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ポジメンタル 悩みを夢に、困難を感動に変える思考法
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生き方・教養
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第4章 夢の見つけ方と叶え方

『ポジメンタル 悩みを夢に、困難を感動に変える思考法』
[著]増田真一 [発行]PHP研究所


読了目安時間:36分
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「どうしても講演家になりたい」という思い

「屈辱はギフト」「真のポジティブ」「感動する心」。


 僕の考え方の根幹をなすテーマを、ここまで語ってきた。


 僕は今、これらを「講演」という形で伝えている。そうして、僕は毎日夢を叶えている。


 この「夢」が、この章のテーマだ。



 講演にお越しいただくたくさんの方々と話していると、よく耳にするのが、起業や転職に関することだ。よく話を聞いてみると、やりたいことがあるが、生活のための収入とのバランスへの不安があったりする。つまりこれからの時代は、生き方と稼ぎ方、働き方というものは、限りなく一致してきているということだ。


 そんななか、よく尋ねられる質問のひとつに「なぜ増田さんは、塾経営者から講演家になられたのですか?」というものがある。

「塾を経営していれば安泰なのになぜ?」そういう疑問を持たれるのもわかる。



 塾経営に限らず、利益が潤沢に出ている事業を譲るという決断は、普通ならばなかなか勇気がいる。


 僕の経営していた「特進塾」は複数の拠点に展開する地元の小学生から高校生までが多数集まる、業績の高い会社だった。月々の、潤沢な収入が確約されている。二代目に譲ったときももちろん、十分な利益が出ている状態であった。


 それを手放すということは、同時に収入も手放すということになる。「ロイヤリティーをもらっていたのでは?」と思われるかもしれないが、そのような契約などもしていない。つまり40代で一からまた事業を立ち上げなければならなかったということだ。


 それでも、どうしても、講演家という道を極めたかった。


 きっかけは第1章で話した通り、学生さんに頼み込まれて、大学で講演をしたことだ。それ以降、KIZUKI塾や飲食店経営者のご縁でも講演の機会が増えた。


 この「講演もする塾経営者」の時期が長らく続いた。多忙ではあったが、その立場のほうが、よほど安定性が高かったことは確かだ。


 しかし僕の心は、専業の講演家へとどうしようもなく傾いていった。


 それには、こんなわけがある。


 僕は、塾に通ってくる子どもたちが、ここ十数年で急激に変貌したことに、懸念を抱いていた。


 以前の子どもたちは、とにかく元気だった。


 学校が終わって塾に駆け込むやいなや、

「先生、聞いて聞いて、こんなことが学校であってね……」

「それでね、○○って言ったらね、○○ちゃんがこう言ってね……」


 とひっきりなしに話す。

「そうかそうか。うんうん。わかった。よしよし! 教室に入って授業しようね」と、ひとしきりなだめないと止まらないハイテンション。その時間が、たまらなく頼もしく楽しかった。


 ところが、2010年代から様子が変わった。


 うなだれて塾にたどり着いたかと思いきや、

「ああ、だりい」「きっつい」「あいつ、ムカつく」


 と暗い顔でつぶやく、くたびれた中年のような子どもが激増したのだ。


 よくよく聞いていると、それらの愚痴のなかに、「家、帰りたくねえ」「母ちゃん、むかつく」といった言葉が交じっていることに気づいた。


 この子たちの家に何かがある、と思ったのが、すべての始まりだった。

「川の上流」をきれいにしたい!


 謎が解けたのは、三者面談のときだ。


 親御さんに会ってみると、すべての方が、とはいわないが、子どもに輪をかけてくたびれていることがわかった。

「ボーナスがカットされた」「会社が傾きかけている」「リストラに遭うかも」「家計も切り詰めないと」「将来が不安だ」「働きづめで疲れた」……。


 父親からも母親からも、ストレスに満ちた言葉が噴き出してくる。またはそのような空気感を漂わせる。


 子どもたちは、親の不安や疲れの影響を、ダイレクトに受けていたのだ。


 親が二人して「疲れた」「不安だ」「しんどい」と言っていたら、そんな家には帰りたくないに決まっている。


 しかも、そうした親たちは、子どもにも苛立ちを向けてしまう。

「ちょっと、今疲れてるんだから、話しかけないで」

「うるさいからテレビ消して!」

「そういえばお前、勉強してるのか?」

「この前も成績下がったよね? 塾代だってバカにならないのよ!」


 などと言われたら、たまったものではない。


 僕は塾での時間を通して、子どもたちに元気を送れるよう全力を尽くしてきた。しかし、明らかに焼け石に水だった。


 子どもたちが塾で過ごす時間は、家で過ごす時間よりも圧倒的に短い。


 彼らをひととき元気にしても、家に帰ればまた両親のオーラを浴びてしまい、もとの木阿弥になる。



 もちろん、すべての親御さんがそうだったわけではない。親子の仲がよく、信頼し合っているご家庭の場合にはこのようなこともあった。


 そのお子さんは、難関校を志望していたが、模擬試験での判定が合格ラインに達していなかった。学校の担任の先生にも「その志望校は絶対に無理だ」と止められていた。しかし本人はどうしても受験したいという気持ちで最後まで全力を尽くした。僕たちもご両親も全力で応援した。その結果、大逆転! 見事合格をつかんだケースだ。


 親が明るく元気であったり、親子仲がむつまじいということは、子どもの運や可能性を拓くことになる。そんな例も実は多くあったのだ。



 ならば、親を元気にすることが先なのでは、と思った。


 僕は子どもが大好きで、子どもたちの教育を天職だと思ってきたが、子どもたちを元気にしたいなら、親にアプローチするほうが有効だ。


 川の「上流」に働きかければ、大人も、子どもも元気にできるのではないか……。


 その瞬間、僕の夢は「講演家」になった。

子どもが一瞬で夢を失う言葉


 子どもには夢を持ってもらいたいと願う大人は多いと思う。しかし現実には、逆に子どもが一瞬で夢を失う言葉を発していることがある。


 それは「疲れた」という言葉だ。


 仕事やさまざまな活動から親が帰宅したときの第一声が「あ~、疲れた」。


 実に、ルーティンのように何気なく発してしまいそうな言葉だ。それを聞いた子どもはこう思う。

「大人になると疲れるんだ」「大人になりたくない」と。


 これを毎日のように聞かされると、夢を失うのは当然だ。


「じゃあ、大人は疲れたと言ってはいけないのですか?」と反論をもらいそうだが、方法はある。


 もちろん一日中、デスクでパソコンに向かっていては目も疲れ、肩も()る。営業で歩き回れば、足に乳酸だってたまる。身体的な疲れは確実にあるだろう。


 しかし、どうだろう。

「あ~疲れた。でもね、会社には仲間がいて、仕事は最高なんだよ!」と付け加えたら。

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