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未来世療法 運命は変えられる
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生き方・教養
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第五章 思いやりは高次の世界への道を拓く

『未来世療法 運命は変えられる』
[著]ブライアン・L・ワイス [訳]山川紘矢 [訳] 山川亜希子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:35分
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 共感(エンパシー)思いやり(コンパション)はしばしば、同じ意味に使われますが、実際はこの二つは人間心理の二つの異なる要素です。確かに、あなたが相手の気持ちを自分の気持ちとして理解し、自分を相手の立場に置くことができた時、あなたは確実に、その人に対して思いやり深くなっています。しかし、共感がなくても、思いやることはできます。相手の気持ちを自分の中で感じなくても、あなたは誰かを、時には昆虫や動物にさえ、思いやり深くすることができます。


 仏教の教えでは、動物や昆虫にも思いやり深くしなさいと教えています。すべての生き物は魂を持っているからです。もしかして、彼らは過去世で人間だったかもしれないし、再び、人間になるかもしれません(こういったケースは私の仕事では出てきていません。でもそれはこの概念が真実ではないという意味ではありません。単に、人間は他の種だった転生を覚えていないだけかもしれません)。だから、もしあなたがカブトムシやクマに対して共感がなくても、また、自分自身を昆虫や動物の立場に置かなくても、思いやり深くすることはできます。


 同情や思いやりは心から出ます。そして、すべての生き物に対して親切であり、善意を持つことによって、表されます。キリストは最高に思いやりが深い人物でした。マハトマ・ガンジーもまさにそうでした。「あなたの心が誰かの方へ出ていく」時、あなたは思いやっているのです。多くの人が語る「何気ない親切」、つまり、レジで誰かを先に行かせてあげる、地下鉄の席を妊婦にゆずる、ホームレスに食事を与えるといった行為は、どれも思いやりの一例ですが、それも親切にしたいという純粋な衝動から出たものであればのことです。「正しいことをする」、天国でほめられたいと思ってのことであったら、それは違います。


 同情や思いやりはより本能的であり、共感はより知的です。二つは別の場所から発せられるのです。第三章で説明した「病気との対話」の実習を行なって、たとえばあなたを虐待した父親と立場を交換する時、あなたは必ずしも、彼に同情する必要はありません。「何ということだ。父の父親は、父が今、私にしているのと同じことを、父にやっていたのか。父は、父親や社会や友達から学んだ冷酷さを引きつぎ、それを消化せずに私に伝えたのか。私は彼が感じていたことに共感できる。そうした感情を理解できるからだ。そして、私は学んだことによって、こうしたひどい行動の伝達を断ち切ろう」というように、あなたは気づくかもしれません。


 これは知的な実習です。しかし、うまくいけば、虐待した父親という極端な場合でさえも、父親に共感すると同時に、彼に対して同情を感じることができます。これは難しいかもしれません。あなたの父親は以前と同じように、あなたに冷酷なままかもしれません。しかし、彼もあなたと同じように傷ついた人間なのです。それに気づくと、知的にだけでなく、心からの反応ができるようになるかもしれません。もし、そのように反応すれば、つまり、あなたの傷の向こうを見ることができるようになれば、共感と同情が一つになったことがわかるでしょう。それはあなたを永遠への途上にあるすべての学びの最終目的地へと導いていきます。最終の目的地、それは魂の愛、無条件の愛、純粋で永遠の愛なのです。


患者を過去世に連れて行って治療するということで、あなたは有名だと聞きました。本当ですか?」


 電話の主はヒューという名前でした。もし、私の分野で私が「有名」というのなら、彼も彼の分野では有名でした。彼は霊媒であり、彼のテレビ番組には何万という視聴者がいます。そのほとんどが、亡くなった愛する人々と会いたいと望んでいる人たちでした。私自身は、すべての人が時には超能力者であるという程度のもの(正しい決断に導く「勘」。人生の道を選ぶ時の「これだ!」という感覚などです)を除けば特別な超能力は持っていません。しかし、超能力が存在することは知っています。そして、ジョン・エドワードやジェームス・ヴァン・プラークなど、その能力を持ち、ヒーリングに使っている人々を尊敬しています。自分に理解できない事を軽視すべきではないということを、私はかなり前に学んでいます。

患者をうまく過去世に退行させたことはあります」と私は答えました。「この電話はセラピーのご依頼ですか?」

そうです。私のですよ」。彼は神経質そうな高い声で笑いました。

超能力者だから、自分自身を治せって? どうも、私は自分ではそうできないのです」


 私たちは次の週に会う約束をしました。私は楽しみに待っていました。それまでにも私は超能力者を治療したことがあり、彼らが例外なく、興味深い人たちであることを発見していました。みな非常に敏感であり、しかも過去世という概念に偏見がないために、退行療法には特別に適していました。


 ヒューはやせた小柄な男性でした。一度、テレビの番組で見た時の彼の方が、ずっと堂々として見えました。それがテレビの力なのでしょう。彼の顔はメーキャップのしすぎで赤らみ、チノパンに黒のTシャツは、どちらも一サイズ大きすぎるように見えました。彼は見るからに神経質になっていました。視線がホタルのように部屋のあちこちに飛び、話を始めるまで、何回も咳払いしたからです。しかし、一度話し始めると、彼は雄弁でした。

何が問題なのですか?」と私が聞きました。

私は疲れ果てています。完全に疲れ切りました。それも身体ではなく精神的にです。運動不足でもありますが、まるで世界中の人が私のあとを追いまわして、亡くなった人たちとつながらせろと私に要求しているように感じています。それに、彼らはとても困っていて、しつこいけど善良で、本当に熱心なので、だめだと断ると、私は罪悪感を感じてしまうのです。それも一〇〇万ポンドほどの重さの罪悪感なんです。それを背中からどけられないのです」


 ショッピングセンターや通りを歩いていても、人々が彼に向こう側の世界からのメッセージや情報をくれと、頼んでくるそうです。でも、それほど簡単にはいきません。誰かの親戚に電話をする、向こう側の世界に飛んでいく、あっという間にメッセージを届けるというようなわけにはいかないのです。それにはエネルギーと力と時間が必要であり、それが彼の活力を奪ってしまったのです。

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