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未来世療法 運命は変えられる
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生き方・教養
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第三章 病気との対話

『未来世療法 運命は変えられる』
[著]ブライアン・L・ワイス [訳]山川紘矢 [訳] 山川亜希子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:42分
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 医師として、また精神科医としての私の使命は、身体と精神の病気を治すことです。それは時には別々のこともありますが、両方を同時に癒す場合がずっと多いのです。心は身体の健康に、身体は心の健康に影響を与えるからです。「霊的に健康」という言葉をよく聞きますが、私に言わせれば、魂は常に健康です。実は魂は完全なのです。「魂を癒す」と言う人がいますが、私にはその意味がわかりません。魂が癒しを必要としていると感じるのは、魂から遠ざかってしまっているからなのです。


 不健康だと、私たちは自己中心的になります。そして自己中心的になると、思いやりや共感や、怒りの処理や忍耐に対して、目を向けられなくなります。こうした要素はみな、それを学び取った時には、私たちを永遠の存在へと向かう、より高い次元へと導いてくれます。病気になると、私たちは病気のことしか考えられなくなり、成長へのチャンスを失ってしまいます。


 そこでこの章では、肉体の病気と、心の病的な状態、つまり、恐怖症、不安症、うつ状態について、そしてそれらを多少とも軽くする方法について書こうと思います。過去世はこうした病気に関係しているのでしょうか? もちろんです。未来世も影響することがあるのでしょうか? その証拠は次第に蓄積されています。そして、私はその通りだと、ますます信じるようになっています。


 これから、私は二人のすばらしい女性、ビクトリアとエブリンを紹介します。ビクトリアは地獄のように苦しいガンにかかっていました。エブリンは外面的には成功した人生でありながら、どうしようもない深刻な不安に苦しんでいました。過去世に退行させることによって、私はビクトリアを癒しました。そして、未来世を見させることによって、エブリンを助けたのでした。



 最近、私は驚くべき退行やすばらしい洞察と気づきに慣れ切っていました。しかし、ビクトリアの体験では、キャサリンと二十四年前に初めて出会った時以来、めったに経験したことのない不思議な、奇跡を見るような感覚を味わったのでした。


 ビクトリアはマンハッタンに住む物理学者で、有名な芸術科学アカデミーの会員です。オメガ・インスティチュートで行なわれた五日間のワークショップの初日に、彼女が私のところにやって来た時、私は初めて彼女に会いました。オメガ・インスティチュートはニューヨーク州ラインベックにある、ヒーリングとスピリチュアルな学びのためのセンターです。この十六年間、ガンのためにひどい腰痛に苦しんでいると、彼女は言いました。何回も手術し、抗ガン剤治療と放射線治療をしたにもかかわらず、治らないとのことでした。そして、何センチもの厚さの病気に関するカルテを私に手渡しました。痛みは絶え間なく続いていました。まるで歯茎が膿んだ時のように、容赦なく襲いかかってくるのだと、彼女は説明しました。夜はモルヒネに似た薬を何錠も飲まなければなりませんでした。それほど、痛みがひどかったのです。でも、日中ははっきりした頭脳で仕事が続けられるように、苦痛を我慢していました。まだ五十代半ばなのに、彼女の髪は痛みによるストレスで真っ白になっていました。それが嫌で、彼女は髪を黒く染めていました。


 ビクトリアはワークショップの二、三日前から、薬の服用を中止していました。私の話に集中するためです。しかし、彼女はこう質問しました。

薬なしで、五日間もつでしょうか? 救急車で家に戻ることになるかもしれません」

できるだけやってみて下さい。でも、あなたが途中でやめなければならない時は、それでけっこうですよ」と私は言いました。


 彼女は五日間、すべてに出席しました。そして最後の日、報告書を持って私のところにやって来ました。その報告があまりにもすばらしかったので、他の人々に読んでもいいかと、私は彼女にたずねました。その五日間に、彼女は何回か過去世に、それもイエスの時代のエルサレム近郊で起こった過去世へと戻る体験をしたのです。彼女は貧しい農夫で、大きな腕と肩を持つ、たくましい男でした。しかも、霊的に敏感で、鳥や動物を愛していました。彼は道端の木の家に妻と娘と一緒に、誰の邪魔もせずに暮らしていました。ビクトリアは娘が誰かわかりました。その時の娘は今の人生でも、ビクトリアの娘でした。ある日、男は翼が折れて鳴いているハトを見つけ、ひざまずいて介抱しようとしました。王宮警護のエリート軍団と一緒に行進してきた一人のローマ兵が、この男が自分たちの行く手をふさいでいるのを怒って、彼の背中を肋骨が何本も折れるほど、ひどく蹴りつけました。しかも軍隊の他の男たちは彼の家に火をつけ、妻と娘を殺してしまったのです。残虐なローマ兵に対する恨みと憎しみが彼の中で赤々と燃えさかりました。その時から、彼は誰も信じなくなりました。彼の背中の傷はいっこうに治りませんでした。


 肉体的にも精神的にもボロボロになって絶望した男は、エルサレムの城壁の中にある神殿の近くに移り、掘っ立て小屋に住み、自分で作った野菜で辛うじて命をつなぎました。頑丈な木の杖か、唯一の家畜であるロバに頼って歩くことができるだけで、働くことはできませんでした。人々は彼を老いぼれだと思っていましたが、ただひどく打ちひしがれているだけでした。ある時、ヒーラーとして有名になりつつあるラビ(宗教的指導者)の情報が、彼の注意を引きました。そして、男はこの人物の説教を聞くために──それは山上の(すい)(くん)でした──ずっと遠くまで旅をしました。癒されるだろう、慰められるだろうとは少しも期待してはいませんでしたが、やはり好奇心があったからでした。ラビの弟子たちはこの男の姿にぎょっとして、彼を追い払いました。彼はヤブの後ろに隠れましたが、()エシ(イエシュアのこと)と目を合わせることができました。「まるで、無限の慈悲がこもった底無しの光を見ているようでした」とビクトリアは言いました。


 イエシュアは男に言いました。「私の近くに来てもいいのですよ」。男はその日ずっと、彼の言葉に従いました。

*ビクトリアは彼のことをイエシと呼びました。アラム語でイエシュアの愛称です。私たちにはギリシャ語でのイエスとして知られています。ビクトリアは退行中に初めてイエシという名を聞いたのでした。



 この出会いは、男に癒しではなく、希望をもたらしました。


 彼はラビの説教に心を揺すぶられて、自分の掘っ立て小屋に戻りました。ラビの言葉は彼にとって、「鳴りひびく真実」であったのです。


 ラビがエルサレムに戻って来ると聞いて、男は不安に駆られました。イエシュアが危険な状況にあることを知っていたからです。憎らしいローマ兵が何を企んでいるか、噂を耳にしていたのです。忠告するために彼はラビのところに行こうとしましたが、遅すぎました。次に二人が言葉を交わしたのは、イエシュアが十字架にかけられるために、巨大な木柱の重みに苦しんでいる時でした。彼がひどく喉が渇いていることに、男は気がつきました。自分の勇気にびっくりしながら、彼は口を湿らせるために水に浸した布を手にして、イエシュアに近づきました。しかし、イエシュアはすでに通りすぎていました。男は惨めな気持ちになりましたが、その時、イエシュアが彼をふり返りました。その目は、肉体的な苦痛と渇きと疲労にもかかわらず、無限の慈しみをたたえていました。イエシュアは何も言いませんでしたが、男は心の中にテレパシーで伝えられた彼の言葉に気がつきました。

大丈夫ですよ。これはあるべきようになっているのです」


 イエシュアは歩き続けました。男は十字架刑の行なわれるカルバリの丘まで彼のあとをついて行きました。

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