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「名経営者」はどこで間違ったのか ゴーンと日産、20年の光と影
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第9章 「ゴーン後」の日産が採るべき道とは?

『「名経営者」はどこで間違ったのか ゴーンと日産、20年の光と影』
[著]法木秀雄 [発行]PHP研究所


読了目安時間:16分
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 ゴーン氏の逮捕後、日産についての一種の綱引きが、日仏間で続けられている。ルノーは日産との経営統合を提案し、日産はそれに対して独自路線をいこうとしている。そんな中、両社とも経営トップが入れ替わったりと、混乱はしばらく続きそうである。


 こうした状況の中、日産は今後どうすべきかについて、筆者なりの見解を書いておきたい。



 まずは、今後の日産とルノーとの関係だ。ルノー側は経営統合の話を持ちかけているが、筆者に言わせればあり得ない話だ。それだけではなく、日産とルノーとのアライアンスについても、考え直すべき時期が来ていると考えている。



 そもそも、日産がなぜルノーの支援を受けねばならなかったのかと言えば、返済期限の迫っていた5000億円超の長期資金の借り換えのためであった。ただ結局、日産の長期債務はルノーの支援金ではなく、日産自身が持っていた膨大な土地と有価証券の売却で返済している。ルノーは出資金を含めた現金をすべて10年以内に回収し、ゴーン氏の逮捕によって株価が下がったとはいえ、ルノーの持つ43%の日産株の価値は、2019年6月時点で1兆4500億円にも上る。


 経営内容はどうか。1990年代に大きく低迷していた日産の業績は、すでに営業利益率で優良企業レベルの6~8%を継続できるまでに向上した。日産は復活した。これは間違いなくゴーン氏の貢献が大きい。しかし、そのゴーン氏はもういない。


 つまり、日産にとってルノーからの援助はもはや不要であり、ルノーも日産から十分すぎるくらいのリターンを得ているのである。


 にもかかわらず、フランス政府下にあるルノーは、「金の卵を産む鶏」である日産を手放そうとしない。


 ルノーの経営陣によるこれ以上の介入は、日産にとってマイナスの側面のほうが大きい。


 そもそもルノーはシュバイツァー氏にしてもゴーン氏にしても、外部からトップを迎え入れてきた。つまり、ルノーという会社は、経営トップを育てられていないのだ。ちなみにルノーの新会長であるジャンドミニク・スナール氏も、新CEOであるティエリー・ボロレ氏もミシュラン出身だ。ミシュランから経営トップを何度もヘッドハントするようでは心もとないし、新会長は自動車事業も初めてであり不安がある。


 ルノーよりもグローバルに展開しており、比較にならない複雑さを抱える日産の経営を、ルノーの経営トップに任せてはならないのは自明である。



 むしろ、今必要なのは強力な日本人トップである。


 現在、ゴーン経営末期の短期志向による負の遺産が、ボディブローのように効いてきている。たとえば米国事業は、行きすぎたコミットメント経営の弊害により、利益率が大幅に悪化している。そのため、日産全体の営業利益率が3%を割る事態となっている。


 これを解決するには、長期的な視点を持った日本人トップが必須である。

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