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一流家電メーカー「特殊対応」社員の告白
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第2章 宗教団体が霊界とつなぐ無線LAN?

『一流家電メーカー「特殊対応」社員の告白』
[著]笹島健治 [発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン


読了目安時間:20分
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ある夏の、蒸し暑い日のことでした。

私と寺田センター長は特殊対応のために、大阪市内のとある大手コンビニエンスストアを訪問することになりました。そのコンビニエンスストアは、有名なお寺が近くにあることで知られている駅から、それほど遠くない場所にありました。

「今日は日差しが強いなぁ」

「そうですね。暑すぎです」

「……」

「……」

暑すぎて会話が続きません。


 

ようやくコンビニエンスストアに到着すると、ショーウィンドウの一部が割れていて、段ボールで塞がれています。店内に入ると、床のところどころにはペンキのような液体が飛び散った跡がありました。

エアコンの冷たい空気が、私と寺田センター長を心地よく一気に包み込みます。

入店チャイムとともに、レジの奥にある事務所から初老の男性と女性が出てきました。お二人はご夫婦で吉岡様(仮名)といいます。吉岡様夫妻の表情は暗く、髪は乱れぎみで目のまわりにはそれとハッキリわかる(くま)ができています。

事前に電話でお話をうかがっていたので、かんたんに挨拶をすませてから、問題のcompnoteを見せていただくために私たちは事務所に入りました。


 

なぜか同じトラブルを起こし続けるパソコン

 

そこには、すでに大阪府警の大原刑事の姿がありました。大原刑事のそばの小さなテーブルの上には新品のcompnoteがあります。

「おう、久しぶりやな。元気そうやんけ。今日は後輩が見当たらんけど、カメヤマ? もう辞めたんか?」

「辞めてないですよ。縁起でもないことを言わないでください。人手が足りないんですから」

「まぁ、そんなことはどうでもええから、このパソコン早く見たって」

大原刑事は人の名前を忘れない人ですから、わざと間違えたのでしょう。「どうでもいいこと」とは言いながら、金山君が仕事に耐えられずに辞めてしまったのか、気にかけてくれたのだと思います。

「あの、どうかよろしくお願いします」

背後から疲れきった声で吉岡様がポツリと言いました。


 

今回、特殊対応にいたることになった経緯とは─。まず、購入したばかりのcompnoteに内蔵されている無線LANのインターネット接続が、頻繁に切断されてしまうトラブルが発生しました。そこで店長は、プロバイダ(インターネット接続業者)、compnoteのサポートセンター、購入した量販店のそれぞれに問い合わせをして、いろいろと対処方法を聞いて試してみるも解決にいたらず、結果的には量販店のアドバイスでパソコン本体の交換を行います。

ところが、交換しても同じトラブルに見舞われることになり、原因がわからないため結局3回も本体を交換することになってしまったのです。つまり、いま目の前にあるのは4台目のcompnoteというわけです。


 

そもそも、吉岡様がパソコンを購入した目的は、お店に「販売支援システム」を導入したかったからなのです。このシステムは、コンビニエンスストアの本部にあるデータベースとインターネットを通じて接続することで、在庫管理や売上管理、さらに「何がいつ売れるのか」などの予測までできる仕組みです。

ところが、いざ導入しようとしても、インターネットへの接続が頻繁に切断されるために、販売支援システムがまともに使えない事態に陥っていたのでした。

ここまでなら、ごく稀ではありますが、あってもおかしくないトラブルです。しかし、吉岡様がこのトラブルについて「ある人物」に話をしたところから、異様な展開になっていきました。


 

インターネットを通じて霊界とも通信する導師様

 

「ある人物」とは、吉岡様の知人で自営業を営む岡本様(仮名)。

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