『生涯、超一流であり続ける人の 自己演出力(大和出版)』
[著]中谷彰宏
[発行]PHP研究所
演出は何もドラマだけのことではありません。
日常生活の中にも演出はたくさんあります。
演出力は、「感じのいいこと」と、「感じの悪いこと」を感じ取る力です。
クヨクヨする人は演出に向いています。
たとえば、スターバックスで、お店から出ようとして重いドアを押している人がいたので、ドアを開けてあげる。
相手がまったく気づかなくても、演出です。
ふだんイラッとしやすい人、クヨクヨしやすい人は演出のタネを持っているので、それを生かせばいいのです。
看護師さんのノックの音が人によって違います。
病院のドアには「ノックしてください」と書いてあります。
ドアの上の方でノックする人は、音が優しくなります。
下の方でノックする人は、音が怒った感じになります。
みんな叩きやすいところを叩いているのですが、怒っていたり、トイレで焦っている時は下の方を叩きます。
ふだんより少し高いところを叩くだけで、体が上がり、音が軽くなって、感じのいい音になるのです。
これが演出です。
面接もノックの音で勝負が決まります。
面接で通る人は、ドアの上の方を叩いて、軽い音がします。
入る前に勝負がついているのです。
演出には本人の生き方がすべて出てしまいます。
ノックひとつで、ドアに対しての優しさ、中にいる人への優しさがわかるのです。
演出力は、中にいる人に不快な感じを与えない叩き方を考える力です。
初めて会う人のノックの音で、今後もおつき合いしたいか、あまりかかわり合いたくないかを判断されるのです。
文言や画像でいくら感じよく見せようと頑張っても、ふだんしていることは出てしまいます。
「この人は感じがいい」「この人はかかわり合いたくない」ということに対して、繊細さを持つことが大切です。
ドアをノックする時は、いつもより少し上のところを叩くように、ふだんの習慣から変えていきます。
演出は、特別な時に特別なことをすることではありません。
ふだんから無意識にしていることが、演出になるのです。
ここ一番で魅力的になる小さな工夫2
ドアの上の方を叩こう。