読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1275331
0
ものの見方が変わる 座右の寓話
2
0
0
0
0
0
0
生き方・教養
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
28 ごましお頭と二人妻

『ものの見方が変わる 座右の寓話』
[著]戸田智弘 [発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン


読了目安時間:3分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

るごましお頭の男には、二人の恋人がいた。一人は男より年上で、もう一人は男より若かった

年上のほうの女は、自分よりも若い男に近づくことを恥ずかしく思って、彼が自分のもとに通ってくるたびに、彼の黒い髪の毛を抜き取るのを怠らなかった。

若いほうの女は年寄りを恋人に持っていることを(かく)そうと思って、彼が自分のもとに通ってくるたびに、彼の白い毛を引き抜いた。

こうして彼は、二人から代わる代わる引き抜かれたので、とうとうしまいには禿(はげ)頭になってしまった。万事につけ、不釣り合いはケガのもと、ということである。


異性も会社もマッチングが大事


 

どういう異性と結婚するかは、自分と異性のマッチングの問題である。一般的には、生活レベルや味覚、価値観などが違いすぎると、その結婚は長続きしない。不釣り合いな結婚はケガのもとである。

同じように、どこの会社でどんな仕事につくかも、自分と「会社や仕事」のマッチングの問題である。一般的には、能力や興味、価値観の視点から両者の合致を考えるとよい。順に見ていこう。


 

一つ目は、会社が社員に求める能力と、自分の能力の合致。前者よりも後者が大きいと「仕事が物足りない」と感じ、前者よりも後者のほうが小さいと「仕事がきつい」と感じる。

二つ目は興味の合致。会社の事業分野と自分の興味や関心が重なり合っているかどうかだ。両者が合致していれば楽しく仕事ができ、そうでないと仕事に面白さを感じられない。

三つ目は価値観の合致。会社が大事にしている価値観、それと関係する社風に自分がどれぐらい共感できるかどうかである。これが違いすぎると、その会社を好きにはなれない。


 

さて、余談を少々。

一つの寓話に必ず一つの教訓が対応するわけでもない。中務哲郎は『イソップ寓話の世界』(筑摩書房)で、この話の教訓の変遷について紹介している。

イソップ版では「万事につけ、不釣り合いはケガのもと」という教訓で結ばれている。これに対して『イソップ風寓話集』の著者であるパエドレスとパブリオスは、それぞれ「愛しても、愛されても、男はいつも女からむしられる」「女の手に落ちた男は哀れ……女は海のように微笑みかけ、溺れさせる」と書いている。

ラ・フォンテーヌもこの系譜に連なり、男が髪の一件で、女たちの自分勝手な様子を知り、結婚を思いとどまる話に仕立て上げている。

日本語版では教訓がさらに変化し、「心多く定まらぬものには今世にも後世にも救いはない」(『三国伝記』)という仏教的な(さと)しとなり、さらに「色好みに(ふけ)るなかれ、二君に仕えるべからず」(『伊曽保物語』)という儒教的な道徳をまとうようになっていく。


 

こうした教訓を、会社と自分に置きかえてみても面白い。

「不釣り合いはケガのもと」

「どれだけ会社を愛しても、社員はいつも会社からむしりとられる」

「転職しようかなどと目移りをする者は、この会社でも転職先でも救いは得られない」

「忠実な社員は、いったん主君を決めたら、他の主君に仕えてはいけない」……。

どの教訓を選ぶかは読者のみなさんにお任せしたい。


この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:0文字/本文:1271文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次