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「伝わるコトバ」の作り方(KKロングセラーズ)
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生き方・教養
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第4章 もっと多くの人に、効果的に伝えるためのレッスン

『「伝わるコトバ」の作り方(KKロングセラーズ)』
[著]藤田亨 [発行]PHP研究所


読了目安時間:43分
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ヒットメーカーは半歩だけ先をいく



 もしあなたが、次々とヒットを飛ばすヒットメーカーになりたいなら、ひとつだけ忘れてはいけないことがあります。


 それは、半歩だけ先をいく、という感覚です。


 僕らの仕事はテレビの視聴者が何を求めているのかを知り、その「観たい気持ち」のど真ん中にヒットするアイテムを並べてみせることです。


 そこに必要な能力は、楽しいことや面白いことをたくさん知っているという、人の関心事に応えられる引き出しの多さです。


 そのためには、常に、世の中で起きていることにアンテナを張り巡らせ、多くの人と知り合い、どれだけ生の情報にふれる機会を持っているか、ということが大切になります。


 でも、だからといって、あまりに流行に敏感になりすぎて先頭を走ってはいけません。先頭を走るのはアーティストやクリエーターなどの特別な才能を持った人たちに任せておくべきだと思います。


 僕たちに出来ることがあるとすれば、そうした人たちがいるということを知らせる案内役です。目指すポジションは、とんがりすぎず丸まりすぎずの、先頭走者から半歩遅れた位置だと思います。



 この考え方は、テレビ作りだけでなく、あらゆる仕事に共通するような気もします。僕たちのテレビの仕事を、流行の最先端を行くおしゃれなものと思っている方が多くいます。


 確かに深夜の若者向けの番組などでは、これから流行りそうな知る人ぞ知る音楽や、今年のオシャレはこうなるみたいな流行を先取りするようなものもみかけます。


 実際、企画を募集すると若いスタッフは、ここぞとばかりに、あまりまだ知られていないような、最新の情報を盛り込んだ、ピカピカに尖った企画書を出してきます。


 僕らはそれらを、初めて知る情報として楽しく読ませてもらいますが、現実にはあまり番組の企画として採用されることはありません。



 残念ながら最先端を行く企画は、テレビ視聴者の多くをおいてけぼりにしてしまいます。テレビのような媒体は、ターゲットとする人数も多く、たとえば100人の視聴者が大絶賛してくれても、視聴率の面ではあまり意味がありません。


 僕らが獲得を目指す視聴者の数は100万人、1000万人といった数字です。


 視聴率1%でも、関東地方だけで17万世帯がチャンネルを合わせてくれています。仮にひと世帯平均2・5人が観ていてくれたとしたら(この計算は正確ではありません)1%でも42万人以上が観てくれるということになります。これが5%なら210万人、10%なら420万人ということになります。


 企画を考える時に、視聴率1%を目標にするプロデューサーはいません。少なくとも5%から10%、出来れば2桁の後半、数百万人には観て欲しいと考え、企画を考えています。


 ですから僕らは、とんがりすぎた最先端のものにはあんまり触手が動きません。それは、趣味の範囲に収めておいて、仕事となると少し遅いぐらいの流行り物に注目したりします。


 言うならば、多くの視聴者に興味を持ってもらえそうなものを「企画」し、それをまずは目の前にいる人にわかってもらえるように「伝える」ということです。


 過去の経験ではこうしたもののほうが、確実に視聴率を稼いでくれています。それがどの程度のものか、分かりやすく表現するとこんな感じでしょうか。


「いま人気爆発」

「行列のできる」

「知っていましたか」



 こんなサブタイトルが付きそうなすでに人気を集めているもの、もしかするともっと遅れて


「いまさら聞けない」

「知らなきゃ損」


 ぐらいのものかもしれません。



 最先端を突き進み、その魅力を伝え、少しずつムーブメントを作っていく仕事は、本物のクリエイティブだと思います。


 アーティストは何もないところから、作品を生み出し、誰も注目していないところから作品を育てていきます。しかし、それを実現するには大変な才能と努力が必要です。企画を考える能力はアーティストの能力とは違います


 いい企画をコンスタントに出し続けられる人とは、必ずしも新しいものを一から生み出す能力を持つ人ではありません。


 これから評判を呼びそうなものはないかといつも広くアンテナを張り、その人気が高まってきたところを見逃さないようウォッチし続け、いいタイミングで取り上げる、これができる人につきます。


企画を考える脳はこうして鍛える



 では、企画を考えるための脳はいかにして磨き上げていけばよいのでしょうか?


 プロの制作者たちが新しい企画を常に考え続けている中で、本当に新しい企画がそうそう簡単に見つかるはずはありません。


 それでも何とか企画を生み出さなければならない僕らは、いろいろなテクニックを使って、新しく見せることを考えます。


 おなじみの企画でも見え方が変われば新しいものに見えます。


 そのためには同じものを同じものに見えないようにする発想が必要になります。ここでは、そのための脳の鍛え方をご紹介します。




 鍛え方1:同じ意味を持つことわざを考える!



 『犬が西向きゃ尾は東』



 このことわざは聞いたことはありますよね。


 犬が西を向けば尻尾は東を向く、つまり、当たり前過ぎるほど当たり前のことの喩えです。


 分かりやすい、いいことわざだとは思いますが、何かのチャンスにこのことわざを使ってみようとはなかなか思えません。ちょっと古すぎる感じがして、使うにはかなりの勇気が必要です。



 そこで、このことわざを少しシャレっぽくアレンジして甦らせてみましょう。考えるときに元の形やリズム感をあまり壊さないのがポイントです。



 では、『犬が西向きゃ尾は東』を基本にして、当たり前のことを考えます。


「犬が西向きゃ尾は……」


 ここまでを生かします。そして、当たり前のことを考えます。


 多分実際は、西を向いても犬の尾は東を向かず、下を向いていますよね。


 ならば……

「犬が西向きゃ尾は真下」


 これが正解で本当の当たり前のことですよね。



 と、こんな感じで当たり前のことを、「犬」のひと文字をいただいて思いつくままにことわざ風にまとめてみます。


 例えば、犬が歩けばどうなるか……


「犬が歩けば疲れる」



 なかなかいい感じです。ではこれはどうでしょう?

「犬が歩けば前へ進む」


 かなり普通の当たりまえ感が出ています。ならば、さらに進めて、

「犬が歩けば腹が減る」

「犬が歩けば道に迷う」

「犬が歩けば猫も歩く」

「犬が歩けばたまには座る」



 こんなふうに思いつくまま自由に発想して、『犬が西向きゃ尾は東』と意味が同じになる新しいことわざを作ってみましょう。脳を柔軟にして考えましょう。


 では今度は完全なフリースタイルでやってみましょう。当たり前のことをいかにもありがたそうに、堂々とことわざ風に表現するだけです。


「人は誰でも歳をとる」

「闇夜は暗い」


 どうですか? 本当はたいしたことも言っていないのに、なかなか威厳がありそうで深い思いを感じさせる新しいことわざに見えます。


 では、こんなのはどうでしょうか?

「熟睡すれば目が覚める」


 これも、当たり前のことだけど、どこかありがたく聞こえる人間の本質に基づく、いいことわざのような気がします。

「体動かせば腹が減る」


 これなんかは、まさに事の本質に迫る、いかにもありそうな名文に見えます。



 この時の基本パターンは「○○が○○すれば○○になる」という形です。


 この形を守り、ここに普通のことを当てはめて、ありがたく聞こえる新ことわざを考えてみましょう。


 そしてチャンスがあれば、何かの会話の折に勇気を持って使ってみるのもよいかもしれません。


視点を変えて独自の発想を鍛える



 当たり前の話を当たり前のこととして見過ごしていては、新たな発見や広がりはありません。あえてそこに疑問を挟み、普段使わない頭を使う訓練をしてみましょう。そうすれば、あなたの話は個性的で他の人とは違う広がりを持つようになります。


 そしてひとつのテーマで、いつまでも人を飽きさせない話を展開することができるようになるはずです。

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