『「最高の自分」をつくる秘訣』
[著]渡部昇一
[発行]PHP研究所
よく、リーダーになるにはカリスマ性が必要だとかいわれますが、カリスマというのは、もともとは「神様の特別な恩寵」というような意味なんです。
『勝つ生き方、負ける生き方』
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世の中の文化圏を分ける際に、しばしば農耕型民族と騎馬型民族に分けるが、これはたいへん便利である。一言で言えば、騎馬型民族というのはしょっちゅう動いていなければ食えない民族である。その生活形態は、馬賊型といってもよく、しょっちゅう動き回って奪ったり戦ったりする。その生存の基盤がリーダーシップにあるという国をほぼ騎馬型と定義していいかと思う。リーダーが悪ければ、その群は全滅する、リーダーがよければ、それについた者はたちまち出世するとか、安全だとか、そういうのが騎馬型的な社会である。典型的な例が蒙古のジンギスカンである。これは徹底的な能力主義になる。ジンギスカンの部下の将軍たちには、もと奴隷だった者が少なくない。