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にわか〈京都人〉宣言 東京者の京都暮らし
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ルポ・エッセイ
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第六章 関西の「ハブ都市」、京都

『にわか〈京都人〉宣言 東京者の京都暮らし』
[著]校條剛 [発行]イースト・プレス


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関西の四つの大都市が一時間圏内


 じっくりと関西圏の鉄道地図を眺めていると、京都が関西圏の中心都市であることがわかる。というのは、京都の都心部に住んでいると、関西圏の四つの大きな都市へのアクセスが非常に楽なのである。言うなれば、京都は、大阪、神戸、奈良、大津へと通じているハブ都市なのだ。


 大阪を起点にする考えもあるかもしれない、大阪からだと大津へのアクセスが良くない代わりに、神戸、和歌山ヘは京都よりずっと近い。ただ、大阪は都市の構造が複雑であり、鉄道網が()()の巣のように張り巡らされているため、目的の電車に乗るまでの労力が並大抵ではない。


 京都もJR京都駅と阪急線・京都河原町駅、京阪線・出町柳駅とで出発点が三分されてしまうが、三つとも他都市へのアクセスが単純であるので、乗り間違えようがない。新幹線も、大阪は新幹線駅(新大阪)とJR大阪とは離れているのに対して、京都は同じである。


 どちらが便利かは論議し出すと切りがないが、効率的なハブ都市として、勝手に京都のほうに軍配を上げたい。


 私は京都の自宅から大阪に行くのに、JRの新快速を利用することは一回もなかった。JR京都までは地下鉄に乗らなければならないのに、阪急の京都河原町駅までは歩いて二〇分で着くからだ。特急で大阪梅田駅まで四二分、四〇〇円。大阪方面は梅田駅ではなく、京橋駅、難波方面は京阪を使う。なんば駅へは淀屋橋駅で乗り換えて地下鉄を使うので、六〇〇円かかるが、地下鉄は使わずに大阪中心部に辿り着こうと考えれば、淀屋橋まで四二〇円である。


 神戸に行くなら、阪急で京都河原町駅から十三駅乗り換え、神戸三宮駅まで一時間一〇分、六三〇円。時間と運賃は多少高いが、乗り換え一つで楽ちんである。運賃も河原町駅近くのチケットショップで、四二〇円の安いチケットを購入できる。安売りチケットショップが駅近くにあるのは、さすが関西、東京では考えられない。


 奈良へは近鉄である。正攻法だと近鉄京都駅から急行で五〇分、六四〇円。一時間に一本は、地下鉄烏丸線から近鉄線に乗り入れているから、それを使う手もある。


 いずれにせよ、京都から大阪、神戸、奈良は、ほぼ一時間圏内と考えていい。何度も言うが、京都は観光客に照準を当てた商売が主流である。生活人としての休日を過ごしたくなったら、京阪でも阪急でもいいので、大阪か神戸まで足を延ばすことだ。どちらの都市も、食事、買い物ともに「普段使い」が京都より楽なのは、生活人の町だからだ。


ごった煮の街「大阪」へ


 大阪の魅力は、闇鍋のようにごった混ぜ具材が煮立っている文化にある。主要な駅付近の街の風景は、大小のビルの乱立だ。風景が整っていない。官庁街風に気取った中之島を除いては、梅田も難波も阿倍野も熱い鍋のなかである。地下街は迷路そのものである。梅田や難波の地下街に紛れ込んだら、もう抜け出せないと覚悟しなければいけない。


 他国人が大阪の地理を理解するのは、なかなか大変である。私はいまだに梅田周辺の歩き方に慣れていない。知人に連れられて何度も入った曾根崎のビアホール「ニューミュンヘン本店(二〇二〇年二月現在、店舗改装中)」の場所も、覚えるのに三年はかかっている。


 難波は梅田よりも規模は小さいが、わかりにくさは相当なものだ。書店「ジュンク堂」に辿り着くにも、スマホの地図を解読するのにかなりの時間が必要だった。


 大阪のディープな味わいを感じ取るためには、中心部よりも周縁部に行かねばならないが、たまの休日に訪れた他国人が簡単にふらふらできる都市ではない。

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