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令和ニッポン改造論 選挙に不利でも言いたいマニフェスト(毎日新聞出版)
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政治・社会
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第4章 「子ども国債」を発行して教育改革を

『令和ニッポン改造論 選挙に不利でも言いたいマニフェスト(毎日新聞出版)』
[著]玉木雄一郎 [発行]PHP研究所


読了目安時間:23分
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日本の教育は公的支援が少ない



 日本は、今も昔も天然資源に乏しい国だということは、改めて言うまでもありません。だからこそ、日本が特に力を注いで育てるべきは、「人材」という資源しかありません。私は、教育こそを国家経営の根幹におくべきだと考えます。


 人を育てるために、より高度で充実した教育を多くの皆さんが受けられる環境を作ることが大事です。


 古来、国が行うべきことは3つあると言われています。かつては国を守らないと外敵によって滅ぼされてしまったため、「国防や安全保障」が最優先でした。そして、産業を起こして国民の食い扶持を作ることが求められました。今風にいうと、「雇用を作る」ことです。


 国を守り、雇用と所得を創出する。しかし一番大事なのは、それを担う「人を育てる」ということです。


 しかし、教育を取り巻く日本の現状を考えると、問題が多々あります。教育=カネという部分が否定しがたく存在するからです。つまり、親の収入と子どもの偏差値が比例してしまっている。これは、どこか(いびつ)な感じがします。


 裏返せば、教育に関する公的支援の割合が非常に低いということです。


 現に経済協力開発機構(OECD)の調査を見ると、家計に対する教育や子育てに関わる支出は、GDP(国内総生産)で見た場合、日本は先進7カ国中で最も高い割合です。


 その分、個々の家計に頼る教育システムだったことが分かります。かつて総中流時代と呼ばれた時のように、ある程度の水準の世帯所得が維持できているなら、それでもいいのかもしれません。


 しかし現在の日本は、年収300万円万以下の人が全世帯の3分の1を占め、400万円以下は全世帯の47%に達しています。


 つまり、国民の約半数が年収400万円以下まで下がっているのです。世帯所得の中央値は、平成の30年間で100万円以上、下落しています。


 共働き世帯が増えているにもかかわらず、です。だから、家計で子どもを大学まで進学させること、しかもそれを第2子、第3子を育てながらやるということは、非常に難しくなっているのです。


 中学、高校を出てすぐ働けばいいじゃないかという声も聞かれますが、単純労働の賃金は、国際競争力や貿易の自由化もあって極めて低くなっています。


子どもへの投資は「子ども国債」を発行して大胆に



 今後は、AI(人工知能)やロボットが台頭し、単純労働自体に、人間が関わる部分が少なくなります。


 そんな時代だからこそ、学びたい人が自由に学べる環境を、国の責任で整えることが重要になります。


 前章では農業に税金を投下すべきだと記しました。教育にももっと税金を投入せよと言うと、「そんなに大きな政府にして、この国はどうなっていくんだ」とか「財政が厳しい中、実現不可能なことばかり言うな」とお叱りを受けそうです。まるで、チコちゃんから「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われるように。


 予算が厳しい。借金大国だ。どれも正論です。しかし、それでも人材育成に力を入れずして、日本をどうやって豊かな国にして維持していくのでしょうか。私は逆に聞きたいのです。


 今やるべきは、とにかく最優先で子育てや教育に国が大きく財政支援を投じることです。あえて別の言い方をすると、これは単に使い切りのお金ではない。必ずリターンのある投資だという発想を持つことも大事だと考えています。


 投資であるがゆえに、私は教育や子育てに使途を限定して発行される国債、すなわち「子ども国債」という国債を発行してでも、速やかに支援を進めるべきだと考えます。


 私自身の反省も込めて言えば、平成の30年間、「何かを削って財源ができたら子育て政策をやりましょう」「この支出を削減できたら教育の充実をやりましょう」といった、教育をめぐる「たられば政策」の議論を続けてきた結果、現状の教育環境の乏しさを招いてしまったのです。


 では何かを削って予算が出るかというと、教育を充実させる予算は、結局、出てこなかったわけです。それは、高齢化が進んでいるからに他なりません。高齢化に伴う社会保障支出は、この2030年で20兆円以上増えているのです。

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