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若い読者のためのアメリカ史
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『若い読者のためのアメリカ史』
[著]ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン [訳]上杉隼人 [訳] 下田明子 [発行]すばる舎


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 最初のほんとうの世界大戦――複数の国家が繰り広げる戦いが地球中に広がるもの――は、1914年に勃発した、泥の溝、音を上げる砲弾、数万人の兵士たちといったイメージを残したヨーロッパのあの戦争では実はなかった。最初の世界大戦は実は1754年に火ぶたが切られ、数十名の兵士がオハイオ領土と呼ばれる原野に集結した。この戦争はバージニア出身の22歳の中佐によって引き起こされた。35年後に、この若者はアメリカ初の大統領になる。だが、この1754年の5月の朝、ジョージ・ワシントンは岩の上に屈みこんで、フランスの野営を観察していた。周りには40名の兵士と、イロコイ族の酋長に率いられた10名ほどのインディアンの戦士がいた。酋長はその名を「ハーフ・キング」として知られるが、「激しく雨が降りしきる、漆黒の闇夜に」、ワシントンをこの渓谷に連れてきたのだ。ようやく雨があがり、フランス軍は差し掛け小屋から這い出し、朝食の準備をしようとした。


 世界大戦が勃発するとはとても思えない場所だ。だが、北米は1754年までに、アメリカからヨーロッパ、アフリカ、さらにはアジアまでにも広がった争闘状態に巻き込まれつつあった。このいわゆる七年戦争は、ヨーロッパの列強国が北米支配を求めて衝突することでクライマックスを迎える。この戦争を理解するには、スペイン、フランス、そして多くのインディアンの王国のあいだでどのような闘争が展開したか、見てみなければならない。


 コロンブスが初めてカリブ海の島に足をおろしてから優に2世紀半が過ぎ、今やヨーロッパ各国は北米のいたるところに入植していた。南部ではフランシスコ会の尽力によってアリゾナからフロリダにかけてたくさんのスペインの伝道所のほか、町もいくつか建設された。フランシスコ会は宗教団体であり、コンキスタドールの黄金や財宝には何の関心も示さなかった。教団の聖職者たちは簡素なローブをまとい、紐のベルトを締め、サンダルを履いていた。聖書の予言によって彼らが確信したのは、世界はすぐに終わりを告げるから、イエスが復活するまでにインディアンたちを改宗してやらなければならないということだった。その点については彼らフランシスコ会の信徒の希望は叶わなかったが、一方で1754年までにはすでに成立したスペイン帝国の北の境界地に、約1万5000のスペインの入植者たちが住み着いていた。

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