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縄文文明と中国文明
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歴史
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はじめに

『縄文文明と中国文明』
[著]関裕二 [発行]PHP研究所


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 アメリカの第三十七代リチャード・ニクソン大統領は、昭和四十七年(一九七二)二月、中華人民共和国を電撃訪問し、国交正常化を実現してみせた。ソ連と北ベトナム(アメリカはベトナム戦争の真っ最中だった)(けん)(せい)し、外交を有利に進める目的があったとされている。


 そしてここから、次第に中華人民共和国は発展を始めた。だからだろう、ニクソンは晩年、「中華人民共和国の創造主はアメリカだ」


 と述べている。ただし、中華人民共和国は、いつしかアメリカのもっとも恐れる国に(へん)(ぼう)していったため、ニクソンは、苦々しく思っていたようだ。

「われわれはフランケンシュタインを造ってしまった」


 と、スピーチライターにもらしていたという。だが、もう手遅れである。


 中華民国(台湾)を捨てて、共産主義国家と手を組んだことからして、大きな間違いだったし、そもそも中国文明を、()めてはいけなかったのだ。


 世界の文明を見渡してみて、もっとも古く、もっとも長く続いたのが、中国文明(中華文明)だった。ヨーロッパの発展と覇権は、産業革命以降の話で、中国の「厚みのある文明の歴史」には(とう)(てい)かなわないし、漢民族の「物に対する(しゆう)(ちやく)」「(どん)(よく)さ」を、(あなど)ることはできない。恐ろしいほどの執念を見せる。

「文明」の中心が「物質の豊かさと、技巧(技術)の高さ」だとするならば、漢民族の作り上げた社会こそ、「文明的」といわざるを得ない。合理的で、冷徹に、実利を追求する。そこに、「ポエム」や「慈悲」はない。他民族から(よう)(しや)なく物(財)を求め、富を蓄えるイメージがある。長い間()(みん)(むさぼ)っていた中国文明を覚醒させてしまったニクソンの罪は重い。


 困ったことに、多くの日本人は中国文明の恐ろしさに無頓着だ。


 日本列島は、四方を海に囲まれ、大々的な侵略を受けることはなかった。しかし、航空機と船舶、内燃機関の発達によって、「海という防波堤」は、意味を失った。地政学的に、日本列島は、「世界中の大国が手に入れたい土地」「地政学的に必要不可欠な場所」になり、しかも武力を用いれば、奪うことが可能になった。どの国も欲しくてたまらない魅力を備えている土地が日本列島なのだ。


 事実、対米戦争に負けた日本は、アメリカの最前線基地の役割を担うようになった。こののち、日本列島をめぐって、核兵器を所持する大国が、争奪戦を演じる場面が目に浮かぶようだ。しかも、最大の脅威は、中国である。


 漢民族の女性の遺伝子は多様性に富んでいるが、男性の遺伝子は非常に単純で、それはなぜかと言えば、漢民族の男性は戦って破った敵の男性を皆殺しにしてしまったからだろう。(こう)()が理想的と絶賛した(しゆう)の時代の王も、敵は残らず殺し尽くせと命じている。


 われわれは、漢民族と中国文明の本質を、理解しておく必要がある。ガラパゴスのように天敵のいなかった日本列島人は、「殺さなければ殺される歴史」を繰り返してきた諸外国の「常識」が、理解できないでいる。だからこそ、中国文明の本質と、日本人の発想の差を、知っておく必要がある。そして、日本人とは何者なのか、縄文時代にさかのぼって正体を知るべきなのだ。


 日本列島は文明の吹きだまりだから、中国から多くの知識や技術が流れ着いた。当然、古代日本の文物のほとんどは中国や朝鮮半島に由来すると信じられてきた。しかし近年、縄文文化が見直され、現代にまでつながる「三つ子の魂」が縄文一万年の時代に形成されていた可能性が指摘されるようになってきた。海の外から新たな文物が流入しても、縄文的な発想で取捨選択し、列島人にとって必要な物だけを選んでいたこと、さらに、工夫を加え、日本の風土に合わせて改良していった様子が見てとれる。


 そして、無視できないのは、縄文人の残した美意識や知識、技術が今日まで継承され、また、長い歴史の中で何度も文化の揺り戻しが起きていたという事実である。


 なぜ日本人は、ことあるたびに昔に戻ろうとしたのだろう。ここに、日本人を知るためのヒントが隠されている。


 かつて、縄文時代といえば、野蛮で未開な時代と信じられてきた。しかし、縄文時代から継承されてきた多神教的発想が、日本人を守ってきたのだし、日本人はいまだに自覚のない多神教信者だ。そして、極東の島国に多神教徒が生き残り、先進国の中で唯一、多神教的発想と信仰を捨てなかったことは、世界史という視点から見つめても、まさに奇跡的な出来事なのだ。


 一神教が砂漠で生まれたのは、(ほう)(じよう)の大地を追われた者たちが、(ふく)(しゆう)の正当性を得るためだった。狂気ともいえる一神教の論理が、今の世界を覆っている。中国の「共産主義」も、一神教のなれの果てだ。だからこそ、日本人は無意識に、「縄文的で多神教的な発想の重要性」を認識しているのだろう。だからこの「まっとうな発想」を世界に向けて発信しなければならない。そのためにもまず、中国文明と縄文文明の差と、それぞれの正体を見極めておく必要がある。


 日本人は、ガラパゴス諸島の稀少動物のように、外敵がいなかったから、無防備で人の言うことを簡単に信じてしまう。殺さなければ殺されるという大陸世界に生きてきた漢民族とは、正反対なのだ。だから、「平和憲法を守っていれば、誰も攻めてこない」などと、(のん)()なことを言っている。お人好しの日本人は、「世界中の人びとが、島国の人間と同じように生きている」と勘違いしているし、大陸の発想を理解できないでいる。生き馬の目を抜くような社会に住んできた漢民族の行動から、目を離してはいけない。


 そして、もし近々世界の終わりがやってくるとすれば、アメリカと中華人民共和国の戦争がきっかけになるのではないかと()()している。それは、一神教同士の争いであり、「お互いの正義(独善)」が衝突することである。だからこそ、多神教世界の住民である日本人が、知恵を絞っていくほかはないと思うのである。


 (おお)()()ではなく、本当にそう思うのだ。だからこそ、今、中国文明と縄文文明について、考えておきたいのである。

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