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未来世療法 運命は変えられる
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生き方・教養
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第七章 暴力の記憶は本当の愛を求めている

『未来世療法 運命は変えられる』
[著]ブライアン・L・ワイス [訳]山川紘矢 [訳] 山川亜希子 [発行]PHP研究所


読了目安時間:29分
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 エミリーという三十歳の女性は、過去世で中央アメリカの遊牧民の一人でした。彼女はその人生では、一六三四年の地震による土石流で死んでいます。彼女の夫は半狂乱で何とか妻を助けようとしましたが、その努力は実りませんでした。それは彼女にとって、()(こく)な生活の終わりでした。その部族はほとんどの時間を水を探すために費やしていたのです。エミリーをその過去世での死の前に戻すと、彼女は終わることのない肉体労働を思い出しました。自然の暴力はその人生に与えられたものでした。彼女は毎日を自分の安全だけでなく、部族の七十人の安全に対して常に恐怖を抱えてすごしました。


 今生でも、エミリーは地震に襲われはしないか、エレベーターに閉じ込められはしないか、刑務所に入れられはしないかと、いつも恐れていました。私のワークショップで、彼女の夫と娘(彼女は過去世でエミリーの妹でした。私たちにとって大切な人は、しばしば過去世にも現れます)と、そして現在の妹がこの部族のメンバーだったと、彼女は言いました。そして今生でも、彼女は自分に対するのと同じように、彼らのために恐れていました。9・11の事件(アメリカ同時多発テロ)は彼女のトラウマになりました。過去世でもう地震は嫌、と感じたことを思い出したのです。彼女は非常に具合が悪くなって、ほとんど家から出ることができなくなってしまいました。


 同じワークショップにいたもう一人の女性、ジョイスは、エミリーの話を聞いて泣き始めました。私はなぜそんなに反応したのかたずねました。彼女は9・11の起こる前に、詳細で生々しい9・11の夢を見たと言うのです。ただそれは九月十日の夜に起こることになっていました。ワークショップに来てからずっと、彼女はエミリーに魅かれていました。それまで、エミリーには一度も会ったことはありませんでしたが、なぜかわからずに、二日間、話しかけはしませんでしたが、エミリーのあとをついてまわっていました。やっと、それがなぜかわかりました。また、自分がなぜエミリーと同じように家から出られないのかも、わかりました。彼女は世界的な広報ネットワークで働く成功した女性でしたが、9・11以降、ニューヨーク郊外の自分のオフィスに行けなくなって、仕事に支障を(きた)していました。二人の女性は抱き合って、慰め合っていました。



 エミリーの場合、何世紀もの間つきまとっていたトラウマの原因は、自然がもたらす暴力でした。ジョイスの場合は、暴力は人によるものであり、心理療法でその恐怖を癒さなければ、将来ずっと、そして未来世においても彼女の中に残ってしまうかもしれません。二人の物語は私の心に残りました。私は暴力を嫌悪しているからです。私にとって、暴力は地球の最もおぞましい災難です。もし、暴力がハリケーンや地震のように自然によるものならば、私たちはそれを受け入れ、何らかの理由があって起きたのだと理解しなければなりません。しかし、私たち自身の手や意志による暴力は、他の人間に対してであろうと、地球そのものに対してであろうと、私たちを個人的にも集合的にも危険に陥れます。怒りの(とう)(ぎよ)はそれを防ぐための第一歩です。第二章で見たように、催眠退行をしなければ、ジョージは同僚か家族を傷つけていたかもしれません。暴力の最悪の影響は、暴力的な人物の家族、友人、同僚に振りかかるからです。過去世で暴力的だったり、または暴力に苦しめられた人々の同じようなケースを、私は沢山見ています。彼らはみな、現在を含むその後の人生で、自分自身や他の人々への暴力の影響を体験しなければならないのです。



 ロバータは夫に勧められて、私に会いに来ました。夫のトムは三十八歳の会計士で、中小の会社専門に仕事を広げ、成功していました。私はマウント・サイナイ医療センターの資金集めで、彼と会っていました。ロバータは彼よりも六歳年下で、大手の航空会社で広報部門の副社長として成功していました。彼女はトムに伴われて、ある晴れた冬の朝、私のところへやって来ました。


 彼女のカールした金髪はオフィスの電灯の下でキラキラと光って、彼女の卵形の顔を縁取っていました。それは孤児のアニーのような幼い印象を与えていましたが、鋭い青い目と、きれいにうす赤く口紅を塗った大きくて魅惑的な唇が、その印象を弱めていました。彼女はほっそりとして、握手した時の手は柔らかでした。


 トムは私に、自分たちは子供ができなくて悩んでいる、と言いました。二人がここに来たのは、その心理的な問題のためだろうと、私は思いました。しかし、そうではありませんでした。

トムは私と別れようとしています」。彼が部屋を出て行き、私が年齢、住所、職業、家族などの詳細を書き終わったとたん、彼女がだしぬけに言いました。しかし、資金集めで会った時、トムはロバータこそ「自分が生きている理由だ」と私に言っていました。妻を捨てようとしている男の言葉とは思えませんでした。

なぜ、そう思うのですか?」と私はたずねました。

彼が何か言ったのですか? 何かほのめかすとか?」

いいえ」彼女は素早く言いました。

そんなことはありません」彼女は言葉を止めて爪をかみ、それから私を恥ずかしそうに見ました。

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