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イイコ症候群からの脱却 本当の自分を見つける本
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生き方・教養
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第二章 本当の自己嫌悪が生み出す自己成長

『イイコ症候群からの脱却 本当の自分を見つける本』
[著]宗像恒次 [発行]PHP研究所


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〔1〕イイコの成育史


人間を幸福にしない日本というシステム』(カレル・ヴァン・ウォルフレン:一九九四年)という本が上梓されたことは、まだ記憶に新しいことと思う。そのタイトルに多くの人がさまざまな感慨をもたれたのではないだろうか。「外国人から見てもやはり日本人は幸福に見えないのか……」、「言われてみれば確かに……。不幸とは言えないが決して幸せだと胸を張れない、何か満たされない毎日だ」等々。

なぜ日本人は幸福になれないのか」、「この人生はどこかおかしいとなぜ思うのか」


 筆者の論点からすれば、日本という管理社会システムの巨大施設症である「イイコ症候群」から個々人が脱皮しない限り、自分の人生を主体的に生きる充足感は永遠に手に入れることはできない。所詮すべての人の期待に応えることなどできようはずもなく、自分の本音を犠牲にしてまわりの期待に応える生き方を続ける限り、幸福はいくら追い求めても、つかんだと思った瞬間に消え去る砂上の楼閣のようなものである。


 この章のテーマは、いかにイイコから自己成長をはかっていくか、いかに本当の自分を見出していくかである。

本心からの行動を阻む「裏の気持ち」

自分の発言に自信がもてない」、「自分の考えを押し通すことができない」。それ以前に「まわりの様子を見てからでないと自分の発言ができない」、「自分の意見さえもてない」と言う人がいる。だれかに何かを頼まれると、それが自分にとって重要な人であればあるほどに「NO」と言えない人がいる。これらは日本人の民族性によるものだろうか。それとも、それがその人の個性ということなのだろうか。


 どんなに頼まれても、できないものはできないという現実は厳然として存在する。その場合、「NO」と言えないことのほうが相手にとっても自分にとっても問題となるはずである。にもかかわらず、「結果的にうまくいかなくても、何とか相手が大目に見てくれるのではないか」、「せめて肩をもってくれる人の心だけは引き止めたい」という思いから、「NO」と言ったり、まわりの期待と異なる行動を取ることがなかなかできない。こうした背景にも他人の評価や価値観が気になってしまうイイコの問題が存在する。


 実際、このように断ったほうがお互いのためだと「頭では分かっているのに行動が変えられない」あるいは、「ある状況下では、いつも自分の意に反した行動を取ってしまう」といったことは結構あることだ。だから、「イイコをやめて、開き直れる自分を作ることだ」とひとことで言っても、ことはそう簡単ではない。


 悲しいかな、現状のイイコの方法を踏襲したり維持することのほうが自分にとって安全で安心であることを、それまでの成育史の中から学び取ってきているからである。「本当はこうしたい、こうすべきである」という自分の本心に耳を傾けそれに従おうとすると、漠然とした恐れや悲しさ、不安を感じるとしたら、そこには過去の心傷性の出来事が関わっているからである。


 過去に自分の「こうしたい」という本心からの気持ちで行動を取ることで、恐怖や怒り、悲しさなどを味わった体験があると、再びそうした目に遭わなくてもすむように、その時あった「こうしたい」という本心の気持ち〈感情や意思〉は抑圧され、隠されるようになる。


 代わって、「本心に従って行動を取ってはならない」という裏の気持ちが形づくられていく。そしてある状況に対して自分を抑圧するような一定の行動を取らないと、恐怖や怒り、悲しさなどの強い情動が生じるという心理パターンが学習形成されていくのである。そのために、自分が「こうしたい、こうすべき」という表の気持ちをもっても、実際にはそれとは矛盾する裏の気持ちが働いて自己決定ができなくなってしまうのである。


 もし、この時、無理に表の気持ちを通そうとすると、恐れや不安、怒り、罪意識を感じ、抑うつ気分や何らかの身体症状が生じることもあるのである。だから悲しいかな、自分の人生でありながら自らの人生の主人公(自己決定者)になることができないのである。しかも、なぜこうなるのかも分からない。

心傷性出来事と心理パターン


 冒頭に登場した、仕事で画龍点睛を欠く精密機器会社のB氏の場合、「成功してはならない」という裏の気持ちを形成したのは、「失敗することでしか大好きな父親の愛情が得られなかった」という心傷性の出来事であった。そのため、「最後に失敗することで安心する」という心理パターンが形成されていったのである。


 イイコにはイイコの成育史があり、イイコ行動特性もさまざまなパターンを取って現れる。


 フリーのカメラマンのD氏の場合を見てみよう。D氏は三十も半ばを超え仕事も安定してきたので、そろそろ身を固めたいと思っている。仕事柄女性と知り合う機会も多く、それなりに付き合いを始めるのだがどうしても長続きしない。断じて理想が高すぎるとか、選り好みをしているわけではないと思う。ただ、付き合いが深まり楽しくなればなるほど、何か必ず不快なことが起こるのではないかと不安になり始めるのである。そして、相手を不用意に傷つけるようなことを言ったり、いらぬ詮索をしてせっかくの付き合いを台なしにしてしまうのだ。

こんなことを繰り返していたら、好きな相手とは一生結婚できないのではないだろうか」と、最近では絶望的な思いすら抱き始めている。

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