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(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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実践 仮説思考2.0
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ビジネス
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はじめに

『実践 仮説思考2.0』
[著]中野崇 [発行]すばる舎


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 あらゆるビジネスがデジタル化しています。

 米Ciscoによれば、世界の月間トラフィックは2011年の31エクサバイトに対して、2020年には194エクサバイトになると予測されています。

 1エクサバイトは1兆メガバイトですから、2020年には約200兆メガバイトのデータが流通している計算で、私たちの想像をはるかに超えるデータ量です。

 通信回線の改善によって、映画・動画・音楽などの大容量コンテンツを、いつでも・どこでも視聴できます。

 センサー技術の進化によって、自動車・家電・交通などの身近な商品やサービスにおいてIoT(Internet of Things)が実現しつつあり、物理空間とデジタル空間の融合はさらに加速していくでしょう。

 私たちの日常のあらゆる行動がデータ化しています。企業は、ビジネスのデジタル化によって爆発的に増加するデータの利活用に注力しています。

 このような大量データのすべてが有効なわけではありません。欠損だらけで使えないデータも多く、データの選別・整理・統合などが重要になっており、データ量が膨大すぎて分析する人間のスキルが追いついていません。

 アナリストやリサーチャーは慢性的に人手不足です。したがって企業はAIやRPA(Robotic Process Automation:ホワイトカラーの間接業務を自動化するコンピュータプログラム)などに投資して、データ分析業務を機械に置き換える努力を始めています。

 現時点では、ビジネス背景や消費者心理を加味したデータ分析や解釈を、AIやRPAが代替することはできません。しかし、単純作業やパターン化された集計・解析業務であれば、AIやRPAのほうが圧倒的に速く、正確に処理できる時代になって来ました。

 データ分析に限らず、マニュアルどおりの接客やオペレーション、示唆のない定型化されたアウトプット作成など、頭を使わず価値を生まない作業は、いずれ機械に置き換わっていくでしょう。機械が人間の仕事を奪いつつあります。

 では人間にできて機械にできないことは何でしょうか。

 それは、データになっていない物事を「考えること」です。

・店舗スタッフなら、天気・混雑状況・客層の顔ぶれなどによって接客を変えてみる
・リサーチャーなら、データの海に埋もれている生活者の本音を試行錯誤して抽出する
・マーケターなら、生活者の心を揺さぶる顧客体験を徹底的に考える


 いずれも文章にしてしまうと簡単に見えてしまいますが、「どうすればよい仕事になるか、どうすれば顧客が満足してくれるかを自らの頭で考え、創意工夫し続ける」というのは、実はとても複雑で難しい作業であり、機械に代替されない領域です。

 一方、同じ仕事を漫然と繰り返していると、仕事はどんどんルーティン化します。ルーティン作業は基本的に頭を使わない単純作業が多く、パターン化しやすいため、機械やロボットの大好物です。

 私は機械化に反対なわけではありません。むしろ単純作業を巻き取ってもらえるなら、余裕が増え、考える時間も確保でき、心のゆとりが生まれるので大歓迎です。

 ただ、「自分が単純作業以外で価値を生めなくなってしまったら……」と考えると恐ろしくて仕方ありません。本書では機械化に(おび)えるのではなく、機械化によって生まれる時間を、人間にしかできない創造的な仕事に使えるように、「自らの頭で考える方法」をお伝えしていきたいと思います。

 物事を考える時の出発点には「仮説」が必要です。考える力と仮説思考は切っても切り離せません。「人間は考える葦である」とは、フランスの哲学者ブレーズ・パスカルの有名な言葉ですが、人間を自然の中で最も弱い存在として認めつつ、「われわれの尊厳のすべては考えることの中にあり、考える力を持った人間は宇宙より尊い」という意図が込められていると思います。

 翻って、ビジネスシーンで「考える」ということは、単一の絶対解を探そうとするのではなく、自らの頭で最適解を考え出し、ビジネスを進化させていくこと。速さを保ちながら、最適解の量と質を両立させていくことです。

 ビジネスのデジタル化によって仕事の高速化は不可逆で不可避になりました。生活者の価値観や好みも今まで以上に速く変化するようになりました。このような現代において、最適解に求められるのは「量×質×スピードの両立」です。本書を通して、読者の皆さまに「考えるきっかけ」を届けられればと思っています。

中野 崇


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