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(2021/11/26 追記)

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イイコ症候群からの脱却 本当の自分を見つける本
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生き方・教養
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第六章 心を観る、心を聴く

『イイコ症候群からの脱却 本当の自分を見つける本』
[著]宗像恒次 [発行]PHP研究所


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 親が子に対して、上司が部下に対して、学校の先生が生徒に対して、そればかりでなく人と人との関わりにおいて、これまで私たちは効果的なコミュニケーション法について知らないで生きてきた。親や先生からも教えてもらえなかった。だから、人間関係が悲惨にもなった。相手の本当の心を知るには、心を観る、心を聴くコミュニケーションが欠かせない。そうした関わりを互いに心がける中で本当の自分にも出会え、あるがままの自分でいることの心地よさを知ることもできるであろう。本章ではこれからの時代を生きていくために次の効果的なコミュニケーションの基本姿勢や技法について難しくともぜひ身につけて欲しいと願っている。ご紹介しよう。


〔1〕相手の心が分かる話の聴き方


話のポイントを捉えるための「観察」


 ある日、中学三年生の息子から「何かお腹が痛いっていうか、調子がよくないんだよね。明日学校休みたいんだけれど……」と言われたら、あなたならどう答えるだろうか。

「何甘えたこと言ってるんだ、大切な時期なんだから無理してでも学校へ行きなさい」

「お腹が痛いのならまずお医者さんだろ。医院に行って診てもらってきなさい」

「大丈夫か? どんな調子だい? 薬は飲んだかい? あまりひどいようだったら休みなさい」

「何か学校でいやなことでもあったのかい? 話してごらん」

「お腹が痛いっていうか、調子がよくないんだね。それで学校を休みたいと思ってるんだね。学校休みたいってどんな気持ちなのかな?」


 の答え方では子どもの訴えをまったく無視しているし、では子どもの表面的な訴えにしか対応していないことになる。の答え方は一見子どもの心に寄り添ったようでも、お腹が痛いという訴えを初めから仮病と決めてかかっているので、子どもの側からすれば信頼されていないという印象を受けるだろう。


 では子どもの訴えをまず受けとめた上で共感的に繰り返し、それから学校に行きたくないと思うその気持ちを聴いている。すでに述べてきたように人は安心して話せる環境が整わなければ、自分の本心から語ろうとはしないものである。まずは相手の話を評価せずにあるがままに受けとめることから始めよう。


 そして心を観る、心を聴くコミュニケーションの要蹄は、話の中の出来事や事柄にとらわれるのではなく、相手の気持ちや感情に焦点を当てて話を聴くことである。そのために、感情用語(例:辛い、悲しい)気持ち用語(例:生きた気持ちがしない)独特の言い回し(例:自立心のみじんもない)セリフ(例:「分かってもらえてうれしかった」)などのキーワード(感情が含まれている言葉)を逃さないようにして話を聴く。さらに言葉だけでなく、目や顔の表情の変化、ジェスチャーがあるところ、身体姿勢の変化、聞き手の心がジーンとしたところ、などのキーメッセージにも注意を払って相手の話を聴くことである。


 眼がうるむとか赤くなるというのは、涙腺に影響を与える神経に関わるほどの強い感情、つまり情動が発生しているからである。子どもや部下の眼がうるむのを見て、「何だ男のくせに泣いて……」などと思わず、ソウル(心の本質的な欲求:自己否定しないで、見捨てないでという恐さや悲しさなど)に関わる重大な感情を聴くことが必要である。


 何気ない話の中にもこうした強い感情が秘められていることがある。相手の非言語のメッセージを観察することで、話の背後にある気持ちや感情を逃さないようにするのである。先ほどの例で言うと、子どもがどのような表情でこの話を切り出したのか。「学校を休みたい」と言った時の表情や姿勢の変化を観察することである。

心のブロッキングを避け、相手の感情を受けとめる「傾聴」


 私たちは人の話を一生懸命聴いているようでいても、実はあまり聴いていないものである。たとえば相手の話を聴きながら「それは私の経験と一緒だ」と思い込むと、実際には多少違っていることがあっても、自分自身の経験と同一視して自分の経験の世界から相手の話を捉えるようになる。その時点で相手の言いたいことや求めているものからズレが生じ始める。


 あるいは相手の求めるものや気持ちを受けとめるより、立場上つい自分の意見を言ってしまうことがある。このように相手の気持ちに沿って話を聴くことを、自分の頭の中に妨げるものが生じてくることを「ブロッキング現象」と言う。ブロッキング現象はいつでもだれにでも起こりうる。次に何と答えようかとこちらが話すことをリハーサルするのも、時間を気にするのもブロッキングである。


 こうしたブロッキングが起こっても、そのブロッキングに気付きひとまず脇に置いて、相手の気持ちや感情を受けとめ続けていく聴き方を「傾聴」と言う。さて、ここで一つクイズを出そう。「臨床経験の長い看護婦はこの傾聴能力が高いか、低いか?」。

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