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(2021/11/26 追記)

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詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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企業存続のために知っておいてほしいこと
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第5章 お客様第一主義の本質

『企業存続のために知っておいてほしいこと』
[著]池森賢二 [発行]PHP研究所


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SYMPATHY INDUSTRY(共歓共振企業)

共歓、共振の心意気


 標記の「シンパシー・インダストリー」という言葉は、10年以上も前に当時のファンケル役員たちが、毎週2時間の会議を3カ月以上も続けて完成させた、ファンケルのスローガンです。あわせて無限大に似たロゴもつくりました。しばらくは使っていたのですが、いつしか使われなくなってしまいました。


 ファンケルとお客様の関係は打てば響くように、常に共歓、共振の関係でなければならないという意味が込められているのです。


 ところが最近はこの共歓、共振の関係がだいぶ薄められてきたようです。それにあわせてファンケルの大切な宝である、ヘビーユーザーのファンケル離れが進み始めました。これはファンケルの将来に大きな影を投げかけるものであり、さらに進むとファンケルという企業の存続そのものが難しくなります。

常にお客様の立場で考える


 最近打ち出されている数々の販売促進策が、お客様に対する配慮が足りずに、逆にお客様を怒らせるきっかけになったり、さらに2次、3次のクレームを発生させ、お客様離れを加速させる結果になったりしています。


 私がいつも、「お客様の立場で考えたら、自分たちの間違いが分かるはずだ」と言いますが、常にお客様の視点に立てる企画マンであってほしいと願います。


 アテニアの業績が好調な要因は、お客様の心をしっかりとつかみ、お客様の心と共歓、共振し合った商品が生まれ、共歓、共振し合った販売策を立てることができているためです。


 ファンケルの業績が絶好調なときは、私はお客様の考えが手に取るように分かりました。だからこそ絶好調だったとも言えます。


 ファンケルの営業関係の企画に携わっている人たちは、発案の段階で、そのことが本当にお客様に喜んでいただける事柄なのか、お客様の心を捉えることができるのか、しっかりと考えることを忘れないでほしいのです。


 そしてそれは、企画部門だけでなく協力部門の人たちも同じように、自部門のことだけではなく、お客様の立場で考えてほしいのです。


 売上をとるために施策を考えるのではなく、お客様に共歓、共振していただける施策・サービスを行うことが、売上に反映されるのです。会社の成長は、お客様にどれだけ喜んでいただけたかに正比例します。

(2003年11月)

現在は過去の結果、未来は現在の結果

結果を生み出した原因を探る努力を


 宗教の経本に、「過去の因を知らんと欲すれば現在の果をみよ、未来の果を知らんと欲すれば現在の因をみよ」という言葉が書かれています。


 この意味は表題にもあるように、現在ファンケルが連続7カ月も前年の売上を割り込んでいる(9月は特別な要因があってかろうじて前年売上をクリアしましたが、従来の売上では7カ月連続の売上減です)のは、過去にその原因がある。過去にいろいろと間違えた手を打っているからである。同じように現在、過去の反省の上に立ち、間違いのない手をきちんと打つことによって、未来のファンケルの業績をまた成長路線に乗せることができる、という意味です。

お客様の顔が見えなくなっている


 ファンケルの売上はグループで、まだ1000億円にも満たない中小企業であるにもかかわらず、いまのファンケルには大企業病が(まん)(えん)しています。


 一般社員のみならず役職者、役員にいたるまで、お客様の顔が見えなくなっています。例えば2年もかけて開発した商品にもかかわらず、発売間近になると、がたがたの状態になってしまい、クレームの山ができる、このクレーム処理がうまくいかず、2次、3次、4次とクレームを発生させ、本来なら喜んでいただけるはずのお客様をカンカンに怒らせてしまい、長年愛用してくださっているお客様を大量に失ってしまう。23年間も通信販売で培ってきたファンケルの経験は、いったいどこに行ってしまったのでしょうか。嘆かわしい限りです。


 この状態が続く限り、ファンケルはまだまだ業績は落ちていくでしょう。クレームの原因を追究していくと、そこに責任者が誰もいなくなってしまうのも不思議な現象です。お互いの仕事がダブついていることが原因かもしれません。ファンケルはいま、大きな病に陥っています。


 しかし一人ひとりの社員は優秀です。また店舗をはじめお客様と直接接している現場の社員は、頭が下がるほど一生懸命取り組んでくれています。


 今ならまだ何とか間に合います。役員をはじめ、全社員一丸となって、お客様の方向に顔を向け、お客様の顔をしっかりと見ながら仕事に取り組んでください。

(2003年12月)

言葉だけが踊っているお客様第一主義


 ファンケルはお客様第一主義の会社であると社員は思っていますし、一般にもそのように言われてきました。しかし私の目からはまったく的外れに見えてしかたありません。


 一昨年「最近のファンケルは少し思い上がっていないか」という新聞1ページの自己否定の広告を打ち、大いなる反響をいただきました。


 ファンケルの従来の主張、単一ブランドという枠から一歩踏み出して、多ブランド化し、「フェナティ」「エヴァンテ」「クリアチューン」という3ブランドを売り出す、大きな方向転換をしました。その第一陣として売り出した「フェナティ」というブランドを、従来品の買い控えを恐れて、ほとんどお客様に予告もしないで切り替えてしまっため、多くのお客様から顰蹙を買い、お叱りを頂戴してしまったのです。お客様の怒りを少しでも静めていただこうと、窮余の策として打った広告でした。


 私はいま、通信販売部門を対象に「池森塾」を開塾しました。そこで日ごろの仕事上の悩みを聞きました。そこでの質問で、本当にお客様の側に立って販売促進企画を立てているのかと、耳を疑うようなものがいくつかありました。


 そのひとつ、買い控えがおきて当月の売上に影響が出るのではないかと心配してしまうため、情報誌『エスポワール』で次号のキャンペーンのお知らせを掲載すべきかどうか、いつも悩んでしまうというのです。私は即座に今月売上が0になっても予告すべきだと答えました(当月の売上に大きく響くのは、それだけ次回のキャンペーンへのお客様の期待が大きいためで、大いに結構なことなのです)


 お正月の福袋にしても、福袋で大きく利益を出さなければならないという勘違いから、当社商品以外の商品を加え、それに市場価格よりはるかに高い値段をつけて、いかにも安いと勘違いをさせるような定価をつけて販売し、結局はお客様に見破られて、(さん)(たん)たる成績に終わりました。スケジュールが極めて厳しかったにせよ、お客様はそのことを許してくれません。結局、買ってくださったお客様からもクレームが多発し、だまされたと怒って、大切なお客様がファンケルを離れていってしまいました。


 これらはほんの一例にすぎません。あらゆる職場でお客様第一主義が言葉だけ踊って、実際にお客様の視点に100%立って物事が考えられているのか、疑わしいことが次々と行われています。


 お客様の側に立った物づくりや販売促進策が、どうしてできなくなってしまったのでしょうか。


 株式の公開、上場により、株主は売上を伸ばし、利益を上げなければ株価が上昇しないという立場から、どうしてもそのことを強いることになります。これが以心伝心で、社員の皆さんに伝わってしまい、ファンケルのお客様第一で考える精神を(むしば)んでいるとしたら、極めて危険です。


 最近はお客様のクレームも軽んずる傾向が多く見受けられます。以前の、お客様のクレーム解決に向けて、全社員が一丸となって、必死に取り組んで解決していた頃を思い出してください。お客様に喜んでいただき、ご満足いただくために会社が存在しているのです。会社は自分たちの都合で存在しているのではありません。


 二十有余年かけて先輩たちと皆でつくり上げてきた、ファンケルというブランドと会社です。

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