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若い読者のための考古学史
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歴史
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Chapter36 宇宙へのトンネル

『若い読者のための考古学史』
[著]ブライアン・フェイガン [訳]広瀬恭子 [発行]すばる舎


読了目安時間:10分
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 メキシコ盆地にあるメキシコシティから北へ48キロほど行ったところに、テオティワカンの太陽のピラミッドはそびえ立っている。高さ71メートルもの巨大建築物の前に立つと、まるで神々の御前にでたちりにでもなったような気分になる。それこそが建設者たちの意図したことだった。テオティワカンの人々は広大な聖地のまんなかで暮らしていた。町の面積は21平方キロメートル以上あり、盆地に収まりきらずに周囲の高原にまで広がっていた。人口は西暦100年には少なくとも8万人に達していた。それが西暦200年から750年のあいだに15万人以上にふくれあがった。当時、それより大きな都市は中国と中東にいくつかあるだけだった。


 テオティワカンでは、ほぼ1世紀にわたって考古学調査が続けられてきた。この地につくられた人工の山や丘や洞窟、広場などの広大な景観は、精神世界を再現したものであることがわかっている。テオティワカン人たちは8世紀以上かけて、ピラミッド600基、工房地区500か所、広大な市場ひとつ、集合住宅2000棟、大小いくつかの広場をつくりあげた。


 どこかの時点で、町の支配者層がその大部分を建て直す決定をくだした。塀で囲った規格化した居住区を建設したのは、おそらく中心部の過密対策だったのだろう。一部地区には職人が入居し、工房として使われた。軍用の区画もあった。オアハカ渓谷やメキシコ湾岸低地のベラクルスなどからきたよそものたちは、それぞれかたまって暮らしていたことがその特徴的な土器型式からわかっている。


 あらゆるものが格子状の都市計画にそって建設され、道路はすべて直角に交わっていた。町のまんなかを南北につらぬく大通りは、スペインによる征服後は「死者の大通り」と呼び習わされるようになった。


 この大通りの北側を()めるのが、巨大な太陽のピラミッドと月のピラミッドだ。

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