『自己肯定感が一瞬で上がる63の方法 あの人はなぜメンタルが強いのか』
[著]中谷彰宏
[発行]PHP研究所
40 嫌われないようにすることで、
下がる。
「私は他者承認をひとつも求めていません。ただ、他者否定をされたくないだけなんです」と言う人がいます。
これは他者承認と同じです。
他者否定をされても涙ぐむ必要はありません。
「他者否定をされたくない」というのは、「どうしたら嫌われないか」と立ちまわることです。
実際は、嫌われないようにしている人が「なんかあの人ね……」と、一番嫌われるのです。
早く帰ると嫌われるからと、三次会の最後のカラオケまでつきあった人でも、「あの人、なかなか帰らないよね」「ホームパーティーでも最後までいるよね。なんで家族とあの人だけ残ってるんだろう。帰れとも言えないし」と言われたりします。
他者否定を恐れないことです。
他者否定をされても、どうということはないのです。
他者否定をする人は、影響力を持っていません。
それよりは、自分の信じる人に認めてもらうことです。
信じる人は、頑張っていることがわかるから否定しません。
他者否定は、下から上にしか起こりません。
下から言われることを気にする必要はないのです。
自己肯定感が一瞬で上がる40
他者否定を恐れない。
41 違う意見は、
自分の否定ではない。
情報化社会は、同意を求める社会です。
「いいね!」は、同意です。
「これってすてきじゃない?」と、同意を求めるのです。
大阪では、「これ買うてん。何ぼや思う?」と買った服を見せると、相手は「見た見た。あんた、安い方、買うたん。やっぱりチンケやわあ」と、ズバッと言ってくれます。
それで仲よしでいられるのです。
ネットの中でこれを言うと、炎上です。
ネットでは、違う意見を自分の否定に感じるのです。
違う意見は、否定ではありません。
単に意見が違うだけです。
社内の会議では、上司と同じ意見を言うことを求められます。
「私はちょっと違った見方をしています」と言うと、「オレを否定するのか」と、ムッとされます。
「それはない」とは言っていません。
「こんな見方もできますよ」「こんなアイデアもありますよ」と、違うアングルから意見を言っているだけです。
自己肯定感の低い人は、違う意見を言われた時に、自分を否定されたと感じます。
「同意しないということは、否定だろう」と言うのです。
「同意」と「否定」の1軸しかないのです。
自己肯定感の高い人は、こういう手もありますよ、ああいう手もありますよという形で、360度、千手観音の手が出ています。
アイデアを足して、広げて、乗っかっているのに、自己肯定感の低い人はそれを否定ととらえてしまうのです。
自己肯定感が一瞬で上がる41
「反論」イコール「アイデア協力」と、考えよう。
42 命令と受けとると、下がる。
提案と受けとると、上がる。
「上司が命令ばかりするんです」とこぼす人がいます。
上司は「これをもっとこうしたらよくなる」という提案をしているのです。
それを「私が書いた企画書に難クセつけて、直せと命令してくる」と言うのです。この人は「命令」と「提案」の区別がついていません。
たとえば、レストランで、お店の人に「今日の料理いかがでしたか」と聞かれました。
ここで「ちょっとポーションが大きいので、ハーフサイズがあるといいな」と言うのは、明らかにクレームではありません。
ところが、これをクレームととらえる人がいるのです。
ある業界の講演で、「現状はこうなっている。ポテンシャルとして、もっとこうすれば、この業界は伸びる。この部分は大昔にとどまっていて今の時代にはそぐわないから、改善した方がいい。