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宝塚歌劇 柚希礼音論(東京堂出版) レオンと9人のトップスターたち
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ルポ・エッセイ
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あとがき

『宝塚歌劇 柚希礼音論(東京堂出版) レオンと9人のトップスターたち』
[著]松島奈巳 [発行]PHP研究所


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 本書は、宝塚歌劇をクロニクル(年代記)で綴った柚希礼音論である。


 すでに論評され尽くされているなら、改めて稿を起こす必要はない。だが「宝塚のレジェンド」という表現ばかりが取り沙汰され、ミュージカル・スターとしての真価がスッポリ抜けている気がしていた。初舞台から退団まで定点観測しているうちに、こんな疑問を抱いていた。


・柚希礼音には、芸風を言いあらわす具体的なキャッチフレーズが浮かばない

・「貴公子」「王子様」「エンターティナー」「実力派」など、いずれもピタリとこない

・「正統派」と評されることはない。だが「風雲児」「異端児」でもなかった

・宝塚には興味がなかったが、柚希礼音にひと目惚れしてハマったというファンが多い

・逆に昔からの歌劇愛好者で、柚希ファンになったというケースはあまり聴かない



 現象には、かならず理由がある。だがモヤモヤして、論考はしばらく頓挫した。思考のスイッチがカチっと音をたてたのは、くしくも柚希礼音が宝塚を退団するまさにその日だった。


 当日は、東京・渋谷の映画館でサヨナラ公演千秋楽のライブ中継を観劇していた。観劇前や幕間には事前収録されたメッセージが流されたが、「自分は、宝塚ファンでなかった」という発言が繰り返された。「退団の挨拶らしくない」「なぜこれほどまでに強調するのか」。あえてラストメッセージとして披露するからには、なんらかの意図が込められているはずだ。



 初舞台以前の宝塚音楽学校受験を起点にすれば、先に挙げた疑問が一本の線で結ばれる予感がした。宝塚歌劇のイロハを知らず、飛びぬけた身体能力・表現力を秘めた十代は、どう成長し、どんなステージを目指したのか。こうして柚希礼音は宝塚歌劇団によって完成され、宝塚歌劇は柚希礼音という改革者によって変容した、という論にたどりついた。


 「神格化され過ぎている」「宝塚歌劇の本質はそうカンタンに変わるものではない」など、異論・反論もあるだろう。本論の是非は読者の判断にまかせるよりほかない。


 ただ、「はじめに」で記したように「柚希礼音って、そんなにスゴいの?」と尋ねられたら、


 「スゴかった、みたい。20年も前から」


 時計の針をグルグルっと巻き戻せば、柚希礼音が宝塚を選んだのではなく、「演劇の神様」が宝塚に柚希礼音を選ばせた気さえするからである。

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