『格差と分断のアメリカ(東京堂出版)』
[著]西山隆行
[発行]PHP研究所
◆社会主義に肯定的なイメージを抱く人が増えている
冷戦期、アメリカは社会主義、共産主義と対峙する資本主義圏の盟主としての地位を確立していた。現在、そのアメリカで社会主義という言葉に注目が集まっている。
ドナルド・トランプ大統領は、2019年2月に行った一般教書演説で、アメリカを社会主義の国にしてはならない、そして、アメリカは決して社会主義の国になることはない、と強調した。冷戦期の国際情勢や社会主義国の状況を知る者からすれば、何を当然のことを言っているのだろうという気がしなくもない。
だが今日のアメリカでは、社会主義という言葉に対する捉え方が以前とは大きく変化している。