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科学者が書いた ワインの秘密 身体にやさしいワイン学
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雑学
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Chapter 2 ワインに関する素朴な疑問

『科学者が書いた ワインの秘密 身体にやさしいワイン学』
[著]清水健一 [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
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ワインに入っている酸化防止剤、亜硫酸は身体に悪い?



 ほとんどのワインには酸化防止剤として亜硫酸(二酸化硫黄が水に溶けたもの)が使用されています。裏ラベルには、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」などと表示されています。


 この亜硫酸による健康被害に関して無用な心配をする人が多いので、ワインへの亜硫酸の使用、亜硫酸による健康への影響について、触れておきたいと思います。


 化学式などが出てきて難しく感じるかもしれませんが、ご容赦ください。


 亜硫酸は酸化(劣化)防止効果のみならず、殺菌作用もあるため、主にブドウの段階、アルコール発酵停止時、マロラクチック発酵停止時、ボトリング直前に添加、調整されます。ただし、最近、ブドウの段階での添加は、不快な香りを持つ硫黄化合物の生成につながるとして、入れない場合が増えていますが。


 ワイン中での亜硫酸は、次に示す式のような平衡状態にあります。




 このうち、SO〓とHSO〓〓が抗酸化作用を示し、殺菌作用に関しては、後で白ワインの殺菌作用のところで解説するように、HSO〓〓はマイナスの電荷を持ち、かつ、脂質に馴染みにくい(水に馴染みやすい)ために菌体内に入れないので、SO〓のみが作用を示します。


 平衡はpHが低いほど(H〓が多くなるほど)SO〓+H〓Oに傾くので、殺菌作用はpHが低いほど強くなりますが、抗酸化作用はpHの影響をあまり受けません。


 実際には、pHが低いほど真の亜硫酸である遊離亜硫酸(後述)が増えるので、pHが低い方が多少、抗酸化作用が強くなります。


 上記の平衡状態以前の問題として、ワインに添加された亜硫酸の大部分は、アセトアルデヒドをはじめとするカルボニル化合物(カルボニル基>C=Oを持つ化合物)と化学反応して、全く別の化合物に変わります(もはや亜硫酸ではない)。


 この、「元」亜硫酸の部分は結合亜硫酸と呼ばれます。既に亜硫酸ではないのに、「亜硫酸」という名称が付いているため話がややこしくなっています。


 一方ワイン中の成分と反応していない、残りの亜硫酸として存在する「真の亜硫酸」は遊離亜硫酸と呼ばれます。亜硫酸を問題にする場合は、この遊離亜硫酸のみを考えればよいことになります。


 日本の食品衛生法では、亜硫酸の量は、総亜硫酸(遊離亜硫酸+結合亜硫酸)で定義され、ワインでの規制値は1キログラム(約1リットル)当たり350mg未満です。


 実際に、ワインのボトリング前には遊離亜硫酸を1リットル当たり約30mgになるように調整するのが通常です。この場合、結合亜硫酸が通常1リットル当たり60~180mgあるので、総亜硫酸としては1リットル当たり90~210mgということになります。この30mgの遊離亜硫酸は、主としてワイン中の酸素と結合して、酸化防止効果を発揮し、結合亜硫酸(もはや亜硫酸ではない)に変化してゆきます。

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