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ビジネスパーソンのための教養としての世界三大宗教
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生き方・教養
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第2章 キリスト教

『ビジネスパーソンのための教養としての世界三大宗教』
[著]中村圭志 [発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン


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THE THREE GREAT RELIGIONSOF THE WORLD


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キリスト教とはどんな宗教か?

 

約2000年前にユダヤ教から派生した

キリスト教は、今から約2000年前にユダヤ教から派生した宗教だ。ユダヤ教が一神教であるようにキリスト教も一神教である。つまり、天地創造の神を信じ、この神が人間に慈愛と裁きのまなざしを向けていると信じる。


 

イエスという人物が救世主だったと信じる人々が起源

ユダヤ教にはメシア(救世主)を待望する信仰があった。救世主とは、ひどい世の中を善くしてくれるヒーローである。

そして、今から2000年前にパレスチナの地で教えを説いて殺されたイエスという人物こそがそのメシアであったと信じる者たちが、自分たちの集まり、つまり教会をつくった。これがキリスト教の起源である。キリスト(クフリストス Christos)とはメシアにあたるギリシャ語である。


 

隣人愛の教え

もちろんイエス・キリストは殺されてしまったくらいだから、ヒーローといってもスーパーマンのような強者ではなかった。政治的指導者でも王者でもなかった。

しかし、彼は、新しい時代の模範のような人物であった。彼が種を蒔いた「神の国」はやがて未来において実を結ぶだろう。彼は新時代を画する人間であり、神そのものだった―というのが、信者の解釈である。

「神の国」の教えとは、簡単に言うと愛(隣人愛)の教えである。信者はこの愛を実践する。神であるキリストは死後に復活し、今は天にいる、と信者は信じる。その天のキリストに恥ずかしくないような人生を送らなければならない。そして死後には、人はキリストの前に裁かれるのである。


 

三大宗派=東方正教会、カトリック教会、プロテスタント

キリスト教は4世紀にローマ帝国の国教となり、以降、ヨーロッパ各地へ、そして新大陸へと広まった。現在、東欧では東方正教会、南欧と中南米ではカトリック教会、西欧と北米ではプロテスタントが主流の宗派となっている。



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三つの神が単一の神でもあるという「三位一体説」が特徴

 

一神教なのに神が複数?

ユダヤ教はヤハウェ、エローヒーム、主などと呼ばれる天地創造神を信仰する一神教であった。ユダヤ教から派生したキリスト教も、当然、一神教である。

しかし、キリスト教においては救世主であるイエス・キリストを「神と崇めて」信仰する。では、ユダヤ伝来の天地創造神とキリストなる神との関係はいったいどうなっているのだろうか?


 

三つの神が単一の神だという教理

ローマ帝国時代のキリスト教会が出した結論は、「ユダヤ伝来の神もキリストなる神も同一である」というものであった。ただし、その役割あるいは働きは異なる。キリスト教会では、聖霊(今現在の信者の心に働きかける神)も加えて、三つの神が「位格(ペルソナ)は異なるが本質は同じ」である単一の神であるという結論を出した。これを三位一体説という。


 

三位一体とは、

①父なる神………旧約聖書に書かれたユダヤ伝来の神(ヤハウェ)

②子なる神………イエス・キリスト

③聖霊なる神……信者に霊感を与えるもの

が三にして一、一にして三であるという教理である。論理的にはナンセンスだが、信者はこれを神の奥義として、理性ではなく信仰によって受け止める。キリスト教会は基本的にどの宗派も三位一体説を受け入れている。


 

ヤハウェが「父」でキリストが「子」

ヤハウェが「父」でキリストが「子(息子)」と呼ばれるのは、福音書の中でイエスが天の神のことを「父」と呼んでいることによる。なお、「子」であるキリストは、神であると同時に、人間としての性格をもっている。



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キリスト教の教典は旧約聖書と新約聖書

 

キリスト教の教典を聖書(英語 Bible)と呼ぶが、これは旧約聖書(Old Testament)と新約聖書(New Testament)の二部からなる。


 

ユダヤ教典をそのまま受け継いだのが旧約聖書

旧約聖書はユダヤ教典と基本的に同じものである。キリスト教はユダヤ教から派生した宗教なので、教典をそのまま受け継いだ。旧約聖書には天地創造について書いた創世記や、イザヤ書などのさまざまな預言書、詩編などが含まれる。


 

メインの教典は新約聖書

しかし、キリスト教のメインの教典は新約聖書のほうである。これは開祖のイエス・キリストの伝記である四種の福音書(マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる福音書)や、キリストの弟子たちの言行録(使徒言行録)、孫弟子にあたるパウロという宣教者が諸教会に宛てて書いた神学的な手紙類、そして世界の終末を描いているとされるヨハネの黙示録などをセットにした本である。

以上をまとめると、キリスト教の教典は「聖書」であり、その中でもとくに新しい「新約聖書」が大事であり、さらにその中でもとくに開祖の伝記である「福音書」が中核をなすということになる。


 

神との契約の更新

キリスト教の歴史観によると、天地創造の神がまずユダヤ民族に神の戒律(律法)を与え、これを守ることを神と人間との契約としたが、ついに時が満ちて、律法にかえてイエス・キリストを信仰することを神と人間との新しい契約とすることになった。

それで、ユダヤ教時代の教典を「神との(ふる)い契約」という意味で旧約聖書、キリスト教時代の教典を「神との新しい契約」という意味で新約聖書と呼ぶのである。



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開祖イエスの伝記「福音書」は四種ある

 

マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四種

キリスト教徒にとって聖書のコアは新約聖書であり、その新約聖書のコアは福音書である。福音書には四種ある。マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる福音書だ。それぞれ昔の文語訳では「マタイ伝(福音書)」のように呼ばれた。マタイという使徒が伝えた福音書という意味だ。

福音書は開祖イエス・キリストの伝記である。イエスという救世主の出現が「グッド・ニュース」だということで、これをギリシャ語でエウアンゲリオン(「良い知らせ」、英語化して evangel)と呼んだ。英語ではゴスペル(gospel)ともいう。中国ではこれを「福音」と訳したので、日本でもこの言葉を用いている。


 

福音書が四種もあるのは教会内の見解の違いから

なぜイエスの伝記が四種もあるのかというと、初期の教会の事情による。イエスが十字架刑に処されたのは西暦紀元30年頃とされる。そのあと信者たちはイエスについての断片的な伝承を聞いて信仰していた。

西暦60年を過ぎたあたりで(あるいはもっと後に)ある人物が、イエスに関する断片的伝承をまとめて一冊の物語にした。これが今日「マルコによる福音書」と呼ばれている書物である。

教会の別の派閥の人々は、「マルコによる福音書」を編纂しなおして、独自の資料もつけ加えて、「マタイ」と「ルカ」を書いた。さらに別の派閥が独自資料から「ヨハネ」を書いた。その後も続々と福音書が書かれたが、だいぶ荒唐無稽な内容になっていったので、それらについては正典のうちに含まれなかった。


 

主な内容はイエスの誕生、伝道、死と復活

福音書の内容は、概ねイエスの誕生(マルコとヨハネには欠けている)、イエスの伝道の様子(民衆の病気を治したり12弟子を定めたり)、そして体制に睨まれて裁判にかけられ、十字架上に死んで、その後に復活したというものである。



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開祖の生涯1

イエスの生誕をめぐる物語

 

ローマ帝国支配下のパレスチナに生まれる

開祖はイエスである。出身地の地名を添えて「ナザレのイエス」とも呼ばれる。イエスは紀元前4年に生まれたと推定されている。場所はパレスチナ。ユダヤ教徒が住んでおり、ユダヤ系の王もいたが、ローマ帝国の支配下にあった。

イエスはユダヤ教徒の両親に育てられたから、当人もユダヤ教徒だ。生誕についてはマタイによる福音書とルカによる福音書に記されているが、細部に食い違いがある。いずれも神話化された伝承を物語風にまとめたものだからだ。


 

処女から生まれたという伝説

いずれも母マリアは処女のまま聖霊によって妊娠したとしている。偉人が処女から生まれるというのは世界中にある伝説だが、そのパターンを踏んでいる。

マタイでは婚約者ヨセフが夢のお告げで妊娠を知るが、ルカによれば大天使ガブリエルが母マリアに告げている。ここで天使がマリアを祝福して言った言葉が歌になっている「アヴェ(おめでとう)・マリア」である。

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