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若い読者のためのアメリカ史
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歴史
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13 平等と独立

『若い読者のためのアメリカ史』
[著]ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン [訳]上杉隼人 [訳] 下田明子 [発行]すばる舎


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 人類の歴史において、ある国民が自身とほかの国民とを結びつけてきた政治的なきずなを断ち切り、世界の諸国家のあいだで、自然の法と自然神の法によって与えられる独立平等の地位を占めることが必要となったとき、 全世界の人々の意見を真摯に尊重するならば、その国の人々は自分たちが分離せざるを得なくなった理由について公に明言すべきであろう。


 われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということ。

(「独立宣言」1776年7月4日第2回大陸会議により採択 13のアメリカ連合諸邦による全会一致の宣言)[アメリカンセンターJAPAN訳]



 第2回大陸会議に出席した最年少の代議員がこの一節をしたためた。当時彼は33歳、赤茶色に輝く髪と、とがった顎が印象的な人物であった。ブルーリッジ山脈のふもとの小丘に生まれたトマス・ジェファーソン(1743~1826)は故郷を愛していた。だから自分のプランテーション兼宅地モンティチェロを建てるにあたっては、同じように山脈の峰の頂上に設置した。現実的な場所ではなかったが、そこに決めたのは、「嵐から離れた天空から、雲や(ひょう)や雪や雨や雷を、自然によって作り上げられたものすべてを足元に見おろす、自然の仕事場をのぞきこむ!」ことができるからだ。ジェファーソンにすれば、この地は自然の神が働く場所であり、自然の法則にしたがう地であった。


 ベンジャミン・フランクリンやトマス・ペイン同様、ジェファーソンも啓蒙された人物であり、理神論者であった。「理性をあるべき場所にしっかり定めよ」と甥に助言している。ジェファーソンは人間は本質的に「平等に独立して」生を受けるとするジョン・ロック(1632~1704)に賛同し、独立宣言の第一草稿にこのイギリスの哲学者が残した言葉を使うほどであった。ロックはまた、「何人もほかの者の生命、健康、自由、所有を損ねることがあってはならない」と論じた。ジェファーソンはこのうちの「健康」を削除し、「所有」の代わりに「幸福追求」を入れ、あらゆる者たちの権利を「生命、自由および幸福追求」とした。


 こうした語が反乱を革命に変えた。植民地からなる「これら連合諸邦」の人々は、イギリス人として、王から権利を与えられることを求めなかった。さらには、アメリカ人として大陸議会からそうした権利を与えられることも求めなかった。すべての人々はこうした権利を生まれたときから有している。すべて自然の権利だ。独立宣言のほかの部分は大英帝国との争いについて説明し、アメリカ人としての不満を縷々連ねているが、本章冒頭に示した最初の一節は理想を追い求めるものであり、今後数世紀におよんで人々を刺激することになる。80年後にエイブラハム・リンカーン(1809~1865)が思い知らされるのは、ジェファーソンは実に驚くべききことに、「単一の民族による国家独立という難業のもと」、人類すべてに関する真理を独立宣言に盛り込んだということであった。

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