『いつ死んでも後悔しないお片づけ』
[著]杉之原冨士子
[発行]PHP研究所
「人生のゴールデンエイジ」を楽しむための片づけ
50代というのは、さまざまな理由から、家族構成やこれまでの生活のスタイルが変わる方が多い年代です。具体的に言うと、
・子どもが大学に入学、あるいは結婚して家から独立する
・夫または妻が、これまで勤めてきた会社を退職、または転職する
・退職を機に起業し、自宅の一部をオフィスにする
・実家あるいは義理の両親の介護が必要になり、自宅に引き取る
・離婚や死別
などでしょうか。
これら以外にも、さまざまなケースがあるでしょう。これらのライフスタイルの変化に伴って必要になってくるのが、「暮らし方の見直し」、そして「家の片づけ」です。
今、ライフスタイルの変化に直面しているあなたの心の中には、「わが家を片づけたい」「片づけなきゃ」という思いがわきあがってきていることと思います。そして、「わが家にあるモノを片づけ、整理するにはどうしたらいいだろう」「片づけを始めるならどの部屋から始めよう」など、「これからしたいこと」や「しなければならないこと」が頭の中をかけめぐっているのではないでしょうか。
すでに引っ越しや改築、リフォームなどが決まり、その準備を始めている方もいらっしゃるかもしれませんね。
私はこれまで、引っ越しやリフォームの際の荷物の梱包や整理収納をはじめ、片づけのプロとして、実にたくさんのお宅に伺ってきました。その中でつくづく感じることがあります。それは、50代からの片づけは、その後の幸せな人生を送るための大きなポイントになるということです。
スタートラインは片づけのチャンス
私たちのライフスタイルの変化は6年ごとにやってきて、その変化に応じてモノ(荷物)の量は増減するといわれています。最初の変化は小学校に入学する6歳、次は中学校に入学する12歳、3番目は大学に入学したり社会人になる18歳……という具合に、6年というのは新しい生活を迎えるスタートラインになります。
このスタートラインこそ、「片づけ」に適した大きなタイミングなのです。
小学校や中学校に入学することで、教科書などの学習用品や制服、通学用品をはじめとする身の回りのモノが増えます。それに伴い、これまで使ってきたモノや着てきた服などを見直し、新生活が快適に始められるよう片づけを行ないます。
そして大学に入学、卒業して社会人になり、結婚すると、ご主人と一緒に暮らすようになるわけですから、モノの量はそれまでの2倍になり、新居の片づけや整理が必要になります。
そのあと子どもが生まれると、生まれる子どもの分だけモノが増えていき、その都度家の中を模様替えしたり片づけたりします。