読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1277366
0
プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機
2
0
0
0
0
0
0
政治・社会
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
第三節 アメリカはソ連の崩壊を望まなかった

『プーチン幻想 「ロシアの正体」と日本の危機』
[著]グレンコ・アンドリー [発行]PHP研究所


読了目安時間:15分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

■ゴルバチョフは何を目指していたのか


 よく「アメリカがソ連を崩壊させた」と言われる。この表現は、基本的には間違っていない。だが、捉え方によっては誤った印象を与える可能性がある。もしこの表現を「アメリカの行動によってソ連の崩壊が発動された」と捉えるのであれば、一面的な受け止め方ではあるが(なぜなら、ソ連崩壊の原因はアメリカの行動だけではなく、共産主義体制本来の実現不可能性と、ソ連に支配された諸民族の独立という願望の要因もあったからだ)、間違った認識ではない。


 しかしもし、「アメリカがソ連を崩壊させた」という表現を「アメリカがソ連を崩壊させる意図をもって崩壊させた」と捉えるなら、完全に誤った認識になる。アメリカの中では当然、本当にソ連崩壊を望んでいる人達もいたが、政権を担っていた主流派の政治家は、ソ連崩壊を望んでいなかったからである。


 ゴルバチョフ書記長が推進していたペレストロイカとグラスノスチ、つまり、経済的・政治的・言論の自由化をアメリカの指導層は歓迎していた。とくに、ベルリンの壁の崩壊と東欧諸国(旧ソ連勢力圏)の解放およびソ連軍の撤退がなされた一九八九年には、アメリカはソ連に対して非常に友好的だった。ソ連のトップであるゴルバチョフ個人は、アメリカを始めとする西洋諸国において絶大な人気を誇り、一九九〇年にはノーベル平和賞まで受賞した。アメリカを筆頭に、西洋諸国はゴルバチョフがソ連国内で進めていた政策を全面的に支持していた。


 だが、ここであらためて強調しなければならないのは「ゴルバチョフは何を目指していたのか」ということである。ゴルバチョフの目的とは、最初から最後まで「ソ連の存続」である。ソ連を存続させることはゴルバチョフの切願であり、彼はそのために政治生命を懸けて力を尽くした。たしかに、アフガニスタン侵攻の終結と東欧諸国の解放は西洋に対する大幅な妥協に見える。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:6586文字/本文:7379文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次