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誰にも負けない努力
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『誰にも負けない努力』
[述]稲盛和夫 [編]稲盛ライブラリー [発行]PHP研究所


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 社会が大きく変化を遂げていく今は、「リーダー受難の時代」と言えよう。


 現代を生きるリーダーは、国籍はじめ多様化した経歴、価値観を持つメンバーで構成される組織のベクトル合わせに努めなければならない。また、社会のコンプライアンスへの高まりを受け、パワハラやセクハラに留意しながら、部下指導を果たさなければならない。さらには、働き方改革が叫ばれる中にあって、限られた時間の中で仕事をやりきることを教えていかなければならない。


 そんなリーダーをとりまく環境変化の波に翻弄され、リーダー自身が変質してはならない。激変する時代であるからこそ、普遍的な判断基準を持ち、明確な指針を掲げ、組織に集うメンバーを目標へと導いていくことが求められている。しかし今、自らのリーダーシップに確信を持てないリーダーが増えていると聞く。


 今こそ、リーダーとはどのような存在であるべきなのか、原点に立ち返り、そのあり方を根本から問い直すことが大切である。さらには、いかにリーダーシップを発揮していけばいいのか、実践的な指針が求められている。


 本書は、PHP研究所経営理念研究本部と京セラ稲盛ライブラリーによる「共同研究会」のたまものである。PHP研究所は、松下幸之助氏の講話録をもとにした書籍を数多く世に送り出してこられた。稲盛ライブラリーのメンバーが、その経験と知見に学ぶことを目的に研究会が開催され、本書はその活動から生まれた。


 二〇一〇年二月からおよそ四年間に、のべ二十七回の研究会が開催され、私の膨大な講話録を渉猟しながら、初級管理者から経営者まで、世のリーダーに伝えるべき素材の抽出に取り組んだ。さらには、その素材をできるだけ肉声に近い「リーダー読本」として編纂することに努めた。


 本来、出版を企図しないものであったが、PHP研究所の清水卓智社長から、「昨今のリーダーの未熟さが引き起こす企業や組織の不祥事を見るにつけ、これからの日本を背負う若い世代のリーダーに向け、述べられている哲学をきちんと伝えるべきではないか」と、上梓を強く促すお手紙を頂戴した。社内の話も含まれるが、悩める世のリーダーのお役に立つならと出版をお受けすることにした。


 本書に収録した私の発言は、社内外の主にリーダーに向けてお話ししたものである。私は人前で話をするとき、空理空論でなく、自分自身が経営や人生の様々な課題と格闘する中で、肌身で感じたことを、魂から発した言葉でお伝えするよう努めてきた。


 そんな私の(なま)に近い言葉で綴られた本書が、読者の皆さんにとり、臨場感あふれる「リーダーシップ指南書」となれば幸いである。



 二〇一〇年二月一日、私は二次破綻さえ危惧された日本航空の会長に就任し、再建に臨んだ。JAL社員三万二千名の献身的な努力により、日本航空は二〇一二年に再上場を果たすことができたばかりか、世界有数の高収益航空会社へと生まれ変わることができた。


 この日本航空の再生において、私は、経営幹部のみならず、パイロットやCA、また整備や地上職など、日本航空の各部門のリーダーに、本書で述べた考え方や姿勢の大切さを説き、意識改革を求めた。日本航空の各職場のリーダーたちの意識と行動が、善き方向へ変容したことを契機として、奇跡と呼ばれた日本航空の再生は成った。


 今、現場の最前線で、組織の先頭に立ち、様々な課題に呻吟する、現代のリーダーの皆さんにとっても、必ずやお役に立てるものと信じている。



 本書のタイトルは、『誰にも負けない努力』とさせていただいた。「誰にも負けない努力」を重ねることは、私が自らの経営哲学である「京セラフィロソフィ」において、最も根幹に置いていることである。また、私の経営の要諦をまとめた「経営十二ヵ条」にも、また人生の要諦をまとめた「六つの精進」にも外すことができない項目として入れている。


 何より私自身がこれまで歩んできた人生を、最も端的に表している。もともと類い希な能力など持ち合わせない私は、自らの八十有余年の人生において、ただこのことに努めてきたに過ぎない。


 努力は誰もが行うが、中途半端に留まることが多い。高い目標を掲げ、その実現をめざすなら、並外れた、凄まじいまでの努力が求められる。ましてや激変する環境の中で、多くの人を束ね、困難を乗り越え、組織の成長発展をめざしていかなければならない現代のリーダーならば、その払うべき努力は、決して人並みのものではないはずだ。


 本書を手に取られた、様々な組織で活躍するリーダーの皆さん、また次代を担うリーダー予備軍の皆さんが、率先垂範「誰にも負けない努力」で人生や仕事に臨まれ、組織に範を示されることを願ってやまない。また、そんな素晴らしいリーダーが輩出することで、それぞれの組織が活性化し、組織に集う多くの人々が、物心両面でさらに幸福になられることを祈念申し上げ、序文の結びとしたい。



 二〇一八年十二月


 京セラ名誉会長 稲盛和夫

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