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「色彩セラピー」入門 心を元気にする色のはなし
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生き方・教養
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『「色彩セラピー」入門 心を元気にする色のはなし』
[著]末永蒼生 [発行]PHP研究所


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 私が主宰する色彩心理の専門講座「色彩学校」にはさまざまな人が通ってきているが、思わぬ出会いもある。ある時一人の女性から声をかけられた。「覚えていらっしゃいますか?」。見覚えのある面影ではあったが、すぐには名前が思い出せない。そんな私に笑顔を向けながら相手は正体を明かしてくれた。「実は、私、子どもの頃そちらのアトリエに通っていたんですよ」。


 一瞬、私の記憶はアトリエを通りすぎていった子どもたちの無数の顔をたどり、ハッと一人の子どもの面影の上で止まった。その子は三十年近く前、私がある幼稚園で開いていた「子どものアトリエ」にたしかに来ていた。懐かしさがあふれた。しかも、その再会した女性は子ども時代の作品をずっと持っていて、私に見せてくれた。「ほら、こんな風に絵の裏には私が使った色についていろんなコメントを書いてくれていましたよね」。


 当時、私は子どもの絵をはさんで親たちとよく話をした。特に、その色使いの変化と子どもの精神状態との関わりについて話し合ったり、絵の裏には必ず色彩と子どもの心のつながりについてのメモを書いて返したりしていたのだ。今でいうカウンセリングというところなのだろうが、その頃かじりはじめていた色彩心理の研究について自分で確認してみたかったのだ。何より私が目を見張ったのは、自由に色を使えば使うほど子どもたちが(はつ)(らつ)としてゆく姿だった。


 この体験は後に、私の色彩研究の貴重なベースになった。本書はそうした色彩の効果の中でも、とりわけ心のケアに役立つ、いわゆる色彩セラピーのはなしを中心にまとめた。かつて子どもたちの絵から学んだ“色彩の力”が、ストレス社会といわれる時代にあって、大人たちに必要とされていることにあらためて感慨を覚える。

色彩セラピー」は、気ままに絵を描くなどして、自分で色を表現するのが何よりだが、絵を描くのが苦手という人でも、最近は大人向けのぬり絵も出ている。ピカソの名画などを元に作られたオシャレなものも少なくない。私自身、これまでに大人用のぬり絵を数冊出している。最初は若い女性向きにと考えて作ったのだが、これが意外に幅広い年代によく使われていて、人がいかに色を塗る楽しみを求めているかを感じさせられている。


 このように少し幅を広げて考えてみれば、“色彩セラピー”のチャンスはごく身近なところにたくさん転がっているのである。


 出版に際しては、多くの方に一方ならぬお力添えを頂いた。文中のエピソードは、そのほとんどが「子どものアトリエ」や「色彩学校」で出会った人々の色彩体験をもとにしたものである。それについての解釈は私に責任があるが、彼らの豊かな色彩表現が私の色彩観をより深めてくれたことは間違いない。また、御著書からの引用を了承して頂いた美輪明宏さんにはあらためてお札を申し上げたい。ありがとうございました。


 本書は一九九八年に単行本『色彩心理の世界』として出版されたものを、今回文庫化にあたり一部手直しをしたものである。十年前にはポピュラーではなかった色彩セラピーも、近年のメンタルヘルスへの関心の高まりから広く知られるようになった。このような中にあって『「色彩セラピー」入門』という新たな題の下、本書が手軽に読める形で生まれ変わることは、著者にとってこの上ない喜びである。


 精神的な健康志向が高まる現代、色彩セラピーの方法をより多くの読者に伝えたいという私の願いが、PHP研究所文庫出版部編集長・山田雅庸さんのご好意でPHP文庫に加わることになった。また、編集にあたっては片岡美枝さんに御手数をおかけした。深くお礼申し上げたい。



 二〇〇七年二月

末永蒼生 

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