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人生で一番大切なのに誰も教えてくれない 幸せになる技術(きずな出版)
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生き方・教養
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はじめに

『人生で一番大切なのに誰も教えてくれない 幸せになる技術(きずな出版)』
[著]上阪徹 [発行]PHP研究所


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「成功」すれば
幸せになれるのか?



 勤務していた会社が倒産したのは28歳の初夏のことである。転職してわずか3カ月。私は突然、失業者になった。しかも私にとって2度目の転職、異業種への挑戦だった。意を決して飛び込もうとした新しい人生は、あっけなく幕を閉じてしまった。


 20代は何もかもうまくいかなかった。いつも焦っていた。就職では希望の会社に行けず、転職するも納得の日々が送れず、再転職したら倒産。「失業なんて大した挫折ではない」と言われたこともある。そんなものは苦労のうちには入らない、と。しかし、突然失業者になった人間の気持ちは、同じ状況を味わった人間にしかわからない。


 大人が当たり前のように動き出す朝、自分は何もすることがない。出かける理由もない。その寂しさは想像をはるかに超えていた。何よりも辛かったのは、「もしかして自分は誰からも必要とされていないのではないか」という猛烈な社会からの疎外感だった。街を歩いていると「あの人は失業者だよ」と(ささや)かれている気さえした。


 前職の寮を出るにあたり、ちょっと背伸びをして借りた東京・目白のマンションの最上階には少し広いベランダがついていた。その年の夏は暑かった。エアコンもつけず窓を開け、ベランダの向こうに広がる空をぼんやり見上げていたのを覚えている。


 当時の私には何もなかった。貯金も底をつきかけていた。再就職する意欲すら湧いて来なかった。未来はほとんど恐怖でしかなかった。ただ、もしも今の私が当時の自分に声をかけるならこう言うだろう。

「大丈夫。想像もしていなかった未来が待っているよ」


 実際、当時の私にはまったく想像もつかないような未来が待ち構えていた。この本は私の37冊目の著書になるが、将来、自分の本を出すなんて、夢にも思っていなかった。


 文章を書く仕事でフリーランスになって25年。私は日々、日本を代表する企業の経営者やタレント、科学者、俳優、作家、映画監督などに取材をし、記事を書いたり、書籍を作ったりしている。講演の依頼を受けることもある。自分なりに(つちか)ってきたスキルを多くの人に活用してもらうための塾も開き、卒塾生はすでに150名を超えた。


 おそらく同年代の2倍、3倍もの収入をずっと続けることができた。結婚し、子どもも生まれ、大好きな場所に毎年のように旅行に行っている。欲しいものが次々に手に入り、心から住みたいと思う家に住めた。正直、あまりの幸運さに驚くばかりの自分がいる。


 ただ、もし今のような結果を手に入れていなかったとしても、私は幸せでいられる自信がある。3000人もの人たちに取材をする過程で、その「技術」を学んだからである。


「あなたは、なぜうまくいったのですか?」



 失業した後、私はなし崩し的に、なるつもりもなかったフリーランスの道へと踏み出すことになった。前職はリクルートのグループ会社でのコピーライター。まずは同じ仕事を手がけ始めるのだが、仕事はやがて雑誌の記事や書籍へとつながっていく。これは自分ではまったく想定していないことだった。


 コピーライターとして華やかな実績はなかったが、しゃべりは得意だった。やがて経営者や著名人のインタビュアーとして駆り出されるようになり、記事や書籍の書き手として、ありがたいことに評価をいただくようになった。


 私が書いたインタビュー記事を見て、こんなことをときどき言われた。

「どうして上阪さんのインタビューでは、あの人があんなことを言ったんでしょうか。他の記事では見たことがない話なんです」


 どうしてそうなったのか、その理由に私は自分で気づいていた。幸いなことに、仕事や人生をテーマにインタビューに行くことが少なくなかったのだが、そのとき私は完全に仕事を忘れて話を聞いていたからである。


 なぜこの人は著名人たり得ているのか。どうして成功を手に入れたのか。なぜ仕事がうまくいったのか……。もっと言えば「私の20代と何が違ったのか」である。もとより私自身が、どうすれば成功できるのか、どうすればうまく仕事ができるのか、どうすれば人生がうまくいくのか、猛烈に知りたかった。だから仕事そっちのけでインタビューをしたのである。ただ仕事で話を聞きに来ているのと、身を乗り出して真顔で本気でインタビューに臨むのと、さて取材相手はどう感じるか。


 実際、最初は「まぁ、いつものメディアインタビューだろう」くらいにのんびり構えていた著名な人が、取材の途中でどんどんどんどん真剣になり、顔を紅潮させ、最後は身を乗り出して質問に答えてくれるようなことが何度もあった。


 挨拶では名刺をもらえなかったのに、取材が終わってから名刺を差し出されたこともある。「本当に知りたい」「どうしても知りたい」「なんとしてでも知りたい」という思いは、ちゃんと相手に通じるのだ。そのくらいの思いで私は仕事に向かっていた。だから原稿もしかるべき評価を得られたのだと思う。


 ときには、「どうしたら成功できますか?」「どうしたらお金持ちになれますか?」「どうしたら人生がうまくいきますか?」とストレートに質問した。そんな取材者はいなかったのだろう。苦笑いしながら答えてもらったことが何度もある。


幸せは、空から降ってはこない



 やがて取材相手は、どんどん社会的地位の高い、稀少な人たちへと変わっていった。その数は3000人を超えた。そして少しずつ、少しずつ、私は人生がうまくいくこと、その本質のなんたるかに気づいていく。


 フリーランスになって25年。ありがたいことに、環境が大きく変化していく中で、四半世紀にわたり、書き手として忙しい日々を送ってくることができた。周囲から私はよく「いつも楽しそうだ」「悩みなんてないでしょ」「幸せそう」「仕事もプライベートも充実していますね」などと言われる。それは、こうして取材で得た著名な方々からの教えが極めて大きい。


 うまくいっている人たちの話は深かった。振り返れば、当初は表面的な理解しかできなかったことも多々あった。それでも、だんだんと私なりに「うまくいくための考え方」が整理されていったように思う。


 そのひとつ、まず言語化できたのがこれだ。


永遠に幸せになれない人がいる。



 いろいろな話をたくさんの人に聞いていく中で、私はひとつの結論を導き出す。


 それは、こういうことだ。

「幸せは自分で決める」


 当たり前だが、「あなたは幸せです」と誰かが宣告してくれるわけではない。「あ、これは自分は幸せだぞ」と自分で決めないと、永遠に幸せにはなれないのである。幸せは、空から降ってくるわけではない。


 ところが、多くの人が、誰かが作った「青い鳥のようなもの」を追いかけ、待ち続けている。これでは永遠に幸せになれない。


 そしてもうひとつ、次第にわかっていったのが、これだ。


目指すべきは、成功でもお金持ちでもない。

幸せになることである。



 多くの人が、幸せになるために成功やお金持ちを目指している。そんな印象が強くある。だが、問題は「成功やお金を手に入れなければ幸せになれないのか」である。


 実際には、成功もお金もあるわけではないのに、幸せな人たちがたくさんいた。一方で、社会的な成功を手にしているのにまったく幸せそうじゃない人もいた。


 幸せになるには「技術」がいるのだ。成功しても幸せになれるとは限らない。また、実は幸せなのに、そこに気づけていない人がたくさんいる。


 20代で就職に失敗、転職もうまくいかず、再転職では会社が倒産し、失業の憂き目に遭っていた人間に、いったい何が起きたのか。本書はそれを明らかにする一冊である。いつか、このテーマで本を書かなければいけないと思ってきた。


 多くの人に知ってもらいたいことがある。

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