『荻原博子の貯まる家計(毎日新聞出版)』
[著]荻原博子
[発行]PHP研究所
ちょっとしたコツがわかれば、お金は「貯まる」!
「お金を貯めるのは苦手」と思っている人は、多いと思います。
けれど、「自転車に乗るのは苦手」や「人前で話すのは苦手」と思っていた人が、練習してコツをつかめばスイスイ自転車に乗れるようになるかもしれないし、人前でのスピーチは苦手という人が、練習してコツをつかめば人を笑顔にさせるようなスピーチができるかもしれません。
それと同じように、お金の貯め方も、練習してちょっとしたコツをつかめば「こんなに簡単だったのか」と思えるでしょう。そして、不安がなくなった家計を嬉しく思うはずです。
お金が貯まる最も大事なコツは、「貯まる仕組みを作ること」と「無駄な出費をしないこと」。そして「稼ぐ」ことの3つ。
「貯まる仕組みを作ること」は、「お金を貯める順番」をもう一度見直して、忘れていてもお金が貯まっていく「天引きシステム」を中心に、同じお金を払うにも、まとめ払いのような「お金が残る」仕組みや、「コツコツが楽しみになる貯金」の方法を学んでいきます。
そうすれば、「貯めること」が、楽しくなります。
「無駄な出費をしないこと」では、お金を失いかねない危ない投資や、結局無駄になってしまいそうな保険、貯金にならない保険などを取り上げ、損せずお金と上手に付き合っていく方法を中心に、さまざまな「無駄な出費」を再点検しています。
「稼ぐ」については、無理せず楽しく働いて稼ぐには、どうすればいいのか。パートの「有給休暇」や、税金のことも含めて紹介しています。
「人生100年時代」。今は60歳を過ぎても、その先に、まだまだ長い人生が待っています。
昔は、60歳で定年退職すると、そこから先は「余生」と言われていましたが、今は、70歳を過ぎても、しっかり働き税金を納めるという人が少なくありません。
本書は、「貯まる仕組みを作ること」と「無駄な出費をしないこと」。そして「稼ぐ」という3つの柱と、これからのお金との付き合い方を軸に、無理なく楽しい人生が送れるお金のプラン、アイデアを詰め込みました。
私が初めて「自転車」に乗れるようになったのは、小学校5年生の時。友達はずっと前から乗れたのに、私だけ乗れずに恥ずかしかったのですが、今は亡き父に励まされ、練習してコツをつかんだらスイスイ乗れるようになりました。最初に乗れた時の感動は、今でも覚えています。
「スピーチ」についても同様です。実は、昔の私はあがり症で、しゃべることが苦手でした。そんな私が、やっと人前で萎縮せずに話せるようになったのは、30代の頃に森本毅郎さんのラジオ番組にレギュラー出演させていただいたのがきっかけです。森本さんに励まされ、10年ほど鍛えていただいたおかげで、それまで苦痛だった「しゃべること」が楽しくなり、人前で自分の意見を臆さずに言えるようになりました。
今思えば、どちらも、長いあいだ越えることが「難しい」と思っていた私の「壁」。けれど、ちょっとしたコツを覚えて練習したことで、今は「壁」ではなく、楽しみに変わりました。
そんな自分の経験も踏まえ、ちょっとしたヒントが、「お金が貯まらない」と悩んでいる人の「貯めるコツ」の発見につながり、豊かで楽しい人生が送れることを心から願いながら、本書を書きました。
本書は、毎日新聞出版の峯晴子さんをはじめ、多くの方々に励まされて世に出た一冊です。
平成から令和に変わる節目で、「人生100年時代」に向けて、本書で楽しくお金のことを学び、「貯まる家計」をつくっていただければ幸いです。
2019年5月
経済ジャーナリスト 荻原博子