『生涯、超一流であり続ける人の 自己演出力(大和出版)』
[著]中谷彰宏
[発行]PHP研究所
自分の欲より、
友達を優先する人が浮かび上がる。
私が子どものころ、5人の友達でアイスクリームを食べようとなった時、A君が「僕、おなかいっぱいだからいらない」と言いました。
それを聞いた私も「じゃあ、僕もいいや」と言って、3人だけがアイスクリームを食べました。
その話は母親も知っていました。
本当は私はアイスクリームを食べたかったのです。
A君は、おなかいっぱいだからではなく、お金がなかったのです。
「僕、お金ないから食べられない」とは、子どもでもプライドがあるので言えません。
それに気づいた私が一緒に食べなかったことに対して、「その気持ちを忘れちゃいけないよ」と、母親にほめられた時はうれしかったです。
これが後の演出にもつながっています。
「目立ちたい」、「大きく見せたい」という気持ちが先行するのは、カッコいいことではありません。
大勢の中で生活するためには、かわいそうな人をつくったり、悲しませるようなことはしないと考えることです。
とぼけて「僕も、さっき食べたからいいや」と言えることが大切なのです。
ベースは「私が、私が」ではなく、今、隣にいる友達が「お金がない」と言えないことに気づいてあげる共感性を持つことです。
本人が共感性を感じている時は、まわりの人たちも気づきます。
私の母親が気づいたように、まわりの思いやりに気づいてあげられるベースは共感力なのです。
自己演出力とは、いかに自分の欲望を抑えることができるかです。
この本に登場していただいた人に、共通していることは、ストイックであるということです。
自己演出力とは、他者演出力です。
他者演出力とは、「気配り」です。
「気配り」ができることが、自己演出力なのです。
ここ一番で魅力的になる小さな工夫58
自分の欲より、友達を優先しよう。