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偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る
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政治・社会
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北朝鮮相手に同じ過ちを繰り返してはいけない

『偽善者の見破り方 リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』
[著]岩田温 [発行]イースト・プレス


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北朝鮮の「非核化宣言」を安易に信じるな



 ドイツの哲学者、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルは「歴史は繰り返す」と主張した。これに対し、同国の哲学者で思想家のカール・マルクスは、歴史の繰り返しを肯定しながら、「一度目は偉大な悲劇として、二度目はみじめな笑劇として」とつけ加えた。


 マルクスの言葉をぼんやりと思い出したのは、ドナルド・トランプ米大統領と、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の会談が行われるとのニュースを目にしたときだった。


 正恩氏は「今後は核実験と弾道ミサイル発射を自制する」との意向を表明したとも報じられた。だが、こうした言葉を鵜呑みにするのは愚かであり、危険なことだ。重要なのは「非核化する」という言葉ではなく朝鮮半島の「非核化」そのものだ。言葉ではく行為こそが重要だ。


 一九九三年から九四年にかけ、北朝鮮の核開発疑惑が深まった。このとき、クリントン米政権のウィリアム・ペリー国防長官は戦争を辞さない覚悟で北朝鮮との交渉にあたった。北朝鮮の動向次第では、実際に朝鮮戦争が再開しかねない危険な状況にあったのである。


 だが、アメリカは、本音では「戦争を回避したい」と考えていた。そのために、北朝鮮に対して戦争も辞さないとの圧力をかけながら、一方で戦争を回避すべく外交交渉にあたっていたのだ。結果として、戦争は回避することができ、北朝鮮の非核化を含む「米朝枠組み合意」が結ばれた。そして、一定期間、この米朝枠組み合意は有効だった。こうした状態が続けば、歴史に残る素晴らしい外交交渉だったといえるだろう。


 しかしながら、約束は踏みにじられた。北朝鮮は核開発を断念せず、黙々と核武装の道を歩み続けたのだ。米朝枠組み合意とは、北朝鮮の時間稼ぎのために結ばれた「偽りの合意」にほかならなかったのである。アメリカ、そして国際社会への約束と期待を裏切った北朝鮮の核武装は、まさに人類の悲劇にほかならなかった。結果を振り返れば、この外交交渉は失敗であったと評価すべきであろう。現時点で、正恩氏は「非核化」に向けて動くと表明しているが、北朝鮮の歴史そのものを振り返れば、安易にこうした言葉を信用することができない。国家と国家の合意を、平然と破棄した事実は何よりも重たい。


 トランプ氏率いるアメリカ政府は、あくまで朝鮮半島の恒久的な非核化を目指しており、それ以外は受け入れられないと表明している。日本の平和にとっても、北朝鮮の非核化は極めて重要な問題だ。目先の平和に踊らされ、将来の禍根を残すような合意は許されない。北朝鮮の「空虚な詐言」を信じるという愚かな道化として歴史を繰り返すべきではない。


 まったく笑えぬ笑劇が演じられることがないことを切に望む。


[初出] 日本の選択① 歴史を繰り返してはいけない(『夕刊フジ』二〇一八年三月十三日)

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