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若い読者のためのアメリカ史
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歴史
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33 世界大戦

『若い読者のためのアメリカ史』
[著]ジェームズ・ウエスト・デイビッドソン [訳]上杉隼人 [訳] 下田明子 [発行]すばる舎


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 フランクリン・ルーズベルトが合衆国第32代大統領就任を宣言した翌日の1933年3月5日、ドイツでは自国の立法府である国民議会の議員投票が行なわれた。この選挙は新首相アドルフ・ヒトラー(1889~1945)が呼びかけたものであった。ヒトラーは激しい性格の持ち主で、青白い顔の上には茶色い髪が貼りつき、歯ブラシを思わせる口髭をたくわえ、刺すような鋭い眼には常に怒りの炎を爛々と燃え上がらせていた。これまで何度か自身の率いる国家社会主義党(またの名をナチス)を政権に就かせようと試みたが、うまくいかなかった。だが今度の選挙は違った。熾烈な選挙運動が展開するなか、党の軍隊式集団「褐色シャツ隊」は各地で開催された敵の集会を襲撃し、それぞれの主導者たちを叩きのめしたのだ。ヒトラーの右腕であるハーマン・ゲーリング(1893~1946)は企業の幹部たちに、国家社会主義党に献金したほうが身のためだと警告した。「この選挙が間違いなく今後10年間の最後のものになるだろう」とゲーリングは予言した。「あるいは今後100年の最後のものになるかもしれない」。ナチスは国民議会を牛耳り、どんな法律も望み通り作れる権限をヒトラーに与える法案を通過させた。ルーズベルトが連邦議会と協力してニューディール政策を推し進めるなか、アドルフ・ヒトラーは独裁者と化し、ドイツの純化と強化を口にし出した。ドイツ国民は十分な生活空間を必要とした。ヒトラーはそれを生活圏(生存圏)と呼んだ。


 自国の大恐慌に気を取られており、これに注意を払ったアメリカ人はほとんどいなかった。ところが7年後、ヒトラーはヨーロッパ、そして世界を新たな戦争に引きずり込んだのだ。この戦争はあまりにも巨大化し、1914年から1918年の「大」戦が穏やかに思えるほどであった。最初の大戦で亡くなったのは1600万人であったが、この戦争では6000万人が命を落とした。長く連なる「次なるブーム」のなかで、第2次世界大戦は間違いなく人類史上最大の出来事であった。人類はかつてこれほど破壊的な行動を起こしたことはなかった。


 このような戦争を可能にした兵力は、1世紀以上かけて築かれた。産業と科学の発展を背景に各国家がより強力かつ巨大化するなかで、いわゆる列強国は競いあって植民地支配を広げ、自国をさらに豊かにし、さらに多く武器を所有しようとした。第1次世界大戦が最初の衝突だった。その終結時に、ウッドロー・ウィルソンは将来の紛争を国際連盟が解決し、すべての戦争が終わりを迎え、平和が訪れることを夢見た。だが、終戦のため締結されたベルサイユ条約には、誰ひとり満足しなかった。敗戦国ドイツは、ヨーロッパ再建のため戦勝国に数十億ドルを支払わねばならないことに憤怒した。イタリアと日本は戦勝国側について戦ったのに、公正な報酬を受けていないことに不満を持った。日本は中国本土の領土の一部を併合して島国である自国を拡大したいと望み、イタリアの新しい独裁者ベニート・ムッソリーニ(1883~1945)は新たなローマ帝国の頂点に立つことを夢見ていた。

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