『ワイス博士の 奇跡は起こる 過去生の記憶が持つ意識変革のヒーリングパワー』
[著]ブライアン・L・ワイス
[著] エイミー・E・ワイス
[訳]山川紘矢・亜希子
[発行]PHP研究所
過去生退行のセラピストは通常、二つのレベルでセッションを行っています。治療のためのレベルは、おそらく最も重要なものです。前世が本当のものか確認するための、もう一つのレベルも時には可能で、しかもとても魅力的です。長い間には、多くの患者が彼らの前世の記憶の正しさを、名前の資料や歴史的な事実、軍人が首につける認識票などの身元確認資料から確認することができています。彼らは自分の住所や船の名称、そのほかいろいろな資料から、自分が思い出した記憶が本当かどうかを確認しています。
インターネットの普及が証拠調べを易しくしています。インターネットでの調査は迅速で、しかもお金がほとんどかかりません。ある読者の方々は『前世療法』にほんの数行書かれていたキャサリンのちょっとした言葉をきっかけに、私の前世の一つをインターネットで確認しています。このような調査は、私がキャサリンに治療を施していた三十年以上前はとても難しいことでした。
観察することによる確認のレベルもまた重要です。退行している時に、今まで習ったことのない外国語を話し出すという事例も、過去生の体験のもう一つの証明になります。これはゼノグロッシー(習ったことのない言語を読み書きできる能力)といわれており、単なるファンタジーや想像とは違います。時には、退行中に話す言語が、すでに消滅してしまった言葉であることもあります。たとえば、古代のアラム語のようなものです。もし、セッションが録音されていれば、その言葉は大学の言語学部で調査することもできるでしょう。
初めて外国旅行をしたという北京から来た医者を退行させたところ、彼女は一八五〇年のカリフォルニアの人生に戻りました。彼女は英語が全然できなかったので、中国人の通訳がついていました。その女性は前世で夫と議論している場面を思い出した時、とても流暢で見事な英語を話し始めました。通訳は何が起こっているのか気がつかずに、彼女が話している英語を自動的に中国語に訳し始めました。「ちょっと、やめてください」と私は彼に言いました。「英語はわかりますから」。通訳はとても驚いて気絶しそうでした。なぜなら彼はその女性が今まで英語を一言もしゃべらなかったことを知っていたからです。
家に帰る◎ウエイン‐ダニエル・ベラード
二〇〇八年の夏、私はあなたのトレーニングセミナーに参加しました(私はニコラス大学付きの牧師をしています。半分ポルトガル人、半分ユダヤ人のポルタジューです)。オメガであなたのトレーニングを受けてから、退行催眠を誘導するのがとてもうまくなりました。退行催眠は牧師としての仕事の最も重要な道具となりました。
私はマサチューセッツ州のシルビア・ハマーマン博士の退行催眠を何回も受け、その都度、いつも紀元一世紀の同じ人生に戻りました。退行催眠での記憶は六歳の少年の時から始まりました。その時の名前はヨシアでした。私はエッセネ派の人々に育てられた孤児でした。その年齢の頃、私は現在クムランと呼ばれているエッセネ派の敷地内にあった家がローマ人によって破壊され、そこから逃げました。シルビアによる退行催眠によって、私は子供の時から二十代で死を迎えるまでの一連の記憶を思い出しました。
エッセネ派の村の火事を逃れてから、私は二日間ユダヤの砂漠を放浪しました。やっとのことで、ヤギ飼いの女性に保護され、彼女の家に連れていかれました。何週間か後に、彼女の兄が現れ、私を彼女の元から引き離して連れていきました。エッセネ派の下で、私は読み書きの基礎を学び始めました。