生に正しい答を求めるな

『生き方はニーチェに聴け!』
[著]白取春彦 [発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン


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ニーチェがキリスト教を強く批判したのは、19世紀までキリスト教神学から生まれた価値観と倫理道徳が広く世間を席捲(せっ けん)していたからだ。キリスト教の価値観と倫理道徳に沿うべきだという思潮がれていなかったならば、ニーチェはキリスト教思想を批判していなかった。

ニーチェが20世紀以降の現代に生きていたならば、彼は資本主義から生まれる価値観と倫理観を強く批判していたはずだ。そして19世紀のときと同じく嫌われていたろう。

はたしてニーチェは何を言いたかったのか。「どこかに価値判断の正しい答があるなどと思うな」ということだ。しかし、多くの人はいつの時代もどこかに正しい答を求める。


 

一般的な学校教育は生徒に点数をつける。正しい答と誤答を○と×で分ける。すると、生徒はこの世には正答というものが必ず一つだけあると思う考え方に染まっていく。

こう考える傾向は大人になっても続き、働き方にもたった一つの正しい答があると思うようになる。だから、仕事や人間関係についてハウツーを求める。

そして現代は資本主義だから、ビジネスにあっては売り上げを伸ばし続けることが最大の正しい答となる。それが企業の利益追求目的の枠内だけの価値観だということにすら気づかないようになり、その価値観を自分の生き方にも反映させてしまう。


 

これでは、人生は時間制限のある一つのパズルのようなものになってしまう。最短距離で迷路を脱した者が勝ちというパズルだ。出口はそのたった一つの正しい答である。その出口へ一刻でも早くたどりつくための熾烈(し れつ)な競争が始まる。

ところで、人生はパズルや競争なのだろうか。そもそも、人生は誰にとっても自分のものではなかったのか。人生が自分のものであるならば、他人と争う必要などないはずだ。「人生はゲームだ」とか「人生は戦いだ」という言い草は、欲深い経営者が心理的に従業員を焚きつけて働かせるためのフィクションだ。


 

正しい答が必ずあるはずだと思いこめば、正しい生き方、正しい働き方、正しい礼儀作法、正しい老い方などが実際にあると思ってしまうようになる。そして結局は、伝統や正統性といった看板に引きつけられていく。

伝統や正統性がいかに残酷で人間性を無視するようなものか、そういう人たちは気づいていない。なぜならば、伝統や正統性はお家制度と同じで必ず絶対的な頂点が設定されているために、おのずと段階的な層がつくられ、それ以外は排除する構造になっているからだ。

これは容易に人を操縦し、支配する。正しさということに魅了されていったん看板をくぐれば、内部には固定されたヒエラルキーとそれにともなう抑圧と苦しみの沼の濁りが待っているのだ。


 


心の余裕をなくし、

合理的に行動することを重要とみなし、

人間的な事柄を無駄とみなして、

結局は自分の人生そのものを失ってしまう。

そんなことが頻繁に起きているのだ。

『漂泊者とその影』

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