『「前世」からのメッセージ 人生を癒す魂との出会い』
[著]ブライアン・L・ワイス
[訳]山川紘矢
[訳] 山川亜希子
[発行]PHP研究所
今はただ、平和を感じています。今はくつろぎの時なのです。みんな、くつろぎが必要なのです。魂は……魂はここで平和を見つけます。すべての体の苦痛を地上に置いて来るのです。魂は平和で落ち着いています。すばらしい感覚です。……すばらしい。いつも太陽の光が降り注いでいるような感じです。光がすごく輝いています。すべては光から来るのです! エネルギーは光から来ます。私達の魂はすぐにそこに行きます。ちょうど、磁石の力に引きつけられてゆくのと同じように。すばらしい。力の源みたいです。光は私達を癒してくれます。
臨死体験の研究で、どの例にも共通する出来事の一つは、臨死体験をした人が美しい心安らぐ光を感じるという事実です。この光は傷ついた脳に生ずる神経化学的な現象ではなく、向う側の世界をかいま見るという、すばらしい体験です。しばしば、すでに亡くなった親類や精霊が光のそばにいて、忠告や知恵、深い愛情などを送ってくれます。臨死体験者がそれまで知りもしなかった事柄や出来事に気がつくことも、よくあります。また、すでに亡くなった親しい人々から、まだ見つからない宝石の隠し場所や、遺言のしまい場所などを教えてもらう人々もいます。病気や怪我が回復したあとで、彼らは宝石や遺言を発見して、自分が意識を失っていたり、昏睡状態にあった時に受け取った情報の正確さを確認しています。臨死体験批判者が言う、脳の損傷によって「生ずる」光であるならば、このような正確な事実を引き起こすことはできません。
臨死体験は文化によって細かい点では多少の違いはありますが、この美しい光を見るということは、共通する現象のようです。アメリカでは、臨死体験者は光に達するまでに、トンネルをくぐり抜けると言っています。日本では、川、または水のある所を渡って光に達する例が一般的なようです。それにもかかわらず、トンネルをくぐり抜けようと、川を渡ろうと、または他の行き方をしようと、光が必ず現れています。また、それに伴う感覚も、みな共通しています。光には平和と安らぎがあるのです。
医療関係者が数多く参加した二日間のワークショップのあと、私はそこに出席した専門家の一人から手紙をもらいました。彼女は美しい光を体験させてくれてありがとうと、私に感謝していました。この光は臨死体験中や死後に人々が見る光と同じものだと、私は信じています。勿論、瞑想中や催眠状態、夢の中や神秘体験など、他の多くの場合にも、私達はこの光に出会うことができます。
彼女は今、三十六歳ですが、未だに彼女の記憶にはっきりと刻み込まれている白い光との出会いは、十四歳の時に初めて起こりました。彼女はその体験を私に話したかったのです。私もまた、彼女の話をみなさんに聞いて欲しいと思います。彼女の話は正統的で正確で、しかも率直だからです。
彼女はラテンアメリカのカソリック系の学校で教育を受けました。彼女の母国語はスペイン語です。
「私は臨死体験も死後の体験も生まれる前の人生も、ましてや過去生など、何一つ知りませんでした。中学三年生になって、そんなことを体験するようになるとは、夢にも思いませんでした」
クラス全体が参加した合宿で、神父が生徒達に瞑想とビジュアライゼーションのやり方を教えました。彼はまず、床の上に横になった生徒達に、呼吸をゆっくりするようにと指示しました。それから、美しい花が咲き乱れる野原にいる自分を想像するようにと言いました。ここで、彼女は神父の穏やかな指示を離れて、まったく別の体験をし始めたのです。
「鳥が歌い、私達はまわりの風景を楽しんでいました。神父様がやさしい声で、野原をずっと歩いてゆくように指示しましたが、私は自分が眉をしかめているのに気づきました。もう、神父様の指示に従えなかったのです。三回、ついてゆこうとしましたが、歩いてゆくかわりに、私の前にいつも井戸が現れるのです。