山川亜希子
広瀬尚子さんとは、二〇年来のお友達です。と言うよりも人生の先輩として、いろいろ教えていただいています。
知り合った当初から、北軽井沢でカフェフルールという人気のカフェを一人で切り盛りしていたこと、スコットランドにある精神世界のコミュニティ、フィンドホーンに毎年ツアーを組んで大勢の人を連れて行っていらっしゃったことなど、目も見張るばかりに大活躍されていました。
若い人たちの間でとりわけ人気があり、みんなが彼女を頼りにしていました。おいしいご飯を振る舞い、みんなの話をゆっくり聞き、それぞれに適切な助言をする、そんな彼女をみんなが愛し、尊敬するのは当然です。
その上、七〇代になっても好奇心が旺盛で何にでもすぐにチャレンジして行く方です。それと共に、向学心もいっぱい。いろいろなワークショップに参加したり、資格をとったりして、それをみんなのために役立てています。
そして極めつけが、八〇歳でのお嫁入りです。二回目のピースボートから帰ってきた彼女が、ある日、私をお茶に誘ってくれました。座ってすぐ、
「私、北九州にお嫁に行くことにしたの」。
ちょっとびっくりしたけれど、実はそんなではありませんでした。だって、ピースボートからのフェイスブックの投稿で、なんとなくそんな雰囲気を感じていたからです。
ただ、「お嫁に行くの」と言う彼女の言い方がとても新鮮で素敵で、それだけで嬉しくなったのでした。
そしてご結婚してからは、もうこれ以上幸せな人はいないかもね、と言うほど、毎日を楽しそうに過ごされています。
包み隠さずにその毎日の様子を書いてくださったこの本、本当に楽しくて心が暖かくなります。
ともかく、この本を手に取ったからには、最後まで楽しく笑いながら読んでください。そして彼女の人生から元気と勇気をもらいましょう。