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生き方・教養
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ぜんぶ、捨てる

『ぜんぶ、すてれば』
[著]中野善壽 [発行]ディスカヴァー・トゥエンティワン


読了目安時間:22分
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捨てるセンスを磨く。

好き嫌いを意識することから。




「何を捨てて、何を残すのか。その選択のセンスはどうやって磨くんですか?」

僕があまりに思い切りよくなんでも捨てると思ったのか、

インタビュアーからそんな質問を受けました。

自分にセンスがあるかどうかは、正直、よくわかりません。

ただ、一つ言えるのは、

そのときどきで僕は「好き・嫌い」をハッキリ意識するようにしてきたということ。


しかしながら、その場で口にする必要はない。

これは好きだな。こっちのやり方は好きじゃないな。

理由は後付けでもいいから、直感で主観を示していく。

最初は勇気がいるかもしれないけれど、

それをなんとかつくりあげていかないと、自分の中に主たる軸というものができない。


じゃあ、自分の「好き・嫌い」を身につける練習はどこでやってきたのか?

僕の経験を遡ると、その原点は幼い頃に祖母から手ほどきを受けた

「生け花」の稽古だったように思います。

どの花が好き。どの長さに切るのが好き。

どの角度で挿すのが好き。どの組み合わせが好き。

無限のパターンから、どう生けるかを決めるレッスンは、

大人になってからの“直感を信じる決断力”の基礎になったかもしれない。

今になって、そう感じます。


捨てる以前に、持たなくていい。

家もクルマも、時計さえも。




「捨てる」ことについての話を進める前に。

僕は捨てる以前に、モノをできるだけ「持たない」ライフスタイルを選んできました。

家は台湾に一応ありますが、賃貸暮らし。

家具もごく限られた最小限のものだけで、

日本で仕事をするときには、ホテルなどに滞在しています。

クルマもなし。高価な腕時計にも興味はなく、

仕事の打ち合わせを時間内で終えるための液晶時計が一つあれば十分です。


日用品も決して高級品ではありません。

服は通りすがりのアジア各地でパパッと、

いつでも捨てられるくらいの気軽なものを。

食べ物はコンビニの新商品を選ぶのが一番楽しい。

ご馳走は会食でいただくだけで満足。

「経営者としての収入を、家財に費やせばそれなりのものが手に入るでしょうに」

と不思議がる人も多いのですが、僕はまったくモノに執着がありません。

持たなければ、生活がモノで埋め尽くされないし、

土地や家を売買する上での煩雑な手続きもしなくていい。

何よりも災害での心配が一つ減る。


何より身軽な生き方が好きなのです。


所有は安定を生まない。

ものを捨てれば、自由になれる。




家を買う、家を建てる。

住まいを所有することは、いまだに多くの若者の目標になっているようです。

僕はまったくそうしたいと思わない。

現に、賃貸やホテル住まいに不便を感じたことはありません。

なぜ家を買うのか。

「ここにいつでも戻って暮らすことができる」という安心感を得られるからでしょうか。

でも、それは逆に言えば「ここにいつまでも縛られる」ということ。

実際、台風や水害が迫る中、すぐにでも逃げ出すべきなのに

「家が心配で残りたい」という人は毎度いるじゃないですか。

家のために命を捨てるなんて本末転倒。

かえって、生きることを不自由にしていないだろうか? と疑問です。

阪神・淡路大震災の時、新築一戸建てを建てたばかりだった友人が嘆いていました。

一夜にして家を失った人たちを、僕は数多く知っています。

ものを所有することは安定を生まない。むしろ不安が増えるだけ。

「いつでも移れる。どこでもすぐに新しい生活を始められる」。

人生の選択肢を広げてくれる、そんな軽やかさを持ちたいと僕は思います。


思い出も捨てる。

役立たないから。




思い出っていいものだ。

もちろん、僕にも大切にしたい思い出はあります。

けれど、大切だからといって、それにこだわるのはよくない。

美しい思い出ほど、それにしがみついちゃあいけないと思います。


過去を守ろうとすると、それは“前例”となる。

すると、前例と似たことをしたくなる。

前例がないと行動できなくなってしまうと、ますますよくない。


前例は未来を縛るもの。

激動する現代において、前例は役に立たない。

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