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子どもを攻撃せずにはいられない親
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生き方・教養
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第五章 子どもを殺す親

『子どもを攻撃せずにはいられない親』
[著]片田珠美 [発行]PHP研究所


読了目安時間:14分
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 この章では、子どもに対する親の究極の攻撃ともいうべき子殺しを取り上げる。

元事務次官の子殺し


 二〇一九年六月、東京都練馬区の自宅で、農林水産省の元事務次官の七十代の父親が、無職で長年ひきこもり気味の生活を送っていた四十代の長男を殺害した事件は衝撃的だった。


 この父親は、長男から日常的に家庭内暴力を受けていたらしく、「身の危険感じた」と話している。また、五月末に川崎市で児童ら二〇人が殺傷された事件に触れ、「長男も人に危害を加えるかもしれないと不安に思った」「迷惑をかけたくないと思った」などとも供述しているという。


 事件当日は自宅に隣接する小学校で運動会が行われており、「(音が)うるせぇな。ぶっ殺してやる」と騒ぐ長男を父親が注意し、口論になったらしい。


 長男の家庭内暴力が始まったのは中学二年のときで、当時長男は東大への進学実績が高い都内の中高一貫校に通学していた。当時のことを長男自身が二〇一七年にツイッターに書き込んでいる。

〈中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の快感は今でも覚えている〉


 父親は東大法学部を卒業後、農林省(当時)に入省し、農水省トップの事務次官にまで上り詰めた超エリートだが、長男は父親と同じエリートコースを歩むことができなかった。高校卒業後、日本大学に進学し、流通経済大学へと転籍したが、学業を終えても仕事はせず、ゲームとネットにどっぷり浸かった生活を送っていたようだ。


 もっとも、長男はずっと実家で生活していたわけではない。十数年間、都内で一人暮らしをしており、その間、父親が部屋を訪れて片づけなどを行っていたらしい。ところが、一人暮らしのマンションでゴミ出しをめぐって近隣住民と揉めたため、事件の一週間ほど前に長男が自ら希望して実家に戻り、再び両親と暮らし始めた。


 それ以降、長男は口癖のように「ぶっ殺す」と言うようになり、事件の六日前には父親に激しい暴行を加えた。この頃、長男は「俺の人生は何なんだ」と叫ぶこともあったという。また、両親を殴ったり蹴ったりする状況が事件当日まで毎日続いていたようだ。

暴君化する子どもの典型


 この長男は、第三章で取り上げた暴君化する子どもの典型のように見える。父親の体にあざが無数にあったらしく、長男から日常的に暴力を受けていたことがうかがえる。だから、父親が身の危険を感じたとしても不思議ではない。


 また、川崎市でカリタス小学校の児童らを殺傷したのが五十代のひきこもりだったことから、長男も同様の事件を引き起こすのではないかと父親が危惧したのも、理解できる。

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