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若い読者のための宗教史
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生き方・教養
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Chapter36 神秘論者と映画スター

『若い読者のための宗教史』
[著]リチャード・ホロウェイ [訳]上杉隼人 [訳] 片桐恵里 [発行]すばる舎


読了目安時間:11分
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 宗教学を学ぶ者は教会(チャーチ)と教団(セクト)を区別する。教会は教団よりも複雑だ。ひとつの教会内でも信仰に関する考え方は多様であり、そのあいだである種のバランスを保とうとしている。一方、教団は宗教のある面に固執して、主要関心事とする。前章で紹介した、セブンスデー・アドベンチストやエホバの証人は、キリストがこの世に審判を下して終末をもたらすために再臨するという聖書の予言の一部に傾注している。そのため、セブンスデー・アドベンチストやエホバの証人のような団体は教会ではなく、教団として分類される。1879年にアメリカのボストンで創設されたキリスト教科学(クリスチャン・サイエンス教会)も教団として説明される。この教団はイエス・キリストの行為の一面を取り上げ、その一面を主要教義としてとして推し進める。


 キリスト教科学が使命とするのはイエスの癒しの(わざ)だ。この運動をはじめた提唱者、メリー・ベーカー(1821~1910)は1821年にニューハンプシャー州で生まれた。子供の頃から病弱で、大人になっても慢性疾患に悩まされていた。「マルコによる福音書」に登場する、多くの医者にかかって苦しんでいた女性のように、メリーも多大な時間をかけて治療法を求めていた。通常の医療だけでなく、催眠療法などの代替療法も試していたが、効き目が長くつづくものはなかった。そして1866年、凍った道路で転倒し、背骨を損傷する。そのとき彼女はそれまでとは違うことを試す。医者の手当てではなく、新約聖書に癒しを求めたのだ。そして、「マタイによる福音書」でイエスが寝たきりの男性に起きて歩くように命じた箇所について瞑想するあいだに、彼女自身が癒される経験をする。損傷していた背骨が治っただけでなく、イエスの癒しの業を支える科学を発見したと信じたのだ。


 メリーに訪れた啓示は、病気は幻想から起こるという考えだ。物質が独立した存在だというのは幻想だ。物質は独立したものではない。神の心から作られたものだ。心が原因であり、物質はその結果だ。

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