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初対面で相手の心を一瞬で!つかむ法(KKロングセラーズ)
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生き方・教養
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第3章 手ごわい相手でも大丈夫、このテクニック

『初対面で相手の心を一瞬で!つかむ法(KKロングセラーズ)』
[著]斎藤茂太 [発行]PHP研究所


読了目安時間:31分
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下手でもかまわない




気おくれと不安は誰でも感じるもの


 初対面の人と会うと思っただけで不安、恐怖におそわれ、そして相手を目の前にすると、心臓がドキドキして、うまくしゃべれない。


 話そうと思っていたことを忘れてしまう。汗びっしょりになったり、顔が赤くなる。これはいけないと思うといよいよ赤くなる。


 こんな経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。


 だとすると、あなたは初対面恐怖症だ。しかし誰にも、こうした傾向はある。とくに自分より偉い人の前では、みんな緊張する。ところが、それが強くなりすぎると、対人関係にそごを生ずるような事態にも陥りかねない。


 対人恐怖症というのは、そのもっとも典型的な病的な状態だ。対人恐怖症になりやすい人は、神経質で、内閉的な性格の持ち主で劣等感が強い。この病気はとくに若い人に多く見られる。


 若者はまだ未完成で、世の中のことも知らないし、自分の能力も分からない。何に対しても初体験で経験がないから、前途に対して不安と恐怖を感じている。自分に対する自信のなさが対人恐怖を作りあげていくわけである。これが、三十歳になり、四十歳になり、世の中でもまれて、だんだん面の皮が厚くなってくると、自ずと対人恐怖症も減っていく。


 対人恐怖症となると、これはひとつの病気だが、初対面の相手のみに限られる気おくれと不安はほとんどの人が感じるものであり、これは、自己防衛本能という人間、いや生物の本質ということができる。


 戦争には敵情偵察が必須条件であるし、商売にはマーケティング・リサーチが必要だ。対象の本態が分からないとき、生物は万一に備えて自己を守らねばならないから、身構えが要求される。それが不安という心理になって表れてくるのだ。


下手でもかまわないという悟りを開けばいい


 人に会うことに恐怖をおぼえる原因の第一は、劣等感である。自分は他人にくらべ劣っているのではないかという不安、自分に対する自信のなさが心にひそんでいると、こうした心理が強く出てくる。


 それともうひとつは、心の要求水準が高すぎることだ。


 要求水準が高いというのは、うまくやろうという気持ち──この上司と、この偉い人と、会談をうまくやって成功裡に終わりたい、相手からよく見られたい、という気持ちがひそんでいること。つまり、自分の言動に対して完全を望む気持ちが強いということである。


 それ故に、当然、実際の自分の行動との間にギャップが生じる。失敗したときのダメージも大きい。たとえば、車に乗って時速四〇キロで走ってぶつかったときと、一〇〇キロで走ってぶつかったときでは、受けるダメージがまったく違う。四〇キロで走ったほうが、ずっとショックは軽くてすむわけだ。


 それと同じで、うまくやろうという気持ちが強ければ強いほど、自分の行動がそれに追いついていかず、かえってアガってしまう。挫折感が強く、自己を卑下することになる。


 人前で字を書くのが苦手という人がいる。結婚披露宴などで芳名簿に署名をさせられると、人に見られていると思っただけで手がふるえてうまく字が書けなくなる。それが恐さに、結婚式の招待を断わったりする。


 この場合は、自分の要求水準を下げればいいのだ。下手な字でもかまわないという悟りを開けばいい。習字の手本のような立派な字を書かなければ恥ずかしいなどと思わず、自分の目標は最低の線に置けばいいとする。


 口でいうのは簡単だが、実際に行うのはなかなかむずかしい。


 武者小路実篤さんの字。よく見ると、失礼ながらあんな下手な字はない。習字の先生なら決していい点はつけないだろう。


 だが、武者小路実篤さんの文字には、強烈な個性がある。そういった意味で見ると、なんとすばらしい字ではないか。だから、どんな字でも、自分らしいその人の個性のにじみ出ている字を書けばそれでいいのだ。


 こういう理屈を心で納得できるようになれば、人前で署名するのが苦痛でなくなり、病気は治るのである。


アガっても大丈夫、少しずつ自分を変えていけばいい

「アガる」という状態は、不安感や劣等感が強烈になりすぎ、それが自律神経を刺激することにより起こる。自律神経の調子が乱れ、周囲の環境、たとえば温度などに、うまく連動せずに血管が拡張したり、ちぢんだりすると、血液がうまく流れず顔面に集中する。顔が赤くなる。しまった、という思いが、さらに自律神経の調子を乱し、ますます頭に血がのぼる。これは全部心理作用からくるものだから、心的要求水準を下げれば、みんな解消するはずだ。


 ただし、ここでちょっと気をつけなければならないのは、どうでもいい、自分は立派じゃなくてもかまわないという風にとらえたら、人間、進歩はしないということだ。あくまで夢は高く、要求水準は高く持ってほしい。


 これまで述べてきたことと矛盾するようだが、ただしその心の要求が完全に達成できなかった(現実はこれが大部分だ)ときの、心の対応の仕方が問題なのだ。


 ある程度の劣等感が、人を前進させるエネルギーとなっているのは事実なのだ。この原則は胸にとどめておいていい。


 そのよい例がナポレオンだ。彼は、背も高くなかったし、容貌の面でもたいしたことがなかった。このため、いろいろな意味で劣等感を持っていたと思われる。その劣等感の裏がえしとして、優越欲求というものが出てきて、とにかく人より優れたいと思うことから、権力への途を歩んだのである。何とか人より上になりたいと努力する根底には、必ず劣等感がひそんでいるのである。


 ここで、要求水準を心に抱く際の、水準の高さが問題になる。初めから最高を、富士山の頂上を望むと失敗する。

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