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本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。(大和出版) “患者の気持ちがわからない”お医者さんに当たらないために
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雑学
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1章 だから“患者”は傷つけられる

『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。(大和出版) “患者の気持ちがわからない”お医者さんに当たらないために』
[著]大塚篤司 [発行]PHP研究所


読了目安時間:31分
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患者さんの気持ちがわからないお医者さんたち


 あなたは病院に行って、嫌な思いをしたことがないでしょうか?


 体調が悪い中、混雑した廊下で長い時間を待ち、やっとの思いで診察室に入ると、謝罪の言葉もなく医者はパソコンに向き合ったまま。


 会話をすれば傷つくようなことばかり言われてしまう。


 心の優しい患者さんは、なにか自分が悪いことをしたのかと振り返ることもあるでしょう。


 傷つきながらも医者を怒らせないように気を使い、病院に通い続ける患者さんもいると思います。


 あるいは、医者の言動に嫌気が差して、病院を変える患者さんだっているでしょう。


 自分が医者となり病院で働くようになって、ひとつ気がついたことがあります。



 それは「空気が読めないお医者さんが多い」ということ。



 会話が通じない、人の気持ちがわからない、すぐに機嫌が悪くなる、など、病院に何回か通った人なら感じたことがあることだと思います。


 もちろん、良いお医者さんもたくさんいます。患者さんの気持ちに寄り添ってくれる優しいお医者さんはいっぱいいます。ほとんどのお医者さんが良い医者だと思いますし、そう信じています。


 それでも「変なお医者さん」は一定数いて、自分がはじめて病院に通うとき、空気の読めない医者に当たるのか、優しく丁寧な医者に出会うのかは運でしかありません。


 ぼくは大学病院で勤務しているので、いろんなタイプの医者と仕事をします。他科の医者の診察をじっくり観察する機会は、医学生のときの方が断然多かったのですが、それでも診察している医者の態度は人づてに耳に入ります。



 たとえば、実際にこんな医者がいました。


 ぼくが専門としている皮膚科では、紫外線を使った治療を行うことがあります。


 紫外線が皮膚に存在する免疫細胞の機能を調整したり、末梢神経に作用することでかゆみを抑える効果が報告されているからです。


 そのため、アトピーの患者さん、(かん)(せん)の患者さん、皮膚がかゆい年配の患者さんなど多くの方が紫外線治療を行うため受診されます。


 紫外線治療は服を脱いで、皮膚病があるところに紫外線の機械を近づけます。それから数分(機械によっては数十秒)紫外線を照射することになります。ちょっと皮膚がポカポカすることもありますが、基本なにも感じません。



 整骨院で腰痛に電気治療をされる高齢の方もいらっしゃいます。そういう方にとっては、紫外線治療も電気治療も「機械で皮膚になにか良いことをしている」という認識で同じものを考えていらっしゃる。


 ですので、原理も効果も違うけれども、患者さんが治療を続けてくれることが重要であるため、両者の違いを理解してもらうのはすこしずつでいいと、ぼくは考えています。



 ところが、医者の中にはこの“専門用語の違い”がわかっていないことが許せない人もいます。


 ぼくが出張で病院を空けた際の話です。


 そのとき、たまたま勤務時間があう医者に診察の代理(代診といいます)をお願いしました。当然、その医者にとっては患者さん全員初対面です。

「今日は電気を当ててください」と常連の高齢の患者さんが受診にきました。


 紫外線治療をしているおじいさんなんですが、皮膚のかゆみがだいぶマシになってきて治療にはとても満足されていました。

「電気ってなんですか?」代診の医者は聞きます。

「いつも当ててもらってる治療です。今日もお願いします」


 すると医者は、カルテを見ながら不機嫌そうに、「ああ、紫外線治療のことですね。あなたが行っている治療は電気ではありません。紫外線です。日本語は正しく使ってください」と答えたそうです。



 次の診察の際、その患者さんから言われました。

「これからはずっと先生でお願いします。前の先生からは怒られちゃって……」



 代診をしてくれた医者の言っている意味はわかります。言葉を正しく使うのは大事です。電気と紫外線はまったく違うものです。


 でも、患者さんが、その違いを完璧に理解して言葉を使いこなす必要はあるのでしょうか?


 まず大事なのは、初対面のその患者さんとの信頼関係ではないでしょうか?


どうして病院で患者が傷つかなきゃいけないの?


 ぼくも患者として病院に行き、傷ついた経験があります。医者の態度に悲しい思いをしたことがあります。


 いまでも記憶に残っているのが、医学部を目指した浪人1年目のことです。


 当時ぼくは体を壊すんじゃないかと周りから心配されるほど勉強をしました。睡眠時間を削って、眠気と戦うために手の甲に針を指しながら勉強を続けました。


 その過程で、ものすごくストレスがかかり、精神的には限界のところまで追い詰められました。


 眠気と戦い勉強するために、浴びるように飲んでいたコーヒーのせいか、いまになって考えると軽いカフェイン中毒になっていたように思います。


 動悸や不整脈がとまらない日が続き、さすがに心配になって近所の総合病院を受診しました。


 総合病院というのは、だいたいその日の午前中にしか診察予約を受け付けていないにもかかわらず、患者さんはいっぱいで朝から何時間も待たされます。


 例にもれず、ぼくは朝はやく循環器内科に診察券を出したものの呼ばれるのは午後になってからでした。


「どうしました?」


 40代後半と思われる白髪の男性医師はこちらの顔は一切見ず、カルテを開きながら質問してきました。

「ずっと動悸がして脈が飛ぶんです」


 医師は返事をせず、ものすごい勢いでカルテを書いていました。

「いま受験生なのでストレスかもしれません」


 こちらが話を続けても返事をしてくれません。


 心電図をすぐに取り、超音波の検査を行い、とくに大きな心疾患はなさそうなことを確認してもらったものの、やはり今後も脈が飛ぶのは怖い。

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