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(2021/11/26 追記)

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スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣
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くらし
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第6章 熟睡できる環境のつくり方

『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』
[著]西野精治 [発行]PHP研究所


読了目安時間:26分
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寝具は「通気性」で選ぶといいワケ



 2010年冬、私は寝具メーカー・エアウィーヴ社から、同社の製造するマットレスパッドについて、科学的な評価をしてほしいと依頼されました。


 同社では、独自に開発した素材エアファイバーを用いた高反発型マットレスパッド「エアウィーヴ」を製造しています。


 2010年当時、すでに世界で活躍するアスリートたちから、「ぐっすり、よく眠れる」という評判を得ていました。


 競泳の北島康介さん、フィギュアスケートの浅田真央さん、テニスの(にし)(こり)圭選手といったトップアスリートたちが、遠征時にエアウィーヴを持参、国際大会でいい結果を出して帰国したときの荷物カートに、エアウィーヴ社のロゴ入りバッグが載せられているという光景が目につくようになっていました。


 しかし、一般の方たちに日常的に使ってもらう寝具としては、まだエアウィーヴは認知されていなかったのです。

「エアウィーヴのよさを知ってもらうために、科学的なエビデンスが欲しいのです」


 社長兼会長の高岡(もと)(くに)氏は言いました。



 寝具によって睡眠の質が変わるということを、科学的に証明できるものだろうかと、最初は私自身、疑問でした。


 寝具に対しては、人それぞれの好みがあります。構造的に優れていても、誰もが快適だと感じるかどうかは別問題です。ましてや、睡眠の質というのは計測の難しい領域──。どうやってデータをとったらいいのか、思案しました。


 当初、高岡氏は、エアウィーヴの「高反発」という点を強調されていました。反発力の高いエアファイバーが身体をしっかり支えるので、寝ている間も正しい姿勢を保つことができ、疲れを効率的にとることができる。背骨の自然なS字カーブをキープすることができ、寝返りも打ちやすい。それが大きな特長であるという。


 それ以上に私が着目したのは、「通気性」でした。エアウィーヴという商品名は、「空気(air)」を「編む(weave)」というところから来ているというだけあって、特殊素材であるエアファイバーは、一般的なウレタン素材で作られたマットに比べ、はるかに通気性がいいのです。


 通気性がいいということは、眠りにつくときに自然な「体温変化」をもたらしやすい。そこに、科学的なアプローチをするポイントがあるのではないかと考えたのです。


世界で初めて「寝具と睡眠の質」を科学的に証明



 私たちのSCNLのOBで、現在は東京慈恵会医科大学教授(当時は講師)の千葉伸太郎先生が、この実験調査に協力してくれることになりました。


 千葉先生が所長をしておられる、神奈川県川崎市の「太田睡眠科学センター」という睡眠ポリグラフをはじめ各種検査機器のそろった、日本でも先進の医療施設で実験を行わせてもらえることになったのです。


 まず、若年者10名で実験しました。健康で、睡眠障害のない成人男性(平均年齢26・7歳)に、太田睡眠科学センターの個室で睡眠をとってもらいます。


 被験者をふたつのグループに分け、高反発マットレス(エアウィーヴ)と、同じ価格帯の低反発マットレスとに寝てもらい、睡眠時23時〜午前7時)の脳波、深部体温(直腸温で計測)の変化、寝返り回数などを計測、記録しました。また、目覚めたときの「ぐっすり眠れたか」「すっきり目覚められたか」という主観的な感覚も記録してもらいました。


 ふたつのグループには、1〜2日の間隔をおいて、2種類のマットレスを交互に使用してもらいました。


 ただし先入観を与えないようにするため、この睡眠調査がマットレスの比較調査であることは伝えませんでした。


 さらに、外気温による季節的な体調変化の影響なども考慮して、暑い時期と寒い時期に、同じ実験をしました。



 覚醒時には、深部体温は皮膚温度より2℃くらい高いのですが、睡眠時には下がります。その温度差が小さくなったとき、身体は眠りやすい状態になります。


 深部体温の変化を見ると、低反発のウレタン製のマットレスでは、寝入った直後こそ多少下がりましたが、入眠1時間後あたりからは下がらず、むしろ若干上がっていました。


 一方、エアウィーヴのマットレスは、眠りに入った直後から、深部体温がスムーズに下がり、その状態は約4時間持続しました(6‐1)




 低反発のものに比べ、エアウィーヴのほうが、平均して0・3℃ぐらい深部体温が下がり、脳波の周波数解析を行うと、体温低下と共に、入眠初期に深い睡眠がより多く出現していることがわかりました(6‐2)




 同じ長さの睡眠をとっていて、深い睡眠が多いということから、より質のいい睡眠がとれたと判断することができます。



 この結果を得て、私たちは「では、もう少し高年齢層ではどうか」と考えました。

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